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旅先で何すればいいか分からなくなることって多々ある。

旅は、行く前がいちばん楽しい。

何回も海外旅行をしていると、そう思うときがある。

ガイドブックを眺める、行きたい場所が多すぎてルートが決められない、初めてでもないのに旅行グッズを買い込む、万全に備えてカメラの充電をする、バックパックやスーツケースに荷物を詰め込む……

そこまでがピークかもしれない。

いざ旅先に降り立つと後は予定をこなすだけの時間が始まる。いやそれ仕事と変わらんやん、と思ってしまうのである。


スリランカに行ったときの話をします。

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えせバックパッカーの私は、航空券以外は現地で決める旅行が好きだった。スリランカの滞在期間は2週間。インド洋に浮かぶ小さな島国だから2週間もあれば主要都市は廻れる。もちろんひとり旅。行きたい街と簡単なシンハラ語(現地の公用語)を頭に入れて、飛行機に乗り込んだ。


空港に近い町「ニゴンボ」から旅ははじまった。


ニゴンボはどうやらラグーンツアーが人気らしいということで、迷わず電話で予約(電話で英語はめちゃむずい&緊張した)。ラグーンとは水深の浅い水域のことで、ボートに乗ってラグーンに生息する生き物を観察するというツアーだった。早朝のツアーだったので、翌日は早起きしてバスを乗り継いでラグーンに向かった。

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ツアーは面白かった。ワニみたいなトカゲや名前を知らない鳥を見れてそこそこ満足。だが、問題はそのあとだった。バスで都市中心部に戻ってきてもその日の時間はまだまだあったのだ。


次なにするか決めてなかった。街歩きは到着したその日にしたし、土産を買うには早すぎる。ニゴンボのバスターミナルでベンチに座ったままぼーっとしてしまった。

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ところで、旅先で現地の日常を見るのは楽しい。


路地裏を歩いたりその国の子供と遊んだり。現地に息づいた空気は外国人である私にはいつだって新鮮だ。ぼーっと人々の往来を見るだけで十分楽しくて、1時間くらいバスターミナルにいた。


そんなに長くいると、周りの人に覚えられる。「外国人がずっと座っとるで」って言ってる、絶対。

ついに高校生の集団に声をかけられた。わきゃわきゃ楽しそうにしてやがる。日本だったらなんとしても避けたい事案だが、旅先だとこんなことでも楽しい。

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写真を撮らせてもらった。見事に逆光。笑顔の歯が目立つ。

彼らとは、好きな子とLINEしてる画面を見せてもらったりとか、他愛もない話をした気がする。いまいち内容は覚えてない。「こいつムスリムなんだよー」と、すごく軽く宗教の話をしていたのは覚えている。スリランカはほとんどが仏教徒だが、ニゴンボはカトリックやイスラム教徒などいろんな宗教が混在している。日本だと宗教の話はしにくいけど、スリランカでは宗教が身近なんだな。満席のバスの車内で、ごく自然にお坊さんに席をゆずる光景も見かけた。日本ってお坊さんはリスペクトされてないんだなと思った。


高校生とは最後にFacebookで友達になって別れた。後日写真が送られてきた。

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逆光。


旅は行く前が楽しいと言っていたが、旅の話で1000字超えてるやん。旅の最中は楽しいのか苦しいのか分からないときがある。airbnbで予約した民家が、蚊だらけで飯がくそまずだったこともある。タクシーは当たり前のようにぼったくって来る。でも、noteに書きたくなる出来事もある。高級ホテルにトゥクトゥクで行ったし(ほかの宿泊客は高級車で来てた)、キリスト教とヒンドゥー教のポスターを部屋にかざって「おれはすべての宗教を信仰してる」と語るおっさんにも出会った。


旅は行く前だけじゃなく、行った後も楽しいらしい。


後日、スリランカで出会った高校生のひとりが日本に留学に来るのはまた別の話……



おわり。

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