西粟倉小学校4年生、トレイルカメラを設置する
森林学習、何しよう?
2024年夏、株式会社百森は西粟倉小学校4年生の授業を担当させていただくことになりました。西粟倉小学校では、毎年4年生になると総合学習の時間で村内の森林について学習しています。
担任の先生、一般社団法人Nest今井さんとの事前打ち合わせで、普段なかなか山に接することがない子もいる中でどうしたら興味を持ってもらえるだろう?ということから、子どもたちにトレイルカメラを設置してもらい西粟倉村の森にいる動物を知ってもらうことから始めることにしました。
1学期に2回分授業の時間をいただいたので、1回目はカメラの設置、2回目は撮影された動画に写った動物の調べ学習をすることにしました。
「トレイルカメラを設置しよう!」
1回目の授業は、実際に山に行って子どもたちにトレイルカメラを設置する場所を決めてもらいます。
「この授業が楽しみすぎて昨日寝れなかった!」と言ってくれた子もいたようで、嬉しい限りです。
設置場所は株式会社百森社有林のうち、スギヒノキもあるし広葉樹もある、少し開けたミツマタ群生地も沢も作業道もある比較的環境が多様なエリアです。
さて、みなさんならどこにカメラを仕掛けるでしょうか。
山の中を歩きながら、動物がいそうな痕跡を探します。
最終的に、
沢沿い
広葉樹林と人工林の境の尾根
作業道沿い
丘の裏の平らなところ
丘の上の平らなところ
の5カ所に設置しました。次週の授業で撮影された動画をみんなで見ます!楽しみ!
「どんな動物がいるかみてみよう!」
一週間後、撮影された動物を見るところから授業スタート。無事に撮影されているかな…
写っていました!!!!!子どもたちも大盛り上がりです。
5台のカメラを1週間設置した結果、3種6個体が撮影されました!
また授業の資料として、百森が今までに設置していたカメラで撮影された、他の動物の動画も紹介しました。
全ての動画を通して出てきた動物は全部で11種類。1人ずつ好きな動物を選んで、どんな食べ物を食べるのか、どんな場所を好むのか、群れで生活するのか単独で生活するのかなどを、図鑑やタブレットを使って調べてもらいます。
最後に、調べたことをみなさんに発表してもらいました。動物によって好きな食べ物も、すみかも、生活スタイルも異なります。では、いったいどんな森が「いい森」といえるのでしょうか。
質問すると「天然林!」という声が出ました。西粟倉の面積の多くを占めるスギヒノキ人工林は確かに生えている樹種も少ないし、生き物にとっては暮らしにくいのかもしれません。
でも、今回動物が撮影されたところにも人工林は含まれるから、完全に動物がいないわけではないようです。また、人間にとってはスギヒノキ人工林は丸太として収穫すれば家や家具の材料にもなります。人工林を「悪者」としてしまうのもちょっと違うかもしれない。
生きものや立場によって、「いい森」は違ってくるはず。自分がいいと思ったものが、誰にとって、なぜいいのかを考えてみるのが大切なのかもしれませんね。
引き続き撮影を続けます!
今回設置された5台のカメラは、小学校が夏休みの間も引き続き撮影を続けます。2学期以降の授業で引き続き私たちが担当させていただくかはまだ分かりませんが、子どもたちが山に興味を持ってくれるきっかけのすそ野を少しでも広げられればと願っています。
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