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オンライン英会話を始める

うちはなぜかごく一般的な家庭だったにも関わらず、ホストファミリーとして外国からお客さんが来て1〜2週間泊まっていく、というのが、自分が小中学生の頃よくあった。理由としては父がそういった「国際交流」がただ好きだからで、当時の仕事とは全く関係なかった。頻度としては、1年に1回くらいだっただろうか。覚えているだけでも、ニュージーランド、インド、カンボジア、カナダ、ロシア、ベルギーなどなど。例えばインドから来たお客さんは、火のついたコンロの五徳に直接小麦粉を練った物体を置くという奇抜なスタイルでナンを作ってくれたり、外で一緒にカバディをしたりした。

そんな感じでとにかく外国の人・文化に触れることがわりと多かったためか、高校卒業後、明確にやりたいこともなかった自分は、語学留学をさせてもらうことにした。後々知ったことだが、この辺りのお金の工面は大変だったらしい。場所はスコットランドのエディンバラ。期間は全部で半年間で、今度は自分がホームステイしながら語学学校に通った。
いろいろと貴重な経験もできたが、半年足らずではさすがに流暢に話せるようにはならない。流暢に話せるレベルを10とすると、せいぜい3くらいだろうか。
その後帰国、大学に進学し、就職、独立して現在に至る。その間、受験を除いて英語のスキルが活躍することはほぼ無かった。

5年ほど前に再訪したエディンバラ城

英語を特に必要としない仕事につき、これからもせいぜい旅行くらいでしか英語を使うことはないだろうと思う一方で、自分の英語力に関してなんとなくずっと中途半端な感じを抱いていた。損得ではないが、あれだけお金をかけて語学留学させてもらったのに、こんな使えるのか使えないのか微妙な状態でいいのか、みたいな、作りかけのジグソーパズルのような、建設途中で放置された建物のような、そんな感じである。

過去に英会話のレッスンに通ってみようと思い立ったこともあったが、やはりそれなりにお金はかかるし、会社に勤めていた頃は時間的にもそんな余裕は無かった。そんなこんなで気づいたら40になっていたわけだが、どうやらここ10年くらいでオンライン英会話というのがかなり増えたらしい。
オンラインであれば講師の確保も容易だし、習う方にしても自宅で受講できるので楽だ。何よりコストが低く抑えられるし、フリーランスとして働く今は時間などどうにでもなる。いくつかサイトを見てみて、Camblyというのを受講することにした。

Camblyは元Googleのエンジニアが開発したサービスで、Camblyにした理由は、サイトのUIがわりかし洗練されていたから、というくらいである。
余談だが何かをどちらにするか迷った場合、だいたいデザインの良い方を選ぶようにしている。自分が利用する上で単純にその方が気分が良い、というのもあるが、ある意味投資みたいなものでもあって、せっかくだったら自分のお金がそういったものの方に流れてほしい、そういう会社に残ってほしい、というささやかな自分の願いでもある。

実はもう始めてから半年くらいになるのだが、未だ流暢とは程遠く、言葉に詰まることは毎回で、今日も言いたいことがスムーズに言えなかったとか、後からああ言えばよかったとか、いつもレッスンが終わったあとげんなりしている。
しかしながらこの歳(42)になって受験用の参考書を買ったり、YouTubeやPodcastで学習になりそうな素材を探したり、なかなか熱心な生徒ではあるかもしれない。その情熱で学生の頃に勉強しておけばと思うが、もう遅い。
それでもときどき、多少の進歩を感じたり、今日はなんだか普通に話せたなと思うことが、まれに、ある。半年間で、だいぶゆっくりかもしれないが、少しくらいはマシになっていると、都合よく思うことにしている。

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