アゴウカナ

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最近の記事

水仙と木霊

個展のタイミングの度にここに何か書き物をしていたことを思い出しながらも過去の投稿から三年が経っていたことに恐れ慄く。もう30歳は間近にある。怖。 読み返してみた過去のわたしが、それなりに考え事をしていたのだなと分かってなんだかホッとした。そしてあんまり変わってない。いいんだか悪いんだか。相変わらずの生活をしている。相変わらず居酒屋でビールを注いでて、それで貯めたお金でたまに細々と作家活動なんかして、毎度破産しそうになってる。今度こそダメかもわからん。 30になることに漠然

    • アイスミルクコーヒーひとつ

      脱水気味でしっとり目覚める昼下がり、約束の時間の2時間前、寝起きの一服が5本ぐらいになる、maybe Blue、エアコンフル回転の部屋の隣で暑さに耐える、窓を開けても風がない、親指一つで50000円の買い物、クレジットカードの登録、高速でシャワーを浴びる、ドライヤーが嫌い、ユースキン、下着のまま服を取りに二階に上がる、機械的な化粧の段取り、もう行かなきゃならないのに最後の一本、あまり恩恵に与れなかったエアコンをオフ、適当なかばん、鍵はいつもの場所、わすれもの、自転車が出しにく

      • 水溜りを探す

        Twitterから少し離れようと思ってアプリを消した。両手で足りないくらい回目。タイムラインの流れが早すぎる。割と泳ぐのは得意な方だったけど、あんな急流溺れてしまう。流されていく人が遠くにも近くにも。私はまだ死にたくないなと、水溜りにしばらく居ようかなと思う。 盛者必衰だなんて古い言葉なのに、いつの時代も串刺しにしていてすごいよな。それについて思い浮かべるのは波の形の緩急。連続した動き。上下運動も左右にゆれるのも、躁も鬱も、激しければ揺り戻しが大きいよなって。上がりきれば下

        • 風船に針

          先輩に飲みに連れて行っていただいた。一番怖い質問をされた。 「自分、一体何がしたいの」 饅頭怖いじゃない。 自分のしたいこと、を言語化して人に伝えること、本当に恐怖でしかない。否定された時のことを思うとその時点で泣きそうになる。そのひ弱さにまた涙が出そうになって、情けなくなって、以下エンドレスのやつ。はあ、夢に出ました。 私はよく否定されたがる。強がりの結果か?今後をより良くしたいだなんていうけど。結局のろまなので、受け取った批判を次に活かすというのには時間がかかる。次の次

        水仙と木霊

          見えない世界に色をつける

          再び、展覧会に寄せて。 数年ぶり二回目の個展です。制作間に合うかな、とドキドキしながらも一旦文章にするのは大事。だいぶ昔の話から、私が何をしようとしていたのか振り返ってみる。 制作技法やモチーフなど、それなりにバラバラとしているわたしの作品群だけど、「自画像の方法」と言う言葉がそれらを一貫していると思う。 モチーフはこだわりを持って選定しているけれど、作品のみではそれらに至る経緯が読み取りづらいだろうなと感じる。力不足をひしひしと。 最初に納得のいったモチーフは、椿屋四重

          見えない世界に色をつける

          夜行性の生き物なので

          散歩は大体夜にする。人が少なくてよいし、少しじろじろとひとんちを見てもバレない(多分)。フラッシュを焚いた時の変な影も好き。仕事終わりの3分の家路も、近所の軒先を愛でて帰る。もう日が落ちるとすっかり寒くなってしまう季節だけど、着込んだ体と帽子もかぶらない頭のコントラストはしゃきっとできるのでよい。 この度、出展のご依頼をいただきました。前回のnoteを読んでとのことで、とても嬉しいです。暑苦しくも素直に書けたからよかった。 「展示空間Kangaru」というところで展示させ

          夜行性の生き物なので

          絵をもう一度やる

          久しぶりの展覧会が差し迫ってきたので、現実逃避という意味もあって少し書いてみる。現状の自己紹介も兼ねてみる。 わたしの肩書きは、居酒屋の社員であると言った方が伝わりやすいとおもう。 ありがたいことに、学生時代のバイト先で、就活もせずにちゃっかり正社員になった。 勤務は週四が目安で、人足りなかったら増えたりとまちまち。絵を描くから!て言って週三休みもらってる。時給制だけど十時間勤務が基本なので最低限の生活に困ったりはしていない。勤務形態はこちらからお願いしたもので、ほとんどの

          絵をもう一度やる