見出し画像

見てよかった、海のはじまり。

正直、挫けそうになることが何度もあった。でも、キラキラ王道の代名詞、夏の月9に今年は「海のはじまり」があったことはある意味思い出に残っていると思う。
と、いうわけで全12話完走しました。全てを咀嚼して、整理して言語化するにはまだまだ時間はかかるけど、じっくり噛み締めてみるようなドラマだったけど、見終わったこの熱量の残そうと思いnoteを立ち上げてみました。

人によっても、誰に肩入れをしてドラマを見るかによっても、評価が大きく変わってくる作品だったと思う。でもそれこそが「海のはじまり」の存在意義であり、これを受け手が良い悪いと評価し、判断すること自体に意味があるように私は感じました。世の中に正解、不正解がないように、登場人物の誰のどんな選択も、解を提示するのではなく、選択のその後、つまりどうしていくかを描くことにすごくこだわっていたなと感じた。
登場人物の心情を語るシーンがほぼなかったり、表情や会話から読み取らないといけないことも多くて、その余白の多さも、視聴者が心情を読んだり、誰かの選択を一緒に考えたりすることに繋がっていて、なんか毎回宿題を出されているような気分だった。3ヶ月ずっとこの作品を通して「どう思うか」を考え続けたから、終わってしまうと少し寂しささえある。

ゆっくりゆっくり押し寄せる波みたいに、色んな思いを連れてきて、あっという間に帰っていく。気づいたらそこには海しかなくて、次の波が来るまでその海を見ながらずっと考えてる。そんなイメージで、視聴者がずっとそこにいて、色々なものを預けられている感覚でした。
また人生って誰かに正解を教えてもらえるわけではないし、誰かに決めてもらうものではない。そんな一見突き放された気持ちになる時もあれば、どの選択もあっていいんだよと全てを包み込んでくれるような時もある。それもまた色んな表情がある海みたいだなあ、とも。
「海のはじまりは曖昧で、でも終わりはない。」
父や母になることもはじめは実感もなくて曖昧で、でもいなくなっても2人から始まったから終わりはない。この親になるということと、海とを掛けたラストシーンもすごく私は好きでした。

そんな考えながら見て意味のあるドラマだからこそ、色んな感想で溢れていたと思うし、立場によって、誰の視点で見るかによって感想が変わってくるのだと思う。むしろ色々な評価があること自体が正解というか、それをドラマの制作陣も一つのゴールとしていて、まずは考えるきっかけになればという強い意思を感じたので、その方向性の一致が、真摯に向き合う熱量となって視聴者に届いていたと思います。すごく想いが詰まっているドラマでした。

全12話、見て良かった。最後まで見れて良かった。
夏に呆れて、水季の自由さに苦笑いして、津野くんの態度の悪さに笑って、弥生さんの不器用さに泣いて、大和に癒されて、海ちゃんの明るさを大好きになって、朱音さんの意地悪に愛情を感じて、登場人物と色んな感情を共に出来て面白かった。
ドラマって自分の人生を生きてるだけじゃ、絶対に経験出来ない感情を連れてきてくれるから本当に楽しい。
私がドラマを見る意味ってこれだな、と思わせてくれる作品で、3ヶ月良い時間を過ごせたなと思います。またこんなドラマに出会いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?