2021年7月11日AFCアジアチャンピオンズリーグGL第6節ガンバ大阪対全北現代DAZN観戦の感想

ここまでの5試合でガンバは2勝3分の勝ち点9、各組2位の上位3チームまでが突破となりますが、やはりチェンライユナイテッド相手の2引き分けがもったいなさ過ぎました。2分けのうちどちらかでも勝てていれば勝ち点11となり、グループGの浦項とグループJの傑志を上回って現時点で通過がほぼ確定していました。

過ぎたことはどうしようもないですが、名古屋が浦項に、セレッソが傑志に負けなかったことで、ガンバが勝てばOKという状況にしてくれたのはありがたい話です。もっと言えば、名古屋とセレッソが最後も勝っていれば、ガンバはこの全北戦で引き分けでも良かったのですが、そこまでは望みすぎでしょう。

ちなみに勝ち上がれば他グループの結果次第ながら、おそらくセレッソとのラウンド16になるらしいですけれど、今はそこまで考えられません。とにかく目の前の試合に勝つだけです。

Twitterで見ましたが、ACLのGL最終戦は宇佐美が何度も得点しているらしいです。これまで沈黙に次ぐ沈黙と言っていいくらい、本来の宇佐美からは遠いパフォーマンスでしたが、最後にやってくれるはずです。

ガンバのスタメンは、その思いを込めているような宇佐美パトリックの2トップです。おそらくは三浦・昌子・ヨングォンの3バックに、井手口・奥野のダブルボランチ。右に小野瀬、左に福田、トップ下に矢島という陣容で、グループ1位通過が決定している全北現代に挑みます。

まず怖いのはやはり試合の入り方。前回の対戦では中継スタッフが想定していないほど早いタイミングでの失点となりました。また、その失点やチェンライ戦でのロングボールで苦しめられましたが、やはり今回も開始直後にロングボールのブロックにいったヨングォンが相手を倒してPKを与えてしまいました。

開始6分でいきなりビハインドです。やっぱり3バックだとどうも後ろの連携がおかしいですよねえ。

ともかく、崖っぷちの状態から崖に片手で捕まっている状況まで追い込まれました。しかし攻撃もパッとせず、ボール保持でも全北ペースで序盤は進みます。

11分にようやく高い位置でボールを奪ってパトリックのシュートまで行きましたが枠を外しました。

20分にもパトリックが落として井手口のシュート。攻撃する以上に守備に回る場面の方が多いですが、リスクを背負ってでも2点取る攻撃をし続けるしかありません。問題は攻撃がなかなか上手く行かないというか、選手間の呼吸が合わないシーンが多いのが気になります。

23分にも矢島がエリア内で折り返した惜しいシーンがありましたが誰とも合わず。

ラストパスの2つ前くらいのところで苦しみます。とりあえず低い位置でボールを持つ宇佐美に怖さはない。中盤でボールを回して前線に配球する人がいないからでしょうけれど、下がってきたら攻め手が減ります。

それでも前半の中盤はまだ良くなってきたかな、と思っていたら好事でもないのに魔が多く、福田が痛めて黒川と31分で交代せざるを得なくなりました。崖でぶら下がっている片手の指が一本外れたような状況です。

その後はまた停滞した攻撃が続き、39分にはヨングォンが警告を受けました。その前にも冷静さを失った場面もあり、ハーフタイムでヨングォンを外して小野瀬が右SBに入る4バックに変えるのもアリなんじゃないですかね。

ともかく、その後も何も無く前半終了。焦りとの戦いにもなる後半の45分に勝負がかかります。

グループステージの最終戦で勝利が求められているのに前半で0−1というのは、確か6年前の2015年も同じだったはずです。あの時は後半に宇佐美とリンスのゴールで逆転勝利で劇的な突破を決めました。

しかし絶対勝利が求められる試合で、藤春も小野もベンチ入り出来なかったというのは、どう考えても軽傷じゃないですよね。

後半は井手口に代えて倉田が入りました。3バックは継続ですね。矢島が下がって配球役になり、パトリック・宇佐美と倉田でシュートを打つことになります。

47分には厚い攻撃から矢島が左足でシュートもGK正面。結構良い形の攻撃から試合に入ることが出来ました。

49分、長いボールに抜け出した宇佐美が折り返すもパトリックが合わせられず。本当にこれはもったいなかった。攻撃は良い形を継続し続けるしかありません。

51分にも宇佐美が入れたクロスにパトリックが頭で当てるも惜しくも外れました。

しかし53分、外し続けたパトリックが右サイドでのルーズボールをダイレクトで振り抜いてゴールゲット! ようやく1−1のイーブン、良い攻撃が続いている時間帯に得点出来て良かったです。

矢島はヘディングシュートも上手いしゴール前に飛び込めるので前目で使いたくもなりますが、今のメンバーならあのポジションで使わない方が良いですよね。

60分には飛び出した東口が処理を誤り大ピンチを迎えましたが相手のミスに助けられました。

前半の攻撃がダメで後半が良くなっているのは、芝生の状態のせいのようにも思えます。向かって右側の方は明らかにグラウンダーのパスの通りが良いピッチ状態です。

2点目がなかなか奪えずに時間は過ぎていきます。どこかで目をつぶって総攻撃にならざるを得ないですが、まずは71分にパトリックからレアンドロ・ペレイラにスイッチ。

ウェリントン・シウバや川﨑をどこで入れるか、ということですが、総攻撃なら85分くらいからでしょう。それまでに勝ち越せていればもちろん良いのですが。

と思っていたら77分にその二人が矢島と宇佐美を下げてピッチに投入されました。かなり早めのベンチワークですが、このメンバーだと前線に入れて後はお任せになりそうです。

79分にはシウバから受けたペレイラが切り込んでシュートもポスト直撃で決まらず。

85分あたりから三浦を上げてパワープレイに出ましたが、88分にその裏を突かれて全北現代に勝ち越し点を与えてしまいました。これで1−2。

これでまた2点が残りわずかな時間で必要な状況になりました。さらにパワープレイを仕掛けるものの何も出来ずに試合終了。久し振りのACLは後悔と無念とみっともなさが残った結果となりました。

はっきり言うと、この試合での先発にも交代にも疑問です。このACLで不調の宇佐美と井手口を先発させたこと、唯一の得点源でもあるパトリックを早めに下げてパワープレイに使えなかったこと、中盤でボールを出せる矢島をボランチで使う時間が短かったこと、大事な試合での3バックにこだわり過ぎたこと。

そうは言っても79分のペレイラのシュートが決まって逃げ切れていれば称賛されていたでしょうから、結果論に過ぎないのですが。

6試合での総括でいえば、グループ3位のチェンライユナイテッドに2引き分けだったことが、今のガンバ大阪にはグループステージを通過する資格が無かったことを証明しています。そこで勝っていれば全北現代相手に2引き分けで良かったのです。

6試合全てで得点は出来たとはいえ、無失点が初戦のみだったのですから、このACLでの松波ガンバは守備に問題が明らかにありました。そこの対策を取らないと、日本に戻ってからの過酷な残留争いで生き残れません。

もっと根本的なことを言うと、昨年J1で2位になった守備的な宮本ガンバでこのACLを戦ったらどうなるかも見てみたかったです。無理に攻撃的にシフトして崩壊したのがもったいなかったです。そこまで言うと、結局はシーズンオフの強化方針にケチを付けることになります。

何を言おうと今日のガンバはACLでの敗者であり、これからはJ1の残留争いを最優先にすることになります。やれる選手、戦える選手が少なすぎる気もします。とりあえずはサイドバックの補強は必須なのではないですかね。藤春が抜けた後のフォーメーションと戦術の選択肢が狭すぎます。

結局、Jリーグでの調子がそのまま現れた6試合の結果なのだと思います。川﨑はおそらく全勝、名古屋がそれに次いで堅い試合をして、セレッソもちゃんと突破出来ています。事情はあったにせよ、J1降格圏のチーム「らしい」結果となってしまったのが残念でなりません。

また、チームの組み立て直しですね。7月17日(土)のアウェイ福岡戦までに出来れば良いのですけれど。

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