
【HUGノート】"自分らしさ"にこだわるピタゴラスイッチ
こんにちは。HUG for ALLあややです。12月の「あそびクエスト」は、私がずっとやりたかったあそびに挑戦しました!念願のピタゴラスイッチ、準備も含めてとっても楽しかったので、みなさんにシェアさせてください。
4時間かけて事前準備
「そもそもピタゴラスイッチ、イメージつかないとつらくない?」という話もあって、事前にスタッフのてべりすと共にサンプルをつくってみることにしました。
我が家にある使えそうな資材を総動員して「何が使える?」と相談しながら進めていくといつのまにかすごい散らかりっぷりに…笑。

「大きな段ボールの上からビー玉転がるようにしたい!」とほぼ無計画で大きなところから作り始める私と、「滑車欲しくない?」といきなり個別の複雑なしくみをじっくり考え始めるてべりす。
つくるプロセスで大人にもこんなに個性が出るんだな〜とすでに若干おもしろいのにも、なんだかわくわくしっぱなしです。
そんな私とてべりす渾身の共作サンプルがこちら!
最後の滑車があることで全体が締まってめちゃくちゃいい作品になりました(自画自賛ですみません…笑)。
ということで、いざ本番
あそびクエストはいつも本番に向けて、子どもたちに「これをやるよ〜」というお知らせをしています。今回のピタゴラスイッチはめちゃくちゃ楽しみにしてくれていたみたいで、まなびクエストが終わった途端資材確保を始めた子もいました。

子どもたちは一人ひとり、クエストフレンドといっしょに活動開始。担当の子どもがお休みだったクエストフレンドのかずさんは、こだわりのオリジナル作品を黙々と作って、なんだかとても楽しそう。

「同じことを同じように夢中になってあそぶ大人がいる」ってすごく豊かで素敵なことだなぁと思います。そう考えるとこのピタゴラスイッチって可能性が無限大…!笑
みんなの力を借りながら…
「こうしたい」というイメージはありつつ、それをどうやって実現したらいいのかはまだよくわからないのが、小1のみなとくん(仮名)。
担当クエストフレンドのココミミとひでさん、そして今回ゲストできてくれたしんくんに相談しながら、着々としかけをつくっていきます。

わからないことを聞いたり、助けを求めたりしつつ、それらを素直に受け止められることはみなとくんの強みなんだろうなと思います。
最終的な完成作品がこちら。裏からビー玉が上がってきて、表に猛スピードで出てくるしかけ。細かいこだわりもいっぱいつまったピタゴラスイッチになりました!

「カワイイ」にこだわる!!!
普段はあそびクエストの時間に外に遊びにいくことも多いれみちゃん(仮名)。今回はまなびクエストの時間もずっと落ち着いて漢字のワークに取り組む姿があったのですが、あそびクエストもほぼフル参加でがんばりました。
テーマへの興味関心もあるのだと思いますが、ひとつのことに長く取り組む力もついてきたんだなぁとしみじみ思います。
さて、そんなれみちゃんは今回も「カワイイ」にこだわります。主な仕掛けは担当のひろみんとたぐっちが作り、れみちゃんは大好きで得意な「可愛く飾ること」に力を注ぎます。

完成した作品をお披露目するときも「見て!」と自慢顔のれみちゃん。苦手なことに無理に取り組むんじゃなくて、大好きなことを楽しみながら取り組むと、こんなにワクワクした笑顔になるんだなーと改めて感じた瞬間でした。

自分だって、もっと…!!!
れみちゃんと同級生のゆづきちゃん(仮名)は、創作活動が大好き。いつも大人には考えつかないようなアイデアとこだわりを持って、集中しておもしろい作品を生み出す力のある子です。
そんなゆづきちゃんはとても今回のピタゴラスイッチを楽しみにしていて、誰よりも早く製作に取り掛かりました。
「ゴールでいい音立てたいから缶を使う!」など、最初からたくさんのアイデアが湧き出てくるゆづきちゃんだったのですが、れみちゃんの作品をみて少し焦りが生まれたよう。
試行錯誤中の自分と比べて、れみちゃんはもうあそこまでできてる。しかもれみちゃんの作品がすごくカワイイ!
れみちゃんへのライバル意識が高じて、うまく進まない自分の作品づくりが少ししんどくなってしまったようです。少し他の作品を見に行ったり、他の人と話したりして気分転換。

それでも、担当のちえぞーとぴーともと協力して進めるうちに、「2箇所からビー玉をスタートさせる」という画期的なアイデアを思いついて、そこからはまた創作に夢中になり始めました。この「自分を立て直す力」はゆづきちゃんのすごい強みだと思います。
最後にできた作品がこちら!

ま、こんなもんかな
一方で余裕を見せつつ作品づくりをしていたのは小6のみさきちゃん(仮名)。必要な素材を手元に置いて、なんだか黙々と作業をしています。

ちょこちょこ担当のクエストフレンドから「こうしたら?」というアドバイスを受けて、素直に聞いたり、「いや、そうじゃない」とこだわりを見せたりしながら、気づけば小さな箱のなかにピタゴラスイッチが…!

蓋が開け閉めできて、持ち運びができるのがポイント。1時間くらいで仕上げたあと、作品を周りに少し見せたら「じゃ、帰るね!」とクールにその場を去っていきました。
もともと創作活動は得意なみさきちゃん。自分の頭の中の構想を形にして満足したような印象です。余裕を持って活動に取り組む様子に、なんだかすっかり大人になったような気がします。
作りたい!けどわかんない!
なんだか作りたいイメージはある。でもどうしていいかわからないから腹も立つし悲しくなる。でも作りたいから手を動かすけど、なんかうまくいかない…。
そんなジレンマと闘っていたのは3年生のたいきくん(仮名)。
最初は担当のいっくんやえのと作業を始めますが、なんかうまく作れなくてだんだんイライラ。でも癇癪を起こすことなく手を動かし続けていたら、いつの間にかなんだかかっこいい建築物が。

でも、「いいね、かっこいい」と伝えても「これじゃない」と首を振ります。たいきくんのイメージしているものとは違う様子。「できないの!どうすればいい?」と周りに問いかける姿に、他者に働きかける力が伸びていることを実感しました。
担当のいっくんは少し離れたところで違う仕掛けを作りながら、たいきくんの様子を見守ります。そのうち、たいきくんは、一人で重さを比べる仕掛けを作ったり、私のそばに来て作業を見守ったり、オリジナルの仕掛けを見せに来たりと、いろんな活動を始めました。

最終的にはいっくんとえのがホワイトボードを活用した大きな仕掛けをつくり、そこに私とたいきくんが合作した仕掛けをつなげることで、一つの大きな作品に。

たぶんたいきくんは、考えたものを形にしたいのにどうしていいかわからない悔しさは抱えたままだったのだと思います。最後に「丸い筒ちょうだい!」「これ(厚紙)丸く切って」「毛糸巻いて」と、いろんなリクエストが始まりました。
「何するの?」と聞くとニコリと笑って「クリスマスケーキ!」というたいきくん。リクエストに応じて素材を切って、毛糸を巻いて…としていくと、なんとふわふわ生クリームにイチゴが載ったケーキができました!

側面と上部の毛糸素材が違うのもたいきくん指定のこだわり。さらにこれを箱に入れて、セットして、満足顔のたいきくん。「自分の思い通りのものがつくれた!」という達成感を最後に感じられたのか、ニコニコ顔になりました。

ピタゴラスイッチ楽しい!!!
今回のあそびクエスト、子どもたちはそれぞれに自分の好きや得意、苦手とも付き合いながら、個性豊かな作品を作っていたなぁと思います。どんなふうにも作れるし、どんな工夫もできるし、大人も本気で考えちゃうおもしろさ。
こういう体験を子どもたちと共有しながら、それぞれの強みや育ちを発見していきたいなーと思います。ピタゴラスイッチは毎年恒例にしてもいいかも…と仲間たちとも話しているのですが、年単位での作品の変化とかも見られると楽しそう!と勝手に盛り上がっています。
みなさまにもいつか次のピタゴラスイッチをご紹介できると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします!