その8:お笑いに優劣なんてないんじゃね?という話

この文章を書こうと思って調べなおしてみたら早や3年前の記事だったのですが、とある落語家の師匠が「裸芸で笑いを取る奴は低俗。それを起用するテレビも悪い」みたいなことをおっしゃってました。
まあ、この方は別に僕が言うまでもない多大な功績を残された方なんですけど、曲がりなりにも10年近くお笑いやってた僕は言いたい。お笑いに低俗もクソもないし、あるとすればお笑いはおしなべて低俗なんじゃね?と。所詮は同じ河原乞食ですよ。

僕がお笑い芸人にちょっとだけ憧れていた子供のころ、たしか笑いの金メダルだったと思うけど、韓国で現地の人相手にネタをやって誰が一番ウケるか、みたいな企画をやっていて多くの芸人さんが苦戦してる(当然日本語なので通じない)中で、ペナルティのワッキーさんが顔芸をやりながら「チェ、イルムン…(私の名前は…)」だけを連呼して大爆笑を掻っ攫っていたんです。それが僕にはとても、とてもカッコよく映ったんですよ。
顔芸って、確かに誰でも出来るのかもしれない。芸人として成長させないリスクもあるかもしれない。でも、国境を越えて、言語を越えて、世代を越えて笑いを取ることが出来る演芸が”低俗”とはとても思えないのです。そこいくと落語や漫才なんて、言ってみりゃ国境は越えないワケですよ(英語落語やってる噺家さんもいらっしゃいますけどね)。
いや、落語のみを貶めたいワケじゃないんです。ただ、かといって落語家さんサイドに他ジャンルのお笑いを貶す権利もあらへんで、と言いたい。ジャンル同士で優劣なんて付けられないよ、と。

あと、「誰も傷つけない笑い至上主義」みたいなのも、そもそも人を傷つける笑いを暗に拒絶してますよね。この主義を過剰に主張している人は、さぞかし高邁な人間なんでしょうなぁ、と思ってます。みんな随分人に対して清廉性を求めるよね。
あんただって、職場に使えない奴いたら公然と悪口言っていい、って錯覚したりしません?確かにポンコツなのが悪いんだろうけど、じゃあそいつのやることなすこと否定したりバカにしていいのか、って話です。で、そういう人結構職場とかにいるでしょ?あれ、僕のバイト先だった𠮷○家だけですか??
本当に弱いものいじめしてない、って十字架の前で言いきれますか、と。僕は出来ないですよ。いくら心がけても、もしかしたら人を色眼鏡で見てしまうかもしれないし、そもそもそういうのも人間だからしょうがないじゃん、と思ってます。
おのれの心に潜む黒い感情を否定することは出来ないと思うんですよ。そのクセ人に清廉求めすぎてもダメだと思うし、お笑いってそういう人のダメなところを受け止めることが出来るもので、だから素晴らしいと思ってます。

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