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自己責任のタバコ摂取

従来の紙巻きタバコは何がどう有害かということがほぼ分かっています。肺がんとの関連性については未だにあれこれ言われていますが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のような病気はタバコの喫煙が原因で起きることは確実視されています。

もちろんニコチンそのものも自体にとっては強力な有害物質であることは間違いありませんが、「燃やす煙が出ない」「ニコチンを含まない」ような水蒸気タイプの電子タバコであれば紙巻きタバコよりも体には悪くない、と思われがちです。

紙巻きタバコは昔からあることもあり、また被害があるという社会的なコンセンサスもあるので、広告、パッケージ表示、販売方法、利用可能年齢などで色々な法規制がかけられています。

一方で電子タバコは登場がまだ新しく、健康被害に対する報告がまだ少ない事もあって規制がゆるくなっています。そんな中、電子タバコも野放しになっていることに警鐘を鳴らす研究を伝える記事がありました。

電子たばこも無害ではない、心臓血管系に影響 米大研究
https://www.afpbb.com/articles/-/3253775
米オハイオ州立大学(Ohio State University)のローレン・ウォルド(Loren Wold)氏は論文の中で、「電子たばこには無害な水蒸気の他に、ニコチンや微粒子状物質、金属物質、香味料が含まれている」と指摘。「大気汚染に関する研究によって、(空気中の)微粒子は循環血液に入り込んで直接、心臓に影響を及ぼすことが証明されている。電子たばこに関するデータも同じ方向を示している」と述べている。

水蒸気は煙よりはそりゃ害はないですが、電子タバコはただの水蒸気を吸うものではありません。様々な香り・味付けをしています。また、水蒸気を生成する機構そのものからも様々な物質が水蒸気に紛れ込んでいるのだと思いますが、怖いのはどんな有害物質が含まれているのか明示されていないことでしょう。メーカー側ですら把握していないのかも知れませんが、法的規制が無いのであれば野放しになるのも当然でしょう。

いずれは被害が積み重なって何らかの規制がかかるのでしょうが、それまでは利用するべきではない、というか規制がかけられるようならそれはそれで利用するべきではないでしょう。

これはあくまでアメリカでの話とは言え、日本でも電子タバコは売られています。コンビニでよく見かけるiQOSやgloなどは「加熱式」タバコであって、電子タバコではありません。加熱式タバコは紙巻きタバコと同じタバコ葉を使っています。燃やさずに加熱して上記に含まれるニコチンを摂取する仕組みです。結局ニコチンなので加熱式タバコも従来の紙巻きタバコ同様、ニコチンによる害はあります。

電子タバコはニコチンを含まないから安全、という印象を受けてしまいますが、安全か危険かよく分かっていない、と言った方が正確でしょう。

日本よりも電子タバコの普及が進んでいるアメリカなどの各種ニュース記事を読む限り、水蒸気だから安全とは必ずしも言い切れない、ということです。

法律に違反していない限り、吸いたい人は電子タバコだろうが加熱式タバコだろうが紙巻きタバコだろうが勝手に吸えばいいと思いますが、あくまで何を吸うか、吸った事による健康被害については自己責任だ、ということを認識していればいいのですが。

健康被害を受けた後に、危険性が指摘されていなかった、という非難をしても、例え賠償金をもらったとしても、失った健康は戻ってこないでしょうから。


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