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SaaS事業の判断の品質を上げるためのデータ基盤構築

※この記事は、ブログリレー企画 #SaaSLovers 秋のブログ祭りの寄稿です

自己紹介

今はオープンエイトという会社でVideo BRAINというSaaSサービスを提供させて頂いております。前職はサイバーエージェントで広告代理事業の営業局長として働いておりました。

なぜ本日はこのテーマでNOTEを書こうと思ったかでいうと、SaaS事業に携わる方はもう既知の方が大半だと思いますが、SaaSビジネスは非常にKPIが明確で、目指すべき成果も明確です。
※そちらに関しては下記の記事をご覧ください
今何を進めていて、何が必要なのか、自分たちの状態を把握はしやすい事業体だと思います。

SaaS事業における目指すべき成長曲線

SaaS事業におけるユニットエコノミクスについて


ただだからこそビハインドをした場合は常に判断を繰り返していく必要があります。
ある日突然成果は変わらないですし、日々丁寧に意思決定を繰り返して、少しずつ成長を積み重ねることしかできないと思います。その積み重ねの精度を上げるためのデータ整備の重要性を備忘録としても書いて置こうと思います。

データの基盤の構築を行う上で圧倒的に重要なのは業務オペレーション

データなんて構築した方が良いことはわかっているけど実際に構築するのは非常に難しいと思います。デジタルでできる部分の可視化は、設計さえ行えば十分なのですが、horizontal SaaS事業を展開していればThe Modelの業務工程を採用しているケースが多いと思います。そうなると企業では人がオペレーションに介在する部分が多いため、業務オペレーションが正しく構築されていないと人によってはSFA入れてるし、人によっては、、、みたいな状況が発生します。

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これを防ぐためにもマネジメントも現場も含めて目的と出したいアウトプットを正しく理解しておくのは重要だと思います。

何故データの基盤を構築しておくべきなのか

では何故データの人の業務工程を逐一整えてまでデータ可視化ができるように基盤を構築しておくべきなのか。
理由は大きく2点あるのですがこちらの理由です(完全に私見です)

①正しく事業を捉えて成長のための施策を展開するため

意思決定、施策の精度を上げるためにはなによりもまずは情報品質の向上だと思います。数字だけで判断をするということはないですが、組織で下記【例1】の状態から議論をスタートするのは非常に難しいと思います。

【例1】この情報量だとわからない

パネルクイズ1

【例2】ここまでくると精度は向上してくる

パネルクイズ2

画像引用:情報が多ければ多いほど、正しい判断が出来る だから報告は最重要スキル

全てのデータが整理されていないと判断ができない。ということはありえないのですがその中で何を注力して見るべきで、最低限何があれば判断に足るのか。この情報を抑えておくことで意思決定の精度は変化してくると思います。

②外部の情報を誤って捉えて、誤判断を防ぐため

SaaS事業、市場に盛り上がりに伴い、多くの方々がナレッジをシェアして、自社の成功事例、他社の事例の紹介を頂けるケースが多くなってきました。

ただSaaSに関する情報はかなり多くなっており、それが何が正しい情報なのか、一部局所的に切り取った情報のみとなり、その情報が自社に当てはまらないなんてことが結構あると思います。

ただ一つの指標を見てもこれは正しい情報なのか、正しくない情報なのかこの情報だけに踊らされてしまったら良い判断ができないと思いましす。(僕も悩んでます)


・CVRは●%が一般的
・受注率は●%が一般的

おそらく流入経路ごとに見たらこの値も全く違うでしょうし、verticalなのかhorizontalなのか、従量課金のプライシングなのか、アカウント課金なのかでも違うと思います。

今回のSaaSloversの戸栗さんの記事はそういった面も明確に切り込んでいて読んでいて頷きまくってました

以下引用します

Horizontal vs Verticalにしても取るべき戦術&行動は全く異なる。
Horizontalは、売りやすかったり相性が良かったりする業界業種はある程度の差が存在するものが、課題が潜在的な業界もあれば、顕在化している業界もあり、温度感は様々ながら、総合的なニーズの量は多め(新しい市場でも多くはなる)。

一方で、Vertical、例えば不動産に特化したSales Techの場合、「売上を上げる方法」などではなく「住宅展示会からの個別説明会への来場率を上げる方法」など、往々にして課題が顕在化してしまっている。つまり、課題意識が潜在的な人たちが相対的に少なく、顕在層に対するマーケティングを仕掛ける方が、売上を上げるためには直球で早い(ブログの様に潜在層向けコンテンツを作りまくる必要性はあまりない、ということ)。

最後に

ちょっとライトな記事になってしまいましたが、僕が現在の事業で取り組んでいて良かったなって思えることも、もっとこうしておけば良かったなって思うこともここのデータ基盤に紐づくケースが多いです。だからこそ当たり前のことなのですが本日はこういった内容を書かせて頂きました。

正しいことなんて何かはわからないですが、だからこそビジネスは面白く、難しい、それでもなるべく最大限の成果を上げられる方法を模索するために、日々の意思決定の精度を少しでも上げて、それを丁寧に積み上げていくことが大切だなと思ってます。

下記はSaaSloversの相良さんのNOTEの引用ですがすごく刺さりました。

データはユーザー体験に従属する
データに関してよく言われる定説は、「データを集めること自体にはさほど価値はなく、そこから見出せる示唆や新たな視点にこそ価値がある」というものですが、本当かな?と。示唆を得るに足る十分なデータを集められる製品/事業環境を作れているか否かで勝負は決していないか?と。この点は自戒も込めて常に意識し続けたいポイントです。





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