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「なぜ私はここで学ぶのか?」 ー目的が変われば、自分も変われる。変化を楽しめれば、学びはもっと楽しくなる。ー

所属する英語スピーチサークルのトーストマスターズクラブは、英語のスピーチ作成を通してコミュニケーションやリーダーシップを学ぶ世界的な教育団体です。活動の性質上、やはり「英語」に関心の高い方が集まりやすいという面はありますが、英語を学ぶことだけが目的ではないのが、1つの特徴ともいえるでしょう。

明確に「英語を学びましょう!」という統一した目的があれば、そうではない方はクラブの趣旨にそぐわないこととなるのでしょうけれど、「コミュニケーションとリーダーシップ」という、定義がありそうで個々人によりイメージがばらつくものを学ぼうということですから、「なぜトーストマスターズで学びたいのですか」という質問をすれば、正解など無限に存在してしまうものですし、来るもの拒まずを体現したフレンドリーな雰囲気は、トーストマスターズの魅力でもあります。「英語堪能な友人を持って切磋琢磨したい」「職場で使えるスキルを学びたい」「プレゼンテーションを上達させたい」など、ここで学ぶ目的は十人十色ですし、それで構わないというスタンスのクラブです。そういう団体もそう多くはないかもしれません。

かく言う私はなぜトーストマスターズで学びたいのか?それは札幌にいた学生時代、英語サークルで英語スピーチに出会い、社会人になってもそれが可能な場がトーストマスターズだったからです。新卒で(縁もゆかりもなく、自分でも予想外の就職先となってしまった)鳥取にいてでも、「英語スピーチを続けたい」というのが私の当初の目的でした。地方にいてもそれが可能だったことは、本当にラッキーだったとしか言いようがありません。それに正直な話、そんな理由で鳥取トーストマスターズクラブに入会した人は、後にも先にも私だけなのでは?と思います。(都市圏に行けば、やはり同じように学生時代やってたから続けたいという方がいらっしゃいますが。なかなか縁もゆかりも知り合いもいない地方にIターンで、英語スピーチ続けようというのは、他の場所だったら至難の技だったかもしれません。)

手前味噌ながら、鳥取のクラブの皆さんは英語のレベルの高い方も多く在籍しており、自分のスピーチへの意欲を刺激するには程よい環境ではあります。

ところが、時が流れて、トーストマスターズのスピーチコンテストで自分の力でもそこそこ勝ち上がれることがわかってくると、もっと上を目指して英語スピーチの技術を磨くには「オンラインのトーストマスターズクラブ」に所属し、外国のレベルの高いオンラインクラブで、さらに英語スピーチを極めることも、選択肢の中に入れられることに気づきました。

しかし、社会人となって時間が経ち、この鳥取という地で仕事やプライベートのさまざまな変化を経験するうちに、自分のトーストマスターズで学ぶ理由が変わりつつあります。鳥取の人々の考え方、地域の持つ優位性など、住んでみなければ気づけないことを多く気づかされていく中、「この地域で暮らし、貢献するためのリーダーシップを学びたい」という思いが、所属して5年目になる今、強く芽生えています。今の私には、もっと上を目指した英語スピーチ技術向上よりも、地域貢献のリーダーシップの方がプライオリティが高いのです。もともと鳥取の人間ではない私が、この地域に根ざして生きていくためには、この地域で学ぶことに重要な意義を感じています。

だからと言って、「スピーチ技術向上はもういいや」ということでもなく、また来たるべきタイミングで、そっちの目的のプライオリティが高くなる日が来るのだとも思います。

時を経て、目的意識が変わるということはごく自然なことでしょう。1つに固執する必要もありません。目的が変わるということは、自分が変われる契機にもなるはずです。柔軟に変化を楽しめれば、学びはもっと楽しくなる。だからこそ、目的を持って学ぶということは大事なのだと考えています。


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