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だから私は漫画を売り込まない


数年前に開業したとある商業施設が正念場を迎えている、というニュースを目にしまして。その施設に足を運んだことはなく特に思い入れもないのですが、施設名を聞いて思い出したことがあります。

 「そう言えば、ここに出店した店の広告漫画を相談されたことがあるかも」

どこで誰に、までは思い出せず。 
ただ相手はずいぶん乗り気で、オーナーのここまでの道のりがおもしろいから漫画にうってつけだ、また連絡するから待っててくれとか盛り上がっていた気がします。

そんなふうに「そう言えばあれどうなったっけ」ということはちょいちょいあります。
相談が具体的で見積り書まで出した案件はフォローするけれど、もっとその前の段階…メールで問い合わせがあり返信した、交流会など名刺交換したその場で相談を受けた、漫画を検討しているので話を聞きたいと言われ一度打ち合わせに行った…くらいまでの話ですね。

広告代理店の営業だった頃は、その手のものは逐一チェックしてフォローの連絡を入れていました。 営業は売上を作ることが仕事なのだからそれが当然だと思ってた。
しかし今は去る者追わず。
先ほどのようなきっかけでもなければ、それきり忘れてしまうことも少なくありません。


漫画が必要なかったか、予算が合わなかったか、私と合わなかったか、タイミングじゃなかったか。
こちらからご事情を伺ってそれを解決する方法を提示し、受注に繋げることもできるかもしれませんが、基本的には相手から次のアクションが来ない限りは忘れることにしています。

特に私が売っている漫画というものは、無ければ無くてもいいというか、少なくとも必要に迫られ買い求めるものではありません。
だからこそお客さんがやりたい!と思ったタイミングで制作に関わらせていただくのが1番いいものができると思っています。
だから、説得してやってもらうようなものではないんじゃないかなと。


まあ実際に依頼を受ける受けないは制作料や納期、内容によるところも大きいのですが、私の場合「どれだけ自分の仕事が求められているか」は制作のモチベーションにも大きく関わってくるのでその点をかなり重視しています。
私はいいものを作って褒められたいという気持ちだけで漫画を描いている人間なので、仕事もそういう基準で選びがちなのです。
絶対無敵自分本意マン…!

無理に売り込まず、私が最大限お役に立てるお客さんのために情報発信はして入り口は広げておく。
そうやって地味にコツコツ、お仕事をいただければと思います。


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