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初落語は末廣亭

落研と小さん師匠

落研に入って一ヶ月くらいしてですかね。初めて寄席に連れてってもらいました。末廣亭の五代目柳家小さん師匠に一周忌興行で「ごくつぶしの会」という会でした。

ウチの大学は目白にあります。目白と言えばご存知小さん師匠のお宅があるところで、創部当時の先輩が、誰かに指導してもらおうということで、じゃあ目白には小さん師匠が居るぞというので、顧問をお願いしに行ったところからお付き合いが始まっています。

現役指導はそのお弟子さんであります小団治師匠が二つ目の頃からされており、私も学生のころお稽古をつけて頂いてました。現在は私が現役の指導をさせて頂いてます。

小さん師匠はウチの落研が大好きで、学生が盆暮れの挨拶に来るのも楽しみにされていたと伺っています。学生主催の「めじろ寄席」という会にも、特別出演して頂いておりました。ネタ帳に残っております。写真もいっぱいあります。その時はほんと特別な出演料(格安?)で出演してもらってたようです。凄いですね。

ごくつぶしの会

そんな小さん師匠は僕が入学する一年前にお亡くなりになっておりました。一度お会いしたかったですね。その小さん師匠の弟子たちが一堂に会する「ごくつぶしの会」というのが末廣亭であったんです。4年生の先輩を中心に、みんなで行きました。一年生は僕とあともう一人くらいだったかな。7、8人で行ったと思います。

前座は今の東三楼兄さん、二つ目が三三師匠、そしてあとは小さん師匠の弟子の師匠方が10人以上出演されました。小団治師匠は茶の湯、トリの小里ん師匠がらくだは覚えています。最初の寄席はまあ長かったですね。だってみんな小さん師匠の十八番の長いネタをやるんですもの。くたくたになりました。だから最初の落語の印象って「長い」なんですね。

聴く力も弱いから余計大変でした。その時の世津子先生のマジックとかの方がよっぽど楽しめたかもしれません。だけど、そんな中でも、何か印象に残る人とそうでない人がいるということは判りました。この感覚は、今も大事にしていて、何か新しい体験をする時は、そのことを知らなくても、何か感じとるようにしています。知らないなりに面白いかどうかを感じたい。

やる上でもそうですね。初めて聴く人がどう思うかをどこか頭の片隅に残してやらないと、常連さん向けばっかりでも良くない。そこのバランスは大事ですね。

落語という芸

落語はとても不思議な芸で、最初つまらないと落語というジャンル自体がつまらないと思われてしまうことがあります。なので初心者向けの会はとても気を遣います。

それと最初に聴く落語で大体自分の落語像が決まる気がします。僕は柳家から入りまして、落研時代もずっと柳家の師匠ばかり聴いてきました。だから行き着くところは柳家なんですね。なので好きな落語ってそういう落語です。笑わせるというより笑わされちゃうような、受けの芸の方が好きですね。

小さん師匠のあの「短命」を聴いた時にそう思いました。ああいう世界がやりたくて落語をやっている気がします。じゃあなんで林家なんだって突っ込まれちゃいそうですが、そこは僕なりの理由があって、入門まで遡ります。でもその前に落研時代の話をしてからですね。それはまた次回。

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