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落研との出会い

兄と二人暮らし

受験が終わり、いよいよ大学生活がスタートしました。落研の入部の話は、細かくは人に話したことがありませんが、今日はその経緯を話したいと思います。

まず私も兄も学習院で、兄が4年の時に僕が上京して来たので、一緒に住むことになりました。東武東上線沿いの「柳瀬川」という駅から徒歩5分のマンション。ファミリー層が住むマンションの確か305だったと思います。柳瀬川にはサミットがあって、何故かそこには九州にしかないブラックモンブランというアイスが売ってた嬉しかったのを覚えています。

柳瀬川

そんなサミット柳瀬川から電車で40分くらいかけて大学のある目白に通っていました。大学の生活のことは兄になんとなく聞いていまして、もちろんサークルのこともその中に含まれていました。兄は部活をやっていなくて、もっぱら渋谷のカポエラスクールに通うちょっと変わった男です。今でもやってるんですかねカポエラ。その兄が話す部活の話の中に「落研」があったんです。当時4年生だった兄は政治学科で、その政治学科の友達の中に落研の4年生が二人居て、面識があったみたいなんですね。というのも兄も新入生の時に一度落研の落語会を観に行ったことがあったそうなんです。

兄がキューピッド

兄は「落研に友達いるよ。」

って言ってましたけど、友達っていうほどではなくて少し知っているくらいの感じだったんだと思います。そんな話を聞いてたのでどこか気にはなっていたんですね。落語なんて一度も聞いた事ないので、落研がなにをしているのかも知らなかったです。大学には入学式も含めた一週間くらいは、新歓期間と言って、部活の勧誘をしていい期間があって、毎日学校に行く度にわんさか上級生が集まってくるんです。僕は身体が大きいので運動部の誘いが相当ありました。アメフトやらラグビーやら。でも僕は基本的には運動じゃなくて、演劇かお笑いサークルに入ろうなんて思ってましたから、断って毎日シラバスもらったり入学セミナーに出たりしていたんです。

すると何度かですけど、落研からの誘いがあった。青い法被を来てなんだか胡散臭いんですけど、「落語研究会です。」って近寄ってくる人がいて、で隣には女の先輩がいて、落語って女もやるのか、なんて思ったりしながら、兄の話も聞いているし、これも何かの縁だなと思って、入学式が終わったその足で、落研の部室を訪ねてみました。

落研へ

落研の部室は黎明会館という建物のそのまま入ってちょうど真ん中あたりにあります。近くには書道をしないでゲームばっかりやってる書道部があって、茶道部やら能楽研究会やらがある。その一角に落研がひっそりとあります。ドアを叩いて中に入ると、可愛らしい女の先輩が一人ちょこんと畳みに座っている。びっくりしたような顔をして招き入れてくれました。

あとでわかったのは当時僕は坊主だったのとかなりの仏頂面だったため、めちゃくちゃ怖かったんだそうです。後からまた別の先輩が来て、「あ。こないだ声掛けた子かあ。」なんて言われながら、部活の一年間の活動内容なんかを話してくれました。

1時間くらいですかね。話を聞いていたらとても楽しそうだったんです。合宿したり、巡業行ったり、僕の想像とはちょっと違いました。もう少しキラキラしていました。で、そのあと4年生の先輩が来て、兄の話をしたらとても喜んでくれて、結局そのままのテンションで入ることになってしまった。もうここからはジェットコースターのように大学生活が始まります。僕の大学四年間はこの落研とバイトに明けくれた四年間になりました。

落語を知らない自分

さて、ひとつだけ困ったことがあります。それは全く落語を知らないということ。そらまあ福岡にいて普通の生活をしていたら落語には出会わないですよね。

でも落研は心配いりません、入ってすぐにひとつ上の先輩が落語をやる新歓寄席ってのがあるんです。そこでまあ落語との出会いをするわけです。

初めての落語

週末にその新歓寄席があったんですが、そこで僕は初めて落語を聴きました。確か一人は「猫と金魚」だったと思うんですが、その時は全然意味がわからなかった。というか聴く力がなかったのと、そもそも素人がやる落語ですから、そらあ聴くのも難しいわけですよ。

「これなら俺にも出来るぞ。」

って思っちゃったのが本音です。一生懸命な先輩だったんですけどね。僕らにとっては因縁の先輩です。そのことは、それだけでネタが書けますので改めますが。とにかく僕の落語の出会いはそんな感じでした。

落研の世界ってなんか独特なんですよ。妙に変な喋り方する人がいたり、落語家を真似して、上の人がご馳走したり、やけに落語家の真似をしたがるんですよね。後になってそれはどうも変だってわかるんですけど、当時はなぜか新鮮に映った。

そう、こういうのが新鮮に映っちゃった奴が大体落研に入り、やがて自分もそうなっていくんですねえ。そういうもんなんです。

そんな落研生活についてはまた今度書きます。

落語について、また過去の思い出等を書かせて頂いて、落語の世界に少しでも興味を持ってもらえるような記事を目指しております。もしよろしければサポートお願いいたします。