『ぼくたちと駐在さんの700日間戦争』 午後ローを予習する。

 本日の午後ローは夏のティーンエイジャーにぴったりの映画『ぼくたちと駐在さんの700日間戦争』です。『ぼくらの七日間戦争』とは関係ありません。百倍だぞ百倍、というわけではないのです。二〇〇八年のコメディ映画。つくづく人を笑わせるには役者の演技力が必要だと感じる。それからテンポ。静と動。色んな技術を用いてようやく人は笑ってくれるんじゃなかろうか。しかし、そんなことは関係なしに、ただ単純に大の大人が人目もはばからず大声を出すだけで面白かったりもする。
 笑いって難しいね。
 出演は、市原隼人さん。本作公開当時は日本一「GReeeeN」の曲が似合う若手俳優でしたが、最近はすっかり渋さが増して格好良くなりましたね。そして佐々木蔵之介さん、『破壊ランナー』すごい好きです。
 他のキャストだと、石野真子、麻生久美子、賀来賢人、竹中直人、片桐はいり、掟ポルシェといった名前も目を引く。
 一九七〇年代の田舎町を舞台に、不良ではなく悪戯小僧の高校生たちと、新しく赴任した駐在さんとの抗争の記録。
 原作は当時大人気だったブログ小説。今でこそ、WEB上での小説連載、そこからの書籍化、映像化などのメデイアミックスは珍しくもなくなったが、そういった潮流が生まれたのは、二〇〇〇年代に入ってからだったと記憶している。二〇〇二年『Deep Love アユの物語』の大ヒットを皮切りに、ケータイ小説の書籍化、映像化が相次ぐ。その後、2ちゃんねるや、まとめサイトで注目を集めた『電車男』が書籍化の後二〇〇四年に映画化。当時は出版業界も先細りを感じており、新しい読者層の獲得に意欲的だったということもあったのだろう。そういった流れの中で登場したのが、本作。デイリーな更新によって読者を飽きさせず、また寄せられたコメントを内容に反映させライブ感を失わないなど、現在のネット小説の人気につながるような工夫も多く見受けられる。
 などと過去を概観すると、重要な位置づけがされるであろう本作。もちろん、そんなことは気にせずとも楽しめると思います。たぶん。

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