PPIの粉砕とバイアスピリンの噛み砕き
たまに、ランソプラゾールに粉砕の指示が入っていたりするのを見たことがありますが、粉砕は避けた方がいいということを知っていましたか?
酸性環境下はPPIは不安定なので、腸溶性製剤にすることで胃内での分解を抑える工夫がされているのです。
なのでランソプラゾールやラベプラゾールは粉砕しない方がいいんですね。
ちなみにPPIとまとめられがちなボノプラザン(タケキャブ)は酸性条件下でも安定ですので腸溶錠ではありません。
話は変わりますが、アスピリンが胃粘膜に触れると胃粘膜障害の原因になるため「バイアスピリン」は腸溶錠として設計されています。
しかし、たまにバイアスピリンを噛んで服用するという処方を見かけます。先程のPPIと同様に腸溶錠だからだめじゃんと思いがちですが…
日本心臓財団のHPには以下の記載があります。
アスピリンは古くから知られている消炎鎮痛剤ですが、抗血小板作用を有することが知られており、さらに心筋梗塞発症早期からの投与で死亡率が低下することが示されています。経口摂取したアスピリンは胃から吸収されると30分程度で血中濃度がピークに達し、60分以内に抗血小板作用を発揮します。腸溶錠のアスピリンはそのまま内服すると効果が出るまでに3~4時間かかりますが、かみ砕いて服用すると胃から吸収され、速やかな抗血小板作用が期待できます。日本循環器学会のガイドラインでも専門病院に送る前から162mgから325mgをかみ砕いて服用させることが推奨されています。
なので、間違いではないんですね~。
こういう特殊な例もありますので、「あれ?」と思ってもすぐに疑義照会ではなく、調べたり先輩に聞くことでより確実な対応ができます。
みなさんはこのnoteでしっかりと学んでくださいね!
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