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天才現れる

 最寄り駅の近くにお気に入りの唐揚げ店があるのですが、その唐揚げ店の真向かいに『から揚げの天才』がオープンしました。店頭でテリー伊藤さんの人形が呼びかける宣伝が効を奏しているためか、いつも人が並んでいて人気です。

 それにしても、唐揚げ店の真向かいに別の唐揚げ店がオープンするって、どういうことでしょうか?見渡せば同じ業種の店が集中している風景はよく見かけます。これがいわゆるナッシュ均衡なのでしょうか?

 利用者からすると店舗が均等に分散配置しているほうが便利でも、競争原理が働くとライバルとの距離をできるだけ近くとるようになるのがナッシュ均衡だそうです。

 ところで、『から揚げの天才®』は登録商標であり、商標権者はワタミ株式会社でした。てっきりテリー伊藤さんのお店かと思っていたら、ワタミさんが、テリーさんのキャラとコラボしてフランチャイズ展開していたのです。

 本来、商標登録出願は、1度に複数の商品・役務区分を指定できますが、同じ商標で区分を追加するための後の出願もされています。『から揚げの天才』の最初の出願日は2018年ですので、COVID-19出現以前から出店計画があったことがわかります。そして、2021年の後願で食品の配達という役務区分が追加されました。これはコロナ禍でデリバリー需要が増えたためと推察しています。

 ワタミさんは、コロナ禍で外食事業が不採算のため多くの居酒屋店舗の撤退を進めています。直近の財務資料によれば、やや改善の兆しが見られ、それは『から揚げの天才』の出店強化の効果によるものだそうです。店内飲食:お持ち帰り=1:9だとか。ワタミさんが外食市場から中食市場に急速にシフトさせている様子が窺えます。

 アフターコロナにむけてK字回復で業種により明暗が分かれると言われますが、大変なほうの業界で日々生き残りをかけて奮闘されている企業を応援したいと思います。そして今こそ経営の手腕を注視したいと思っています。

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