ワタナベコメディスクール卒業ライブ

WCSの卒業ライブを見に行ってきました.名古屋で芸人をしていた時に同じライブに出ていた子が出演するということで誘ってもらいました.

平日の昼なのに当日会場には30人くらいのお客さんがいて、後ろの審査員も含めると50人くらいの観覧客がいました.中には学生時代にお笑いサークルに所属していてそれを経てから学校に通っている子もいるから、本当にお笑い経験がこの1年だけの人ばかりではないけど、20代前半でこのキャパでネタをする経験があるのは本当に羨ましいなと思いました.卒業後に芸人をする人もしない人もいると思うけど人生の中で大勢の前で自分の考えたもの、あるいは協力して創作したものを披露する経験があるのはその後の人生に大きな影響があると思います、思っています.

僕は上手くできなかったですが「お笑いやってました」というのは就職試験の面接で結構強いらしいです.最近は学生時代にお笑いを経験する人が多いので(主に関東私立)そういう話はよく聞きます.そういう人はしっかりキャンパスライフも充実させて就職も確かな実績と信頼のある企業に進んでるイメージです.養成所に通うのはそれなりに資金が必要ですが、目的のない短期留学に行って散財するよりは同じ好きなものを共有できる仲間もできるし、学校生活では経験できないような体験を味わえるし、就職で言えることも増えるので養成所はめちゃくちゃいいなぁと思います.ライブ終わって帰りの東横で養成所生をTwitterで調べたら楽屋で他の生徒と撮った写真をアップしてて、めっちゃいいじゃん、と思いました.本当に僕はこれが正しい人間の生きる姿だと思います.嫉妬や憧れがねじ曲がって逆に素直に羨ましがれる状態に入った変な思考からくるやつじゃなくて、本当にこれでいいし、なんか輝いていました.その子達のネタにはバイオレンスなワードも、人を傷つけるくだりもなくてそれでもしっかりポイントポイントで笑いを取っていて、あぁ、本当にかっこよかったです.

当然養成所だから、コンビを作るために入ってくる人が多いと思います.初めてネタをするならコンビでやる方が難易度も低いですし.やっぱりコンビの方が多かったのですが中にはピン芸人の子もいました.正直全部面白くて、僕が面白かったベスト3も二組はピン芸人の方でした.ただ一人だけ、最近までコンビを組んでいたんですが直前で解散してしまって・・というある種、自虐的な漫談を披露する方がいました.ちりばめられるワードもエッジが利いてて自虐のクオリティもめちゃくちゃ高くて笑いました.ネタ終わりに暗転して帰っていく顔が、何か心の荷物の紐がほどけたような、清々しい顔をしていました.当然、他のコンビの方は卒業ライブなので、このネタの評価で所属できるかどうかが決まります.暗転後もまだ緊張しているような雰囲気があって、まだすべて終わってない感がありました.その子はおそらく(勝手な推測で申し訳ないですが)コンビで卒業ライブ出たかったと思うのですが、それがかなわず、ピンネタの題材もうまく決めきれず複雑な気持ちで最後の卒業ライブに出ていたと思います.僕はそれを見て、泣くまではいかないですが、結構ジーンとくるものがあって、本当に心から拍手を送りました.養成所はそれなりにお金がかかっています.最後の卒業ライブをみんなが納得のいく形で迎えられるわけではないです.出演しないという手段も当然とれたはずですが、しっかりと最後ライブに出て、面白いネタを仕上げてきたのは養成所生の芸人に対する覚悟の決め方ではなかったです.本当にお疲れ様でした.あぁ、ほんとにかっこよかった.



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