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なんもかんも上手くいかない夜とPK shampoo Tour 2021 Summer "葬列"

良かったライブなんて腐るほどあったはずなんだけど、思い出すのは深夜1時石狩湾新港樽川埠頭の横で最前列で見たthe pillows、白い夏と緑の自転車赤い髪と黒いギターを赤い髪して聴けたこと、LITTLE BUSTERSの再演ツアーで見たハイブリッドレインボウのギターソロでストロボライトで照らされたピーちゃんがこの世のものとは思えん美しさだったこと、SIX LOUNGE目当てで行ったライブの対バン相手だったボイガルがめちゃくちゃ暴れまわってステージの照明にぶら下がったりよじ登ったりし始めて最高で、ライブが終わった後すぐワンマンのチケットを取ったこと、あともう解散しちゃった人生で最初に好きになったバンドのライブで会場間違えて開演時間に間に合わんくて、3曲目くらいで飛び入ったら一番聴きたかった曲がはじまってほっとして号泣したこととか、そんなんばっかり。

もっとあった。もっとあったんだけどそういうのばっかり思い出す。
多分見た瞬間「一生忘れたくない」て思ったライブは他にたくさんあった。一生忘れんだろうと思ったはずだった。でも一生忘れないなんてことは無理で、ストレージ不足でどんどん記憶が淘汰されていく。ぐわっと泡立って叫び声とかと一緒に溢れ出た感情も、その瞬間はこれが全てだと思ったことも、段々少しづつ思い出せなくなっていく。残るのは、馬鹿みたいに赤い髪してたなとか、感情に任せてワンマンのチケット取ったはいいけど連れが金欠で行けなかったなとか、どうしようもなく美しい光景、あと流した涙?そういう事実に伴うものばかり。感情に紐づく事実がないものはすべて流れて消えて行ってしまった。

きっとそういうもんなんでしょう。そのくせ暗い部室で「私はあんたが嫌い」と言い放った女の目つきとかそういうもんばっかり消えてくれない。そんなのに容量割いてる場合じゃないのに。そんなことはどうでもいいんだけど。

8月22日、PK shampoo Tour 2021 Summer "葬列"。大阪BIG CAT。
忘れずに済むならそれが一番いいなって思った。無理だとしても。



楽しみな気持ちと恐怖とが半分半分で飛行機に揺られていた。8月21日。飛行機に「揺られる」っていう表現が正しいのかよくわからんけど。揺られるっていうか、電車みたいなそんな生易しいもんじゃないあれは。飛ぶ瞬間がいつもちょっと怖い。鉄の塊が空飛んでんの意味わかんないなって未だに思う。どういうことなんですか?

8月3日に予定していたライブはメンバーがコロナに感染したせいで延期になって、オイ、いや仕方ないんだけど、仕方ないんだけど、当初往復で1万ちょっとを予定していた飛行機は変更手数料だのなんだのがいろいろ加わって最終的に2万9千円になった。泣くかと思った。恥を忍んで言うけどわたしは手取りが新社会人である弟より少ない。悲しき社会人4年目。6日働いて1日休んでまた6日働くみたいな毎日です。圧倒的休み不足。3ヶ月くらい前から、夕方になると頭痛と激しい吐き気に襲われるようになりました。あとストレスで生理止まりました。もう辞めようかな、仕事……………………。

日程が変更になったことで多分来れなかった人もいて、大阪公演だけ当日券が出ていた。「当日券あるなら行こうかな」みたいな人をツイッターでちょこちょこ見かけた。クソが!!!!!!!そんな気まぐれで来るな、こっちは半泣きで飛行機取り直して土曜出勤終えてマッハで大阪まで来たんやぞ、宿に着くころには日付も越えていた。ハ。矮小な人間ですまん。ただの嫉妬です。気まぐれでライブ行ってみてえよ。

いつぞやのnoteに「今なら借金してでも行く、ワンマン。」って書いたけど、いや借金はしなかったけど、貯金は切り崩した。でもそれが偉いってことは全然ない。北海道から来たぞ俺は!!!!!!!!!って思ったけど、どこから来たとかどれだけ金がかかってるとかは全然好き度に関係なくて、あの会場にはわたしがPK shampooを好きになるもっと前からPK shampooを好きな人もごまんといて、もしかしたらツアー3か所全通してる人とかもいて、それはそう、そうなんだけど、事実として貯金は切り崩した。札幌から飛んできた、俺は。感染症がどうとかそういうのを我慢できないくらい見たかったことが正しいのか間違ってるのかは知らん。そういう話はいらない。多分正しくない。でもいい、そういうのは一旦いい。



BIG CATは商業施設の中にあってびっくりした。恋人が「大阪は結構そういうライブハウスばっかりやで」って言ってた。札幌にはあんまりないです。

整理番号は139番と140番、それが良い方なんかどうかの判断もつかなかったけど、結果、わりかし前の方のポジションを取れた。1時間立ちっぱなしで開演を待つ。足の裏がすこぶる痛い。貸した水色の神崎川Tシャツを着た恋人が、隣でしきりに腰をのばしていた。余談なんだけど恋人はちょっと心配になるくらい足腰が弱い。「辛くなったらライブ中抜けるかも」と言われて、心配な気持ちと、隣で見られない寂しさと。言うてわたしもへとへとだった。この日の大阪は最高気温が32度。すっかり真夏のピークが去って長袖でもちょっと寒いみたいなことになり始めている札幌で日々を過ごしている人間にはキツいものがある。しかも神崎川Tを恋人に貸していたのでわたしはグッズのロンTを着ていた。死ぬって。

楽しみな気持ちと恐怖とが、うーん、4対6くらい。徐々に恐怖の割合がデカくなっていく。生で見ちゃうの怖かった。会う前にLINEのやり取りで好きになっちゃった人に会うのが怖い、みたいな、こんなに好きなのに会ったら期待を裏切られるかも、みたいな、いや知らん。適切な例えなのかもわからん。

これは本当に傲慢な話なんだけど、日々なんとなく「なんでわたしだけ」みたいな感覚を持って生きてしまっている。
それは勤めている会社がうっすらブラックで日々パワーハラスメントが横行していることとか、年間休日が105日しかなくてほとんど土曜日も働いているので一向に疲れが取れないこと、全て忘れて幸せに浸ることを許してくれない過去のあれやこれや、あと札幌と福岡というアホ距離で遠距離恋愛をしているので慢性的に金がないこととか、そういういろんなことに起因していて、わりとポップに「はー死にたい」みたいなことを思ったりする。

この「死にたい」は例えば宝くじで1億当たったら消えて失せる程度の思いなんですけど。でも宝くじで1億は当たらないので。

「わたしだけ」なんかじゃないことは、そりゃあもう十分わかっている。それでも思う。自己中で悪かったな。でもわたしは誰か大事な人が「どうしてわたしだけ」と泣いている時に「辛いのはお前だけじゃないよ」なんて言う人間ではいたくないし、みんなみんな自分だけ辛いよ、それでいいよ、よくないですか?
日々、暗い。それでも飯は美味いし、なかなか死なない。

別に音楽に助けて欲しいと思ったことなんてなかった。
逃げ場でいて欲しいみたいな感覚はあったかもしれん。再三言うけど明るい音楽が聴けない人間なので、教室の片隅で1人で弁当を食べていたわたしには逃げ場が必要だったし、26歳になった今も17歳の自分に寄り添ってくれるような音楽ばかり探している。前向きなことは言わないでほしい。根暗で孤独で寂しいのに他人を見下して拒絶ばかりしてきた10代だった、それでいいとかその過去があるから今があるとかはさっぱり思えんけど、今更その過去をなかったことには出来ないので、心の中に今もいるあの頃の自分の居場所を見つけてあげる作業に日々明け暮れている。例えば「このバンドを好きだと思えるのはあの日々があったからだ」みたいに。やっとこさっとこ、無理やりにでも。
そうこうしているうちになんか今現在全然やってらんねーって感じの26歳の自分をほっときがちになった。過去の自分ばっかり助けてる場合じゃなかった。ほんで結局湧き上がるのは「はー死にたい」です。馬鹿か?

なんの話?

つまりそういう気持ちとおてて繋いでずっと聴いてきたバンドだったので、全然なんかずっと怖くて、生で見ちゃったらなんか全部終わる気がしていた。なにかが。それがなんなのかもわからんのに。

斜め前に色の抜けきった金髪の女がいて、頭頂部がちょっと黒くて、ジャージ着てよくわからんサンダル履いてて、軽音部の2年生!って感じだった。こういうやつが終電逃して三角公園でたむろしながらデカい音量で流してる音楽がPKだったらすげえやだなって思った。そういえば開場待ちの時は真っピンクの頭をハーフツインに結ってメイドみたいなヘッドドレスつけた女が「ぴーけーちゃんたのしみ」ってはしゃいでてマジでびっくりした。ぴーけーちゃん…………?
そういうの見てたら、なんか取り残された気分になって、意味わからん恐怖でここから逃げ出したくなってるのなんて自分だけなのかもしれないと思うと寂しくて、ひとりぼっちみたいで吐きそうだった。
ていうかこの日わたしもハーフツインだったんですけどね。特大ブーメランでウケる。

そういうの眺めて、1時間立ちっぱなしで待ってたら、さっきまで恋人とアメ村ではしゃいでアイスとかたこ焼きとか食べてた自分がどっかいっちゃった。助けてあげたくてこっちが必死になってんのに全然孤独顔したまんま手も伸ばしてくれない17歳の自分と、そうやって過去にばっかり目を向けてほんとうは今一番どうにかしてくれって思ってどうにもならない26歳の自分が、どうしようどうしようって思いながら立ち尽くしてた。
酒を飲んで視界をぼやけさせたいのにコロナのせいで酒の提供禁止になってた。ドリンク代と交換したグリーンダカラばっかり必死に飲んでた。

どうしようどうしよう、逃げたい、助けてくれって思いながら全部誤魔化して恋人と歌のタイトルしりとりとかした。助けてって言おうかと思ったけど絶対に困らせるかやめた。



そんで、ライブが始まった。

もうわかってると思うけどライブレポみたいな高尚なもんを書く気は全くない。ていうか書けない。今日のこれはもうただの感情のゴミ箱。書き留めないといけないという焦りに語彙がついてこない。それでも書きたいから書いてる。これを読んだ誰かのPK shampooを聴くきっかけになる、みたいなことは絶対に起きないし起こすつもりもない、自分だけが100万回読むよ。

ハイ、それで、シオンタウンのSEが流れて、気だるげにPK shampooが出てくる。

ヤマトパンクスの髪が青緑。背が高い。彫刻みたいな顔をしていた。
ああ、いた。いたわ。実在した。本物だわ。心配とか恐怖とか全部吹っ飛んで少し泣いた。「存在する」ってだけで泣いたの、高校の時小林賢太郎の舞台を観に行ってカーテンコールで泣いた以来だ。

1曲目にいきなり新曲やって。市營葬儀。福島カイトのギターの音が馬鹿デカい。あの人のギターなんかめちゃくちゃ泣きそうになりませんか?イントロが良くて辛かった。
感情が、ぐわんぐわん揺れて、脳みそ全部掴んでひっちゃかめっちゃかにされていく感覚で、忘れん、絶対に、忘れてたまるか!全然苦しくなさそうな顔で苦しい声出すヤマトパンクスをずっと見ていた。青緑の髪がキラキラしていて、こめかみから汗が垂れている。なにがあんなに怖かったんだっけ、なんであんなに逃げ出したかったんだっけ、ヤマトパンクスがずっと叫んでて、ギターが泣いてて、ベースとドラムはここで動いたら気持ちいなってところで綺麗に動いて人の快感速度を勝手に早めていって。

なんか、全部もうわかんない、ずっと気持ちいいしずっと気持ち悪い。
わかんないけど、よかった、って思った、よかった、いろんなことがあったしなにも解決しない夜を何度も越えて、でもだから今ここで泣いてる。多分。
逃げる必要なんて全然なかった。会う前にLINEのやり取りで好きになっちゃった人に会うのが怖い、みたいな、こんなに好きなのに会ったら期待を裏切られるかも、みたいな、知らん、写真よりも格好良いじゃん………!?みたいな陳腐な奇跡の連続で1時間半。怖かったのが馬鹿みたい、あと今まで一度も生で見たことが無かったのに「一生聴く」と思っていたのも馬鹿みたい、あれは全部偽物の感情だった。いやその時は本当にそう思ってたんだけど。今思ってる「一生聴く」が正解。目の前で歌ってるヤマトパンクスを見たこともなくてなにが一生聴くだ、いや、ごめん、生で見たことない人が読んでたらごめん。自分の中だけの話だから。他の人がそう言っててもライブ行ったことないくせにとか全然思わないから。だって仕事帰り夕暮れ、イヤホンから流れる3D/Biela聴きながら泣いたあの涙も当たり前に嘘じゃなかった。目の前にいなくてもそばにいた。だから全部ほんものなんだけど。でも今だけ言わせて。

さよならしたくないものとたくさんさよならしてきた人生だったと思った。でも今ここに立ってる。大阪まで飛んできた。このために。

ヤマトパンクスはなんか天使みたいだった。は?いやそんな綺麗なもんじゃ全然ないけど。最初から最後までずっとステージ上で酒飲んでた、あの人は。下北のライブを見に行った先輩が「ステージの上でヤマトが飲む酒綺麗だよ、ヤマトは全然綺麗じゃないが」って言ってて笑った。でもなんだろうね、あの人がステージの上で酒飲んだりふざけて笑ったり歌ったり叫んだりギター弾いたり弾かなかったりしてるの見ると美しくてしんどくなる。だからあの人は天使みたい。アンコールで江ノ電自転車ニキの物真似しながら出てきて来たときですら。ごめんそれは嘘。大学生の悪ふざけみたいなMCばっかりだった。カズキ、ドラム叩きながらテニミュ歌ってた。なにそれ?



どの曲がよかったみたいな話はしない。全部よかった全部気持ちよかった、でもそうだな、生で聴いたら泣くかもと思っていた3D/Bielaは泣いたし、あとアンコールの夜間通用口、あんなもん気まぐれで来たやつらも全員ライブ後即Tシャツとアクキーを買ったことと思います。あれで細胞が泡立たないやつは不感症よ。心のED。

僕だけを選ぶ神様がどこかにいるとずっと信じてる

俺も!!!!!俺もだヤマトパンクス、それだけ信じて歯ァ食いしばってる。

あと、そうだ、奇跡。
まるで僕ら奇跡だ、わかりあう為に買った缶ビール飲み干して。ビール飲めんけど。グリーンダカラ飲んでるわたしの横で恋人はミネラルウォーター飲んでた。初めて連絡を取った日、「ほんまに音楽の趣味近いですよね、PK shampooも好きなんですか?」って聞かれたから「PKめっちゃ好きです!8月大阪に見に行こうか迷ってるくらいです!」って答えて、なんやかんやあってそのライブに一緒に来た。奇跡、聴いて、アァ、ずっとひとりみたいな顔しててごめんって思った。隣にいる、辛かったら抜けるかもと言っていたのに結局1時間半ずっと隣にいた、神崎川を弾き語りしている動画を送り付けたらその1時間後くらいに星を弾き語りしている音声を返してくれた人よ。ごめんね。ずっと隣にいたね。

結局どの曲がよかったみたいな話し始めてるな。えーい、します!するする。キリないからやめとこうと思ったのに。

新世界望遠圧縮。福島カイトのギターは本当にどれも本当に、好きで、本当に、あの会場で一番PK shampooを好きだった自信とかは別にないけど一番福島カイトのギターを好きだった自信は結構ある。シングルCD買って、会社のパソコンに勝手にiTunesダウンロードして、昼休み「ちょっとだけイヤホンさせてください!電話鳴ったらお願いします!」って舐めたこと言って聴いた、世界中のどこにも味方がいなくなってもPK shampooがいるって思った。あの時。アウトロのギターが好きで好きで好きで仕方なかった。パイナップル柄の浮かれた柄シャツ着た福島カイトがステージで暴れてて喉が震えた。人は圧倒的な美を目の前にするとえずきます。

アンコール、京都線、星。夜間通用口からのこの2曲は暴力みたいな流れ。ひどいよこんなの。この2曲と「君の秘密になりたい」聴いてると本当にヤマトパンクスのロマンチストさ加減に眩暈する。やめろ、そんな歌詞そんな風に歌うな、恋、恋です。くすんだ色のフィルターがかかってあの日見た星や夕暮れや川の水色が流れていく、人の心の急所を刺す歌。

君の秘密になりたい
世界中でただひとり
僕の秘密になった人
きらきらと光る人
携帯も二度変わったよ
でも忘れられずにいます、まだ
月をふたりぼーっと眺めたりして
恋をしてた頃のこと
いつか僕が星になって地上照らす日が来たら
アンドロメダの向こうにはきっとこの歌が響いて
玄関先の水たまり飛び越えるみたいに君のこと
探しに行くから待っててよ
僕ら星になれたなら

ヤマトパンクスが平成のロマンスの神様。

星も京都線も音源よりテンポが早かった気がする。やめろ、BPMをあげるな、終わっちゃうだろ、と思った、でもそのアレンジが格好良くて。
いなくならないでって思ったけどたいした余韻も持たせず、アンコール3曲やってすぐに捌けて行ってしまった。天使たちが。


楽しかった!とか良いライブだった!とかいう話に全然落とし込めなくて、終わったら串カツ食う予定だったのに食べれる気もしなくて、なにをどう言えばいいかもわからんくででも何か言いたくて、「今までで見たライブで5位には入るかも」みたいなクソみたいな表現したら恋人が「めちゃくちゃ上位やん」って笑ってた。そうだよ、でもそうじゃないのよ、そうじゃない!っていうのを言えなかったから書いた。書くことしか出来ん、俺は。しょぼい。



人生上手くいかないことばっかりで、新卒で入社した会社は鬱っぽくなって1年で辞めて、辞める間際なんてほんとひどくてめちゃくちゃオーバードーズして当時の恋人に刃物向けたりしてて、フリーターになって、ずっと不安で、ずっとずっと不安で、将来の見通しも目標もやりたいことも金もなくて、辞めた会社の同期はどんどん出世してて、1年経ってやっとまた正社員になれたけど今度は休みが全然なくて金も相変わらずなくて、実家でずっと親のスネ齧らざるを得なくて、偉い人にミス押し付けられて会社で泣いたりして、なんも、マジでなーんも、上手くいかない、別に能動的に死んでやろうみたいな気にはならないけど人生が早めに終わるんならぜーんぜんそれでいいとずっと思ってた。

楽しいこともある、周りの人には本当に恵まれていて、家族も好きだし友達も好きだし恋人も好きだった、あとは美味しいものとたまに飲む酒と本と音楽とが好きで、きちんと毎日笑って生きていた。
でもずっとあった、漠然と。なんでわたしだけ。もう無理!死にたい。寝て、そのまま目が覚めなかったら、それが一番いい。具体的にどう死のうみたいなことまでたまに考えた。それは本当にたまにですけど。

ステージの上でヤマトパンクスが笑いながらくだらんことばっかり言っていた。8月22日、大阪BIG CAT。
君がいない夜ってなにしてたんだろうな。この人の作る曲がない夜ってなにしてたんだっけ。何聴いて泣いてたんだっけね。
死んでしまった方がマシなくらい冷たい夜もあるけど。あー、すごいフレーズだな、こういうところがほんと、ほんとうに……………。そう、そういう夜ばっかりある、でもこういう夜もある。あります。年に数回のこういう夜に生かされてここまできた。斜め前の金髪も、ヘッドドレスのピンク髪も、もしかしたらそうなのかもしれん。どれだけ苦しくて吐き散らかしてもチープにメンヘラ呼ばわりされてコンテンツじみたものにしかならん俺らみたいな女は不利だよな?君よ統計学上の人にならないでってそういうことなんじゃないの。わかんないけど。
でも今日よかったね、ここに来れてよかったよ。黒ボブハーフツインはそう思うよ。自ら統計学上の人になりにいってて申し訳ないですが。

人生で一番楽しかったのいつかなって考えたら全然出てこなかった。
んで、ここまでいろんな御託並べておきながら「もしかして今か…………?」ってうっすら思った。10代の時みたいに孤独じゃないし、人に刃物も向けてないし。
ってことはもっと言うと多分これからなんだわ。人生で今が一番楽しい、って思えるの。これからなのかも。って思ってていいか?
わからん。わからんけど。札幌に帰る飛行機の中でこれを書いている。明日からまた仕事。限界来る前に辞める。どーうにでもなる。仕事なんか辞めても、人生、どうにでもなる。



これも段々忘れていくのが、それが生きているということだ。多分そう。でも本当に忘れたくないことだけはずっと残っていくし、見た景色が薄れても湧きあがった感情が消えてもまっさらゼロにはならない。生きてきたし生きていく、消してやりたい記憶も人もたくさんある、そういうものに限って消えなくて、でもそれだっていつか消える。それが生きているということだった。まだ死なない。だから忘れていく。忘れたくないことだけ書いていく。
銀河巡礼概論a、飛ぶコツは振り向かないことです。

北海道、もう涼しいよ。またね。



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