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自分だけが知っている、大切なものたち。


みなさん、こんにちは、まめです。

きのう、大好きな祖母と久しぶりにお買い物をした。
真夏のような暑い日だったから、家を出る時祖母はこう言った。

帽子や傘はないの?
私は、日焼け止めで十分だから、と言った。

隣町に着いた途端、祖母は、
日傘を買いに行きましょうよと言って、一緒に歩いてくれた。

私は自分で買おうと思いながら一目惚れした傘を握って、
レジへ向かった。

でも祖母は、買ってあげたいの、と言って買ってくれた。

私は嬉しくて、なんだかその傘が、ただの傘ではなく、
とても輝いて世界に一つのものに思えた。

しかしそのあと、祖母と手を繋いであちこち回り、
カフェで落ち着いていると、傘がないことに気づく。

私は自分がどこかに置いてきたことに焦り、
落ち込み探し回った。

その間中、祖母は、また買ってあげるから、
そして、これから良いことが必ずあるから、
と何度も言ってくれたことを覚えている。

祖母からの贈り物をなくしたことに落ち込みながら、
電車に乗ろうとすると、落とし物センターから電話。

親切な人が届けてくれていた。
傘が戻って来てくれた気がした。

涙が出た。祖母と手を取って喜んだ。

こんなにも大切に想うものと出会え、
親切なひとのことも暖かく思えたこと、
昨日の忙しないその時間がとても濃かった。

周りから見たらただの傘。
わたしにとって、代わりなんてない、
たったひとつの大切な傘。

みんなそれぞれに、他の人には分からない、
大切なものを持っているんだろう。

だから、落とし物を見つけたら、
ちゃんと、届けたい。

ふくのまめ

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