ココロとカラダの"つながり"
最近はあんなに粘り強くてしつこかった暑さが、どこにいったんだってくらい冷えますね。寒いのが苦手な自分には一番しんどい季節になろうとしています。
それでもまだどこかでひそんでいるのか、蚊が飛んでたりするんですよね。運悪く噛まれた日には寒いのに長袖をまくってかきむしるのでイライラが半端ないです。
そういえば、みなさんは体をかいてるときに不思議な感覚がすることってありませんか?
ちょっと気になったのでその話をしたいんですけども。
・違和感
たしか中学生だった頃が最初だったと思うんですけど、裏起毛のズボンとかはいてると内もものあたりがとてもかゆくなって仕方がなかったんですよね。それでまあ、かゆいからかくわけなんですけど。
なぜか、かいてる感覚がしない。
しっかり目で見て書いてるところ見てるのにもかかわらず、その感覚がないんです。不思議なもんで、どんなに強くかいても、赤くなるほどかいても、なにも感覚がしないんです。でも高校に上がるとそれもほとんどなくなったんですけど、今度は違う症状が出るようになったんですよね。
・意識が"ある"のに"ない"
あんまりテスト勉強とかしなかったような典型的な不真面目系クズだった自分も、数学で人生初の二けた点以下をとってしまったんで「さすがにテスト勉強するか…」とちょこっとだけ真面目くんになったんですよね。
机に向かって、テスト勉強を始めて。五分もすると集中して板書をとったノートに問題集以外のものが視界に入らなくなるんですが、とたんにその症状が出ます。
突然視界が飛んで(正確にはホワイトアウトして)、意識が飛びます。
それからちらっと「自分が勉強している部屋を俯瞰して見た光景」が見えます。
部屋にあるありとあらゆるものの配置が正確で、自分が勉強机に向かってテスト勉強している様子も、後ろを家族が通ったのもすべて見えるんです。
それからハッと我に返ると、意識が飛ぶ前に解いてた問題の次を解き終わろうとしてました。意識は確かに飛んでたと思うんですけど、ちゃんと問題を解いてたんですよね。
この間はだいたい1~3秒くらいだったと思います。
ちなみにこれは学校ではならずに家でしかならなかったです。
それからなんやかんやあって、大学生の頃に心療内科でカウンセリングを受けることになりました。そのときにずっと気になってたさっきの症状を聞いてみたんですよね。
そしたら「乖離なんじゃないか」と。
マンガとか小説でしか聞いたことがなかったのでびっくりしましたよね、まさか自分がそういう風になるなんてっていう。
・乖離(かいり)
「乖離症状」というのは、簡単に言えば「心と体のつながりが弱くなること」で起きるものなんだそうです。たいていは強いストレスが原因なんだとか。
これがひどいものになるといわゆる二重人格(解離性同一性障害)になります。ジキル博士とハイド氏のアレです。
おそらく僕に起きていた症状というのはこれじゃないかと、先生はおっしゃったんですね。
思えば当時は強いストレスにさらされていて、特に心的病気の治療に必要な「ストレス源からの隔離」というのが難しい状態でした。
なぜなら、そのストレス源は安息の場所であるはずの"家"にあったからです。
たとえ治療のために通院していたとしても、帰宅すればそこに病の原因があるわけなので、なかなか治らないんですよね。
結局僕を心療内科通いに至らしめた当人が亡くなって、なあなあで社会復帰してしまったために、根本的な治療が終わらないまま今を過ごしています。
・「乖離」は消えていない
あれから多くの症状はマシになって、意識が飛ぶこともなくなりました。
それでも、心身のつながりは希薄なままになっています。体の痛みに頭は鈍感で、頭の中の問題に関して体は意に介しません。
でもそれは利点にもなっています。かつては学校が嫌で体を起こすこともできなかったのに、今ではどれだけ仕事が嫌でも体は元気に起き上がって腹を満たそうと冷蔵庫をあさります。
ある意味で、「乖離」を経験したおかげで幸せな人生を送れているのかもしれません。自分の心と身体のつながりが薄いからこそ、それを活かしてしまえばまあなんとかなるでしょというムダに楽天的な思考になります。
みなさんは「乖離」を経験したこと、ありますか?
布団に寝転がり、重い頭とふわふわ浮くような感覚のする体のアンバランスさにおもしろさを感じながら、質問させていただきます。
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