(後編)コーチングから見る新しい教育のかたち対談者:㈱シナジープラス 代表 三宅 裕之様
今回のヒューマントークは、ヒューマントークVOL.37(2021年)の三宅 裕之様との対談記事《後編》をお送りいたします!
前編では、三宅様のこれまでの歩みとコーチングを活かした事業立ち上げについてのお話をお送りしました。後編では、経営とコーチングについて、そして自動車学校で活かせるコーチングについて伺っております。
▼ぜひ前編よりご覧ください♪
※対談の本文は、2021年12月に社外報『ヒューマンニュースレター』に掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。
コーチングからみる新しい教育のかたち
内海:ただ学びを経営に活かさなければ本物ではありません。よかったら何かアドバイスをお願いします。
三宅:そうですね、学びを活かすという意味だと、組織をどう作っていくかという話になっていくと思います。
いわゆるコーチングは1on1(※2)でやるものが多いと思うんですけれど、NLPコーチングの中で一つのコンセプトとしているのが、いわゆるシステムコーチング。システム全体に対してコーチングしていく、ここら辺がおそらく組織改革であるとか、組織というものを一つの有機体みたなものとして捉えた時に、今何を必要としているのか、経営者自身を含めたこのシステムの中で今何が起こっているのかというのをしっかり見ていくところが大事だと思います。
これは僕自身の反省も含めて言うと、往々にしてあるのが経営者自身がリスクやボトルネックになっていることです。自分がいなくなって回る組織を作れるか。例えばコーチングでいえば、コーチがいなくなった時にそのクライアントが自走できることが大事です。組織も同じで、自分がいなくなった時に組織が回るかどうかが大事です。
私は経営者はとっとといなくなった方がいいということがあると思っていて、私自身が経営者からビジネスオーナーになるというステップを割と意識しています。というのは自分自身がいわゆる代表取締役とかCEOをやっている限り、自分がいなくなった時に会社が混乱し、いろんなものがストップするわけです。なので早めに代表取締役から降りて、ビジネスオーナーつまり株主になってしまうということです。代表者をちゃんと採用して、ちゃんと会社を回していけるようにしたほうが、売上利益とともに伸びるケースの方が私は多いという風に思っています。私は典型的な中小企業の経営者で、自分自身がボトルネックになっていました。自分自身がビジネスオーナーになって株主になって、代表を任せるといい形をとっています。
これは経済的に考えても、ビジネスオーナーか投資家になっていくといったところの方が効率はいいと思います。いわゆる金持ち父さん貧乏父さん的に言うと、従業員から自営業者になって自営業者からビジネスオーナー兼投資家。このフェーズにいかになっていけるかというところは、個人の人生としてもとても大事なんじゃないかなと。
早めに次の人に代表権を渡してやっていかないと自分に何かあった時に太刀打ちできなくなります。明日何があるか分からないので早めに早めに代表権は渡していくという事がすごく大事だと思っていますね。
内海:自分に言われている気がします。私の場合39歳で父が心筋梗塞で急死したので。とにかくやるしかないので、引き継ぎも何もない状態で突っ走ってきました。今度は逆にバトンタッチを受けて、バトンタッチをする立場になると。周りでうまくいかないのを沢山見ていますので、うまくやらないといけませんね。
三宅:そうですね。まぁやっちゃえばいいだけの話だと思ってるんですけどね。
内海:本当ですよね。
三宅:やってうまくいかなかったら、また考えればいい話で、そんなに難しいことではないという気はしますね。
内海:自動車学校でコーチングを導入していますが、コーチングとティーチングを使い分ける何かヒントがあればアドバイスをいただけますか。
三宅:ティーチングは覚えなきゃけないことがあったりテストもあるので、ちゃんとティーチングしていかないといけないという風に思うんですね。コーチングというのも多分自動車学校が、いわゆる私にはこの分野でコンテンツコーチングという分野で考えているんですけれども。
例えば試験に合格しなきゃいけないという目的があるならば、じゃあどうやればこれを覚えられるのかというところのティーチング。学習方法のティーチングがまず必要だと思います。学習方法というものを世の中に人の大半は知らないと思って、例えば自動車学校で受けなきゃいけない筆記試験があるならば、どういう風にその筆記試験を勉強するのが効率的な勉強方法なのかという勉強方法のティーチングが必要です。
あとはそれを知ったところで人はそれを自分でやれるほどモチベーションは高くないし、意志も強くないと思うので、学習マネージメントが必要だというふうに思っています。学習マネージメントの中にいわゆるコーチング的なことが入ってくると思います。私達がやっている語学教育に非常に近いんじゃないかなと思います。覚えなきゃいけないところもあれば、習得しなきゃいけないスピーチングとかリスニングもあるので、教習所みたいなもんですよね。技能的なところはこういうやり方で家で習得してくださいと、もちろん学校に来てからも一緒にトレーナーとやりましょう。たぶんそれだけだと時間かかってしまうケースがあるので家でこういう練習してくださいと、例えば縦列駐車だったらこういう風に家で練習しましょうとかあるのかもしれないし、そういったところの技能取得マネージメントと暗記系のラーニングマネジメントみたいな所という存在がするんだろうなと思います。あとは総合的なモチベ―ションをあげていくには、そもそも何のために運転免許が欲しいんですかって言うことですよね。
三宅:それは受講生のライフプランであるとか、キャリアプランであるとか、といったところまで聞いていってあげた上で、じゃあそのためにあなは教習所で免許を取ることが必要なんですね、と確認をしてあげることにコーチングの要素が入ってくると思います。コーチングとひとくくりに言ってしまうと、質問してアンサーもらってという風になりがちなんですけども、そうではなくて、学習マネージメント、技能習得マネージメントにしてもスポーツトレーナーに近い感覚と言ったところが、いわゆる内海さんの教習所ビジネスだったらコーチングが使いやすい形になるのかなというのはなんとなく思います。
内海:去年の12月にコロナ禍の中で、警察庁は自動車学校にオンラインによる学科教習を解禁しました。私どもは、今ライブ配信をやっていますが、前々から先ほどおしゃったように教習以外の時間で、オンデマンドのシステムがあり、ライブ配信があれば、自動車学校に来なくても勉強できる。それはカリキュラム外だけど、ヒューマンスクールに行けばそういうサービスが付いてくるというのをずっと考えていたので、先ほどのお話はすごいヒントになりました。
入校して卒業するまでただ技術だけを教えるのではなく、安全のマインドまで伝えていかないと、免許を取った後に事故を起こしたら大変な人生を歩むことになってしまう。そういう卒業を生み出さないそのためにどうしたらいいのか考え続けます。
三宅:そうですね。おそらく学科はもちろん、実技もオンライン化が進んでいくと予想されていますし、オンラインを組み合わせた方が効率はいいと思うんです。どうしても縦列駐車ができない人のためのオンライン練習があったって良い訳じゃないですか。今後もそういう流れになってくるだろうなと思っています。
内海:今日はいろんなヒントを頂きました。ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?