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職業アスリートは深夜2時に親子丼で優勝した

石塚晴子です。このタイトルにはちょっと続きがある。
「職業アスリートは深夜2時に親子丼で優勝したあと睡眠薬のんで寝た」。

5/15公開の文化放送「Tracktown JPN」にゲストとして出演した。

私がTwitterで「3日は声を発していないので、家で突然一人で『ア!』というなどしている。」とアホな呟きをしたところ、声出しに来てくださいと主宰の西本さんが誘ってくださったのだ。ありがとうございます。

私はこの状況下で生活リズムが滅茶苦茶なこととか、アスリートのポジティブメッセージやトレーニング紹介動画は今や飽和状態であり、
自分自身活動をしながらもそれらが本当に人の為になっているのか疑問を抱いている、といった話をしてきた。

その後西本さんが「今一番人の共感を得られるのって、そこはかとない不安だと思うんですよね」とコメントをしていた。

情報との距離感
「ネガティブなニュースばかり見ていると気が滅入るので、そういった情報からは適度に距離を置きましょう」と専門家も話すのと同様に、ポジティブなメッセージとも私たちは上手く距離を取るべきだと思う。
例え情報自体がポジティブな性質なものであっても、それを受け取った側の心に負の感情が湧くのであれば、それはいい影響とはならないからだ。

この状況下では、どの職どの立場に置いても、そしてアスリートもこうなりやすいと感じる。
「インハイ中止自分語り論争(勝手に名付けた)」が起こったのも、ポジティブ成分をポジティブとして受け取れない人が一定数いることを物語っていた。

(補足:インハイ中止自分語り論争とは、新型コロナウイルスの影響で高校総体の中止が決まった直後から先輩アスリートの励ましの投稿がSNS上で増加し、中にはその内容に対して「単に自分語りなのではないか」という指摘も同時に起こったという一連の流れを指す)

カニも縦に歩くかもだけどさ
家にいる時間が長いのと元々夜型だったのもあり、4月ごろからどんどん生活リズムが崩れていった。
昼まで寝る。昼まで寝たのにまた昼寝する。そしてこういう時はたいてい変な夢をみる(この前はミニオンのシールが顔からどんどん剥がれて出てくる悪夢を見た。どんな夢や)。
夕方から一気に用事を片付けて布団に入るが眠れるはずもなく、テンション上がってないタイプのオールを数回やらかしてしまった。

元々決まった時季や目標に向かって頑張る性質の生き物なのに、それらが無い中で今まで通り頑張るというのは、カニに向かって縦に歩けと言ってるようなものだ。
正直カニは今思いついたけど、そんなような話をマスクとビニールの壁越しにお医者さんと喋って、睡眠薬を貰って帰ってきた。

猫の毛づくろいそして親子丼
でも不思議なことに、スイッチがいつまでも入らず夕方から活動していると、「自分はだらしない奴だなあ」と嫌になりつつもそれをすごく自然に感じている自分がいる。

そのことに気付いた私は親と電話中に「猫って毛づくろいするやん。あれって猫が動揺してるときに、落ち着いてるフリしてやるんやって。
私にとったら朝に散歩することって、猫の毛づくろいと一緒やなって思ってん。去年陸上休むって決めた時も、こないだ朝まで寝れんかった時も、何故か朝から散歩に行ったんよ。
そんくらい不自然で、非常事態にやる事やねん。」と謎の夜型自論を展開したのだった。

そしたら開き直って若干気が大きくなったので、その後深夜2時に親子丼を作って食べてやったら、これがまた物凄く美味しくて、思わず「うま!!」と言ってしまって、このnoteを書こうと思った。

優勝後の感想
アメリカでの練習が超楽しくて調子が良くなってただけに、私はその落差も大きくて耳キーンなって落ち込んだんだろうなとか、周りの選手に聞いてみたら案外みんな似たようなことで悩んでたりして、ホッとしたりとか。

自分はクソ真面目でかつ小心者だなーと思ったりするのだった。

ポジティブなものを否定するつもりは全くない。しかしこのnoteにポジティブ成分は含まれていない。
でも今は、そのまんま受け取らなくても良いと思う。

それはどちらの意味でも。

(ヘッダー画像:優勝時の親子丼)

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