『ゴジラ-1.0』一行目からネタバレ

観てきた。海戦版ゴジラといった感じで大変いいですね。

設定的に何個も釈然としない点があって観ながらうーんと唸りながらみていたけど、全体のコントロールは間違いなくよかった。同じ「人間がゴジラを打倒する物語」にしても『シン・ゴジラ』とは明確に軸をズラしていて(尺たっぷりの人間ドラマ、メインのバトルフィールドが海上(海中)、主軸が海軍、時代など)別の方角を目指しているのもとってもいいですね。

ゴジラのデザインも素晴らしい。背びれから足の指にかけてのラインも良いし、荒ぶる猛獣的な面もみせながら同時に二足歩行している時はどこか神聖な、神のように見える部分のバランスもグッド。人間ドラマ中心(ミクロ)になったことでカメラの目線も基本的には人間の目線あたりの低め&近めに設定されて、間近で世界が破壊されていく感覚が出ている。

本家よりも前の時代にゴジラの登場を設定することで、ゴジラ打倒のための兵器や発想に別のものが必要とされる点も映像的にもアイデア的にもおもしろかった。戦後本当に間もない時代ということで愛国主義的な部分が出すぎると気持ち悪いなと思いながらみていたし、実際出てて今みるとうげっと思ってしまうのだけど、「犠牲者を一人も出さない戦い」、「特攻の否定」という形でカウンターも出していて、ある程度バランスもとろうとしている。

しかし討伐方法は事前の説明の時点ですでに地味でどうなるもんかと思ったが実際に映像になってもやっぱり地味&ダメージ表現がわかりづらい(正直これはこれでおもしろかったけど)。とどめの一撃の疑似特攻についても、映像だけみると「口の中に爆弾突っ込んで死んだんじゃなくてこれ単純に口に物がつまって熱線が体内で暴発して死んだだけじゃね?」、これなら最初から「熱線吐きそうになったらがんばってお口にお餅突っ込みます!」作戦でも立てたほうがよかったんじゃね?? と思ってしまった。

ゴジラが東京に再上陸する理由も「縄張り設定されたからくると思います!」ぐらいしか説明がなく意味不明だとか助っ人の漁師の船がきた後紐結ぶのに30分ぐらいかかってるよね? 射出装置ってこの時代に開発は進んでたらしいけど実用レベルのものがあったのか?(でも具体的に射出装置で打ち出された描写はなかった気もするから射出装置じゃなくて別の仕組みなのか?)──とか細かいところにツッコミを入れ始めたらキリがないが、逆にいえばそういう細かい点ぐらいしか興を削ぐ点はなかったといえる。

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