タンバリン配り

外出自粛でずっと家にいる。
ずっと家にいて思うのは、この自粛が開けて、久しぶりに人がたくさんいる街に行った時に、新しい何かが始まっていて、それについていけなかったらどうしようということ。

例えば、ティッシュ配りみたいなかんじで、タンバリン配りの人が町にいたら、どうしよう。

道を歩いていたら、タンバリン配りの人が無言でタンバリンを差し出してくる。

周りを見たらみんなタンバリンを普通に受け取っている。

それで思わず受け取ってしまうけど、一体なんに使うかわからないし、片手がタンバリンでふさがってしまう。

「まあ、あったら使うし。ないよりは有った方が良いし」

と、思い込もうとするけど、タンバリンを使う時が、カラオケ以外思いつかない。
しかも、カラオケの時は店にあるやつを使えばいいし。

とか、思っていたら雨が降ってきて、傘がわりにタンバリンを頭の上に掲げそう。
周りを見てもみんなタンバリンを頭に掲げて走ってて、みんなシャンシャン言わせてたりして、うるさい。

屋内に入った時に、ビシャビシャのタンバリンを見て
「乾いてても持て余してたのに、濡れたタンバリンなんて本当にどうしたら良いか分からん」
と、さらにめんどくさくなる。

結局、フリスビーみたいにして投げてゴミ箱に入れる遊びをして終わりだ。

ゴミ箱に捨てるだけまだいい。
もらったけど使わない人がタンバリンを道に捨てたりもする。

それをカラスがつついてシャンシャン鳴らす。
小学校が落ちてるタンバリンを蹴りながら家に帰ったりもするし、
トラックが道に落ちてるタンバリンをはじいて、歩道にタンバリンが飛んできたりする。

自転車を漕いでる時に、トラックがはじいたタンバリンがカゴにカシャン!って入ったら意味なく感動しそうではある。

ただ、フリスビーみたいにしてゴミ箱に入れる遊びをした帰りに、自転車のカゴにカシャン!って入ってきたら、「呪いか?」と思ってしまうかもしれないけど。

「このタンバリン、お寺で供養しなあかん感じ?」
と、さらに持て余すし、その日は電気をつけてないと寝れなくなる。

タンバリンに振り回される一日になる。

タンバリンに振り回される一日って何?

でも、僕が知らないだけで、タンバリン配りってすでにどこかにあるのかも。

#エッセイ #コラム #随筆 #タンバリン

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