『カメラを止めるな!』感想

昨日に引き続き、ようやく時間ができて見てきた『カメラを止めるな!』、手短に感想。この作品はネタバレしてしまうと台無しなのでネタバレはなし。

公式サイトをみると「とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!​大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。”37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話。」と書かれている。「ノンストップ・ゾンビサバイバル!」より最後の「……を撮ったヤツらの話」がキモ。

低予算映画が思わぬヒット!これはすごい!みたいな話題がソーシャルメディアで見かけてのこのこと見に行ったわけだが、「監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品」だそうで、なるほどそういう出自の作品なわけね。実際、いかにも低予算という作りではあるが、それこそがこの映画の持ち味を最大限に引き出している。なんせ「……を撮ったヤツらの話」だし。ホラー系の低予算映画というと1999年の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を思い出す。あれはビデオを題材とした疑似ドキュメンタリーだったが、今作は自主映画がテーマという点で少し似ている。

とはいえテイストはまったくちがっていて、そこはネタバレになるので説明できないが大変いい味を出している。なんというか、映画っていいなあ、家族っていいなあ、という感じ。俳優さんたちは「オーディションで選ばれた無名」の方々だそうだが、演技に妙な間があって、それが実にこの映画のテイストに合っている。行き当たりばったりっぽく見せる考え抜かれた作り。特に後半の緊張感がすごくて、「がんばれ!がんばれ!」って応援したくなる。ラストシーンは思わず拍手しちゃうほどのカタルシス。ゾンビ映画なのに。

あとは映画館でぜひ。というわけで必見。

※追記
書いたとたんにこんな記事が出ていて。
『カメラを止めるな!』はパクリだ!原作者が怒りの告発」(Yahoo!ニュース2018年8月21日)
ヒット作でこういう話が後から出てくることは時折ある。記事を見る限り訴訟になるようなので、判断は裁判所の判断が出てから考えることとする。

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