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声を上げないカラダの声


パーソナルトレーニングを行っていると、「あれ?お客様の動きがいつもと違っておかしいな?」と思うときがあります。
しかしこういう時に限ってお客様への問診では特に何もないのです。

そうお客様の知らない…意識に上らない異変がカラダには起きているのです。これをスルーしたまま行うと、思わぬところで事故がおきたり思うような効果が得られないということが起きてしまいます。


私はパーソナルトレーニングはオーダーメイドでなければいけない!しっかりお客様を観察するように受講生に伝えますが
今回紹介するメニューだけは
オーダーメイドでなく≪どのお客様も必ずウォーミングアップがてら≫行います。

もちろん、身体評価というのは臨床現場でも様々あります。〇〇テスト、〇〇検査…しかしこれは時間がかかりフィットネスジムに運動にいらっしゃったお客様には時間の浪費、または運動したいけどさせてもらえない不満につながります。(もちろん、疑わしい時は時間をとって行うのはいいです)

トレーニングメニュー全体を構成するのに
根拠がないまま組み込むのは危険です。できるだけ序盤に必要な情報を集められるように今回のメニューを紹介いたします。(ガッチガチにメニューかためるだけじゃなく数パーセントは余裕があったほうがいいけどね)
以下のトレーニングは、よく見る平凡なメニューもありますが
視点を変えるだけで宝のような情報を与えてくれるメニューになります。

全身チェック

全身の体幹をチェックする”ダイアゴナルプランク”
四つ這い姿勢から手足を水平に上げバランスをとる。ダイアゴナルとは対角という意で対角線上の手足を動かして行う。
体幹も本来は動き(モビリティ)から強化(スタビリティ・安定)をしていきたいが、トレーナーとしては他のトレーニングとの兼ね合いで体幹がまず安定していないと他のトレーニングが安全に行えないので、これは基本的にスタビリティからモビリティへ変化させていく。
※治療系ではモビリティから改善させていくことが多い。

所見
・上げた手足が下がっていく→肩関節屈曲、股関節伸展可動域&トルクの不足
・体幹がぐらつく→体幹の回旋、左右不均衡
・その他、腰椎が反りすぎたり、手足を上げすぎたり、頸が下を向く、つま先が床から離れる
など色々な動作の観察ができる。

フィードバック:左右どちらに姿勢がゆがんでいるか?肩・股関節の可動域は正常か?どちらに回旋しやすそう(しにくそう)か?足趾が使えているか?などの情報を得ることができる。
→その情報から回旋系のメニューを多く入れて左右差を減らそうか?姿勢が保持しにくいのでスクワット系などのレベルは簡単なものから行おうか?などその後のメニューに反映します。

上半身チェック(上肢や肩甲骨など)

次に上半身をチェックする“肩甲骨&上肢プランク”
肘を伸ばしたままの四つ這い姿勢で肩甲骨の内転、外転可動域をみる。
肩はスタビリティ能力が弱いというのは少なく、(もちろんなくはないが)可動していなくて不具合が起こることが多いのでモビリティから始める。

所見
これによって
・肩甲骨が動かない
・肩甲骨の動きよりも、腰椎(腰で)上下動してしまっている
・上下動はできるが肘が曲がる
などの観察ができる。

フィードバック:肩甲骨の可動域は正常か?肩甲骨の動作を末端が補いすぎてはいないか?(肘がまがる)胸椎ー肩甲骨が固まりその分の動きを腰椎が補ってはないか?胸椎ー肩甲骨が固まりその分の動きを頭を上下させることによって(頸椎の動きで)補ってはいないか?
などの情報を得ることができる。
→腰椎が働きすぎているので他のトレーニングで腰痛が起こらないようにしよう。とか、肩関節の可動域が硬いのでベンチプレスの前にダンベルフライを行ってアップするとかその後のメニューに反映します。

下半身チェック(骨盤、下肢など)

体幹下部や下半身をチェックする“プランク”
いわゆる体幹トレーニングの代名詞である。
肘と脚で体幹を支え、その重みに対抗して体をまっすぐ保つことが要求される。このプランクではスタビリティーからモビリティにメニューを漸増させていく。と、いうのもスクワット・デッドリフト系などパワーポジションや立位でトレーニングを行う際基本となるこの体幹のスタビリティー力が必要とされるためまずスタビリティー(安定・強化)から行う

所見
・足首(足関節)が底屈し足がマット上を滑って行ってしまう
・腰が反ってしまう
・膝が曲がる
・静止できない
などが観察できる。

フィードバック:ハムストリングスの柔軟性が足りているか?インナーマッスルが適切に使えて持久的な、また精密な運動ができているか?体幹の弱さを下肢の筋で補ってはいないか?
などの情報を得ることができる。
→その情報から、立位系のトレーニングなど自体重がかかるものでも支えれないかもしれない。や、体幹からのパワーが得られにくいので高重量またはバランス系など難易度の高いものは要注意。プランクで保てないから腹筋もしんどいかな?などとその後のメニューに反映します。

ほんの一部紹介しましたが、私のメニューは少し強度変化をしても基本形はこの3種類のトレーニングから行います。
これによって、いつもできることが今日できないなど『お客様が気づいていない自身の不調』をトレーナーがいち早く察知できその後のトレーニングメニューに反映できます。
と、いうことはその後のメニューを入れる根拠を見つける作業になるのです。
私はこの全身ー上半身ー下半身のトレーニングをセンサーまたは評価メニューと呼んでいます。

今回も投げ銭スタイル
全部公開したけどいいなと思ったら買ってみて(笑)

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