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日本料理食卓作法講師を目指して

第21回 日本料理食卓作法講師認定セミナーを明治記念館で、
講師認定試験をKKRホテル東京で実施しました。

「和食」が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、世界からも関心が集まる日本料理。その伝統的な食文化や歴史、食卓作法を学び、担い手として日本料理食卓作法講師認定資格を取得する為に、各地の旅館、ホテル、レストラン、学校などにご在籍の45名の方が6月11日開講のセミナーに参加、37名の方が7月23日に実施した試験に臨み、今年も33名の認定講師が誕生しました。第1回の認定試験が行われたのが1994年。これまで1,107名の認定講師が誕生し、全国各地で活躍しています。


6/11明治記念館でセミナーを実施

知識を深める特別講話

当日のセミナーは座学と実際に会食しながら学ぶ実践編で構成され、はじめに大竹 重則委員が登壇し「テーブルマナー講師としての心構え」から始まり、福田 佳織委員から「日本料理の歴史」をしっかりと学んでいただきました。

大竹 重則委員
福田 佳織委員

実践編で本質を身に付ける

午後の部では佐々木 寿美子委員による実践セミナーを行ないました。
実際に明治記念館のお食事をいただきながら、日本料理の食卓作法の
本質を体感していただき、実践的なスキルを習得していただきました。

佐々木 寿美子委員

~当日のお献立~

<前菜>  
・栄螺黄金焼き 博多燻鮭 海老手綱寿司
・鶏アスパラ巻 琥珀羹
・合鴨牛蒡巻き 丸十レモン煮
<お椀>  
・相並吉野 菖蒲野菜 若草豆富 オリーブ素麺 白舞茸 柚子
<造り>  
・鮪 縞鯵 青利烏賊 花穂 蓮芋 紫芽 山葵 醤油
<焼物>  
・太刀魚山葵焼 丸芋鍬焼き 蛸柔らか煮 矢羽根南瓜 葉生姜
<煮物>  
・青豆饅頭 菖蒲麩 鶏そぼろ 彩り餡
<揚物>  
・海老糝薯香り揚げ 白海老米粉揚げ 晒葱 青唐 柚子七味 霙美味出し
<温物>  
・嶺岡蒸し 枝豆 赤パプリカ 銀餡
<酢の物> 
・薫鮭砧巻き 蛇腹胡瓜 若芽羹 防風 土佐酢
<食事>  
・白飯
<留椀>  
・赤出汁 豆富 なめこ 三ツ葉 山椒
<香の物> 
・二種
<水菓子> 
・きなこプリン 季節の果物洋酒ゼリーかけ セルフィーユ

この講義では、自身が登壇した時のイメージを膨らますことができ、また利用者としての感覚を自然と身に付けることが出来る貴重な時間。午前中の講義の反復と、この後に続く講義も具体的な形となって習得することができます。

講師としてのバックボーンを培う

食後の講義では、飴善 晶子委員による「テーブルマナー講師としての知識」、「講師としての伝える力」と続き、晴れて認定講師となった際に必要な事柄をしっかりと身に付けていただきました。

飴善 晶子委員

受講・受験者の声

<受験を決めたきっかけは?>
レストランサービスのプロフェッショナルを育成するために、社内ではスタッフ向けに飲食に関する講座やコンテストを数多く開催しています。
提供、サーブの技術向上だけでなく”マナー講師”の育成も必要であろうと、上司に背中を押して貰いました。
美味しいものを食べれば、お腹が満たされ幸せですが、正しい作法やその御料理の背景を知れば、さらに心も満たされると思うのです。
スタッフだけでなく、地域の子どもたちにも伝道する役割を果たしていきたいと考えています。(伊波)

<セミナー受講の感想は?>
講師として備えなくてはならない知識量に圧倒されました。
日本料理店でマネージャーをしておりますが、初めて聞く言葉も多く、メモを取るのに必死でした。
日本の歴史や文化風習など、意味や背景を学んだことで、料理を提供する際の説明に深みが出たことを実感しています。(仲里)

<試験受験に向けてどのような準備をしましたか?>
社内で新入社員向けの日本食テーブルマナー講座を開催し、仲里さんと2人で講師を務めました。所作を確認しながら、準備~開催したことで、セミナーで教えて頂いた知識を深めることができました。
筆記試験の準備では、テキストを読み進めながら、分からないところを調べ、ポイントとなりそうな個所をまとめました。難しい漢字も多く、読み書きに苦労しました。(伊波)

<資格取得を目指す方へメッセージをいただけますか>
資格を取ることは目標ですが、それに向けて知識を習得し、お客様へのパフォーマンスを高める事が最終目的です。仕事をしながら勉強することは大変ですが、学んだことを実務に活かすことができるチャンスでもあります。
奥深い日本料理の世界に是非、足を踏み入れてください。(仲里) 

7/23KKRホテル東京で試験を実施

講師認定試験について

7/23、前日に東海道新幹線が運休、全国的な酷暑となりましたが、各地から37名の受験者がKKRホテル東京に集まり、今年も新たに33名の日本料理食卓作法認定講師が誕生しました。

今回合格した皆様には、30年の歴史ある認定講師の合格バッチを胸に、
食卓作法の担い手としてご活躍いただけることを期待しています。

*第21回HRS日本料理食卓作法講師認定試験合格者リストは、2025年春発行予定のHRS会報誌に掲載を予定しています。

*次回、第22回HRS日本料理食卓作法講師認定試験の詳細は、2025年4月にHRSホームページで公開を予定しています。

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