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【イベントレポート】EX DAY2022 オリックス生命の「想いを、心に響くカタチに。」するエンゲージメント向上施策

オリックス生命保険株式会社 執行役員の石田 雅彦氏にご登壇いただいたセミナー「EX DAY 2022」をレポート化しました。

この講演では、オリックス生命保険株式会社の「想いを、心に響くカタチに。」という企業理念の浸透・徹底を軸に社員エンゲージメントの向上に取組んでいる事例を紹介しています。

本イベントレポートの全文は、下記URLからダウンロード可能です。
【イベントレポート】EX DAY2022 オリックス生命の「想いを、心に響くカタチに。」するエンゲージメント向上施策

従業員エンゲージメント向上に取組む背景

当社はおかげさまで比較的順調に成長してまいりました。しかし、だからこそ、健全な危機感を持って従業員のエンゲージメント向上に取組まなければならないと考えています。

その背景を説明します。
まず、生命保険業界に共通の構造的な問題があります。

生命保険の浸透状況

生命保険は、日本においてすでに幅広く浸透しており、成熟した状況にあります。
世帯加入率で見てその割合はおよそ9割です。
個人単位で見ても、かなり高い生命保険加入率となっています。

40数社がひしめき合い、しのぎを削る状況
このような状況に対し、生損保の乗合などの規制緩和に伴い、90年代後半から生命保険会社数は急増しました。現在も40数社がひしめき合っています。

生命保険業界は、長きにわたる保障をお客さまに提供する生命保険の本源的価値に基づき「サステナビリティを追求すべき業界」ということができるでしょう。
このような業界においては、各社ともにお客さまのニーズを掘り起こし、勝ち残るための不断の創造変革が必須です。

少子高齢化・生産年齢人口(15~64歳)の急激な減少
生命保険業界はすでに十分厳しい競争環境にあることに加え、今後の少子高齢化、生産年齢人口の急激な減少が、大きな構造的問題といえます。
2020年には7406万人だった生産年齢人口が、2030年には6875万人へと、約530万人の減少が予測されています。

これは、マーケットが縮小するだけではありません。
高齢化が進むと、お客さまの健康面や、将来に向けた生活設計に関するお悩み、関心事も大きく変わっていくはずです。
このような変化に対応し、商品開発・AIなどを活用したサービスの開発競争はますます激しさを増していくものと思われます。

フィデューシャリー・デューティ(FD)に関する社会的要請の強まり
もうひとつ、生命保険業界全体に関わる課題として、お客さまに対して提供する商品・サービスのあり方に関して「フィデューシャリー・デューティ(FD)」の社会的要請が強まっていることがあげられます。

当社固有の状況
ここまで、生命保険業界共通の問題を説明しました。
加えて、当社固有の問題もあります。
おかげさまで、当社はこの数年間で大きく成長しました。
そして、成長するにつれ、お客さまに対して果たすべき社会的責任も大きくなっています。

中途入社者が急増し、価値観が多様化
当社の従業員は、8年前には800名程度でした。
しかし、現在は会社の成長に伴い、2200名へと急拡大しています。
そのため、出身業界、馴染んできたカルチャー、行動様式などが異なる中途入社者が多く在籍しています。

社内の公募プロジェクトで「企業理念」「行動規準」を決定
当社では「トップダウンではなくボトムアップで自分たちの理念を作ろう」と、2018年度に「企業理念」を決めるプロジェクトを実施しました。
有志参加者が侃々諤々の議論を重ね、2019年4月、『想いを、心に響くカタチに。』という企業理念を定めました。(当社では、この「企業理念」を「生命理念」と呼んでいます)

また『想い』を具体的なカタチにするための従業員共通の行動指針として、以下の4つの行動規準を定めました。

私たちは、
・「聴く」ことを大切にします。
・何事も 他人事 ではなく「自分事」としてとらえます。
・「変える」と「変わる」を大切にします。
・考え抜いて「より良いもの」をつくります。

このように「生命理念」「行動規準」を定めた後、2年間にわたり全拠点において勉強会を実施するなどして浸透に努めてきましたが、必ずしも十分な効果があったとはいえません。

「きちんとお客さまの声をお聞きしたか」「自分事としてしっかり課題解決に取組んだか」「前例踏襲に終わっていなかったか」といった観点から見て、残念ながら、行動規準に合致しない事象もいくつか発生しました。
「このままで良いのだろうか」と、反省の声もあがりました。

今後もお客さまに選ばれる商品やサービスを提供し、成長し続けるためには、何よりも人材の力を強化していく必要があります。
そのためには、人事制度も抜本的に変える必要があるということで、2021年4月、新しい人事制度を導入しました。

従業員エンゲージメント向上施策


新しい人事制度を作るにあたっては、生命理念と行動規準を体現し、お客さまからの期待を超える結果を出すことを「プロフェッショナリズム」と定義したうえで、その醸成を新・人事制度の大きな狙いとして位置づけました。
このプロフェッショナリズムの発揮は、先ほど説明した、われわれ金融機関の重要な責務であるFDの実践そのものでもあります。

これを具体的なカタチにして、お客さまの期待を超えるためには、「専門性」とその専門性を発揮して価値を生む「汎用的能力」の両方が必要です。
この両方があって初めてお客さまに選ばれる仕事ができます。
また、実際にお客さまに感動していただけるような仕事ができれば、従業員は「自己効力感」を得ることができるはずです。
従業員がこの自己効力感のほか、成長実感やキャリア展望を持つことが、エンゲージメント向上の大きな要素となると考えています。

理念・FDの浸透・実践に向けた取組み
まず、生命理念、FD浸透を図る取組みについて説明します。
このテーマについては、人事部だけではなく、経営企画部・お客さま本位推進部といった関係部署が連携して、研修の実施や社内広報などに取組んできました。

また、それに加えて、2021年度後半、改めて部門長研修を行ったうえで、部門ごとに「自分にとってのFDとは何か」「FDを実践するために何をすべきか」を議論し、部門別のFD宣言を発表する取組みを実施しました。

次に組織風土の変革に向けた施策について説明します。

①モラルサーベイに基づくPDCA
まず、組織風土の変革に向けた施策として着手したのは、モラルサーベイに基づくPDCAです。

全従業員に対し「会社は、企業理念を実践できている」「会社は、社会やお客さまから評価されている」「会社は、お客さまを大切にしている」などの問いを設け、匿名で調査しました。

毎年モラルサーベイは実施してきたものの、これまでは必ずしも有効活用されていませんでした。
非常にもったいないため、2021年1月に実施したサーベイについては、会社・部門別の結果を整理分析しました。
そのうえで、部門単位で従業員が議論し、組織風土や組織運営上の課題を抽出しました。
また、抽出した課題の解決策を検討する場も設けました。

②リーダーシップスタイル・組織風土サーベイ
組織風土変革に向けた取組みの2つ目として、リーダーシップスタイルと組織風土サーベイについて説明します。

この評価診断ツールを開発したコーン・フェリー社によると「業績の要因の30%は組織風土により説明でき、またその組織風土の要因の70%はその組織を運営するリーダーのリーダーシップスタイルにより説明できる」ことが実証されているそうです。

当社では2021年度、初めて役員・支社長等の70名を対象として「リーダーシップスタイルと組織風土に関するサーベイ」を実施しました。
その結果、かなり多くのリーダーが一方的な指示命令型のリーダーシップスタイルを発揮しており、そのリーダーが作り出している組織風土には、改善余地が大きいということが可視化されました。

マネジメント力強化施策
次に、マネジメント力強化施策について説明します。
先ほど述べたとおり、エンゲージメント向上のためには、従業員の成長を後押しする「マネジメントの役割」が極めて重要だと考えています。

以前の人事制度では、総合職について、マネジメントに携わる社員とそうでない社員の人事を、同じ枠組みで運用していました。
しかし、2021年度に導入した新しい人事制度では、部長などの管理職と、専門職系の職種の2つに分けました。

これは専門領域・得意分野で力を伸ばしていきたいという従業員に対して、そのキャリア志向を支援、促進するものです。
一方、「マネジメント職」として管理職の役割、責任の重さを明確化することで、管理職の質の向上を狙うものでもあります。

管理職には私の造語で、『促話(そくわ)力』と言い換え、「聞くのではなく、話を促して、部下の想いや価値観を引き出してください」という言い方をしています。

能力開発・キャリア形成支援施策

次に能力開発・キャリア形成支援施策について説明します。
先ほど上司から部下に対する成長支援のため、『促話力』の強化に力を入れていることを説明しました。

『促話力』は、上司・部下の関係に留まらず、同僚、お客さまとの関係づくりの上でも大きな効果を発揮します。
なぜなら、相手の想いを把握するだけでなく課題の設定、課題の解決に繋げることのできる、非常に重要な能力であるからです。

①対話と議論の円滑化・実効性向上促進
「想いを聴く力」「課題を設定する力」「課題を解決する力」、この3本柱から成る教育体系を整備しました。
とりわけ、『促話力』と、議論のファシリテーションスキルの2つについては、当社従業員のいわば「共通言語」として底上げを図ることが望ましいと考えています。
これらについては、今後、社内講師を育成し、全社的に展開していく予定です。

②キャリア面談、モデルキャリアパスの提示など
専門職系の等級基準については、業務領域ごとに専門性が多様化、高度化していることから、全社共通の基準だけでは不十分だと考えました。
そのため、部門別の基準を設定し、業務分野ごとに求められる専門性、期待される行動様式などを明確にしました。
これをイントラネット内に置き、全社員に公開しました。
「従業員自身の日常的な業務のガイドライン」「上司の部下指導のためのガイドライン」「従業員が今後のキャリアを考えるにあたってのガイドライン」として活用してもらうことを期待しています。

③ロールモデルの提示・女性のキャリア支援など
キャリア形成支援の一環として、女性の活躍推進も課題といえます。
そこで女性のキャリアに関する悩みや問題点への対処方法などを、こちらも動画の形で全社員に共有しています。

まとめ

これらの取組みはまだまだ途上で、十分な効果をあげるには至っていません。
しかし、2021年度の20ポジションを対象にしたジョブポスティングの応募の際には、紹介した動画を参考にした従業員も多かったようです。
このように、従業員のマインドセットに少しずつ変化を起こすことができているのではないかと考えています。

このような施策を今後も総動員し、ブラッシュアップしていくことで、エンゲージメントを高め、従業員ひとりひとりがお客さまの期待を超えるプロフェッショナリズムを発揮し、お客さまに選ばれ、生命保険の価値をお客さまに提供し続ける会社でありたいと考えています。

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