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【最終報告書】仕事の時間管理術を使えば生産性は上がるのか? そしてスキルアップや収入アップはできるのか? #研究報告書

こんにちは、7歳と5歳の姉妹を育てる「兼業主婦ライター」のマユナです。
2021年6月から「新しい働き方LAB」の「研究員制度」の第1期生として参加しています。

今回の記事は研究員として取り組んでいた「私の働き方実験」のゴールである【最終報告書】です。

◆実験の目的と背景

私は在宅でフリーランスとして働いていますが、現状は家事、育児と仕事に追われ、時間にも心にも余裕がなく、依頼される案件をこなすだけで精一杯の日々です。

しかも子どもたちは小学2年生と幼稚園の年長。
働く母にとって必要不可欠なはずの学童保育や幼稚園の預かり保育は諸事情(コロナ禍と開業届を出していない)により利用できない状態です。

納期が迫る月末には子どもたちを放置しがちになり、構ってほしい子どもたちは私の周りをウロウロ、私はイライラ。
そのわりには時給換算すると外に働きに出た方が稼げるような、安い収入しか得られていません。

自分の仕事の仕方を見直さなければ。

そこで思いついたのが集中力を上げるための「時間管理術」でした。

試しに数日間、生産性が上がることで有名な時間管理術「ポモドーロ・テクニック」を実践したら、確かに集中できるかも!?と感じたのです。
そこで、この方法を定着させればもっと生産性が上がり、効率的に作業ができるのではないだろうかと考えました。

◆検証したいと思っていたこと

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実験のテーマは…

「仕事の時間管理術を使えば生産性は上がるのか? そしてスキルアップや収入アップはできるのか?」

前の章で述べた通り、限られた稼働時間しか取れない「在宅ワーカー兼業主婦」である私が「時間管理術」を実践すると、生産性やスキルが上がり、収入アップするのかを実験する計画を立てました。

そして、主にライティングやサイト運用などのクライアントワークと、スキルアップのための勉強の2つで実践しました。

◆研究活動の概要

<当初想定の活動概要>

活動の概要は以下の4つのステップで行う予定でした。
以下は「【研究計画書】仕事の時間管理術を使えば生産性は上がるのか? そしてスキルアップや収入アップはできるのか?」より抜粋です。

① 時間管理術「ポモドーロテクニック」と「15・45・90の法則」を実践したときとそうでないときの3パターンを実験
② 資格取得やスキルアップのための勉強にも有効かを実験
③ 子どもにも時間管理術は有効なのか
④ 各パターンのデータをまとめ、ワークライフバランスまで評価して結論を出す。

<実際に行った活動概要>

結局、クライアントワークと資格取得のための勉強をするのにポモドーロ・テクニックを実践するということに留まりました。
これは、多忙のため実験開始が8月下旬からになってしまったためと、「15・45・90の法則」を上手く自分の生活や仕事のパターンに組み込むことができなかったためです。
(変更箇所を太字にしています)

ポモドーロテクニックを実践したときとそうでないときの2パターンを実験

ポモドーロ・テクニックは「25分作業・5分休憩」を繰り返すサイクルを最大4回続けるというものです。
4サイクルやった後は、少し長めの休憩を取って次の作業に脳を休ませると良いとされています。

なぜ「25分」なのかというと、ポモドーロ・テクニックの生みの親であるイタリア出身のコンサルタント、フランチェスコ・シリロ氏が集中力が持続可能な時間や回数などを研究し、人間にとって最大限の生産性と効率性を引き出せる時間が「25分+5分」であることを突き止めたからだそうです(※注)

(※注)ポモドーロ・テクニックについてのわかりやすい解説は「ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた」(ニューズウィーク日本版ウェブ編集部)をご参照ください。

このポモドーロ・テクニックを実践して作業をした場合と、集中力が途切れたときに適宜休憩を取った場合の2パターンを試し、作業時間と報酬、そして自分自身の体感を記録しました。

資格取得のための勉強にも有効かを実験

前から興味があった「整理収納アドバイザー」の資格を取得しようと、今年の春頃から通信教育で勉強を始めていました。
けれどもなかなか学習時間が取れずに課題が進んでいなかったので、すきま時間ではなく子どもが寝た後の夜に週3回、ポモドーロ・テクニックを使って勉強することにしました。
他のスキルアップのための学習時間はまとまって取れませんでした。


子どもにも時間管理術は有効なのか→失敗!

研究員の任期がちょうど子どもの夏休みとかぶるので、長女も一緒に実践して宿題をやらせようとしたのですが、次女の邪魔により、長女は25分すら集中できませんでした!

◆結論と根拠・気づき

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<結論>

作業内容によるが、ポモドーロ・テクニックは集中力・生産性をあげることが概ねできた!
クライアントワークも資格のための勉強にも有効である。

<根拠>

まずスキルアップは成功!
「整理収納アドバイザー準1級」の認定を受けられることができました!
(2級と準1級は通信講座の課題を提出し、合格基準以上の点数を取れれば認定されます)

8月下旬~9月下旬までの1ヶ月間で週3回、勉強する際は毎回ポモドーロ・テクニックを実践して最低でも25分勉強・5分休憩を2サイクルは取り組みました。
最低でも2サイクルはやると決めたことで、1日の学習時間が合計50分以上と長めに確保できたことも理由の1つだと考えられます。

春頃~8月上旬までの約4ヶ月間、「すきま時間でやる」という名目で気の向くままにダラダラと、日によって時間もバラバラの勉強時間だったときに比べて、明らかに効率が上がったことを実感しました。

次にクライアントワークに関しては生産性と収入は微増でした。
ポモドーロ・テクニックの実践が遅れたため、しなかった9月と実践した10月の作業時間と報酬を数値化して、以下にまとめました。

9月
作業時間:62時間18分
報酬 61,700円
(時給換算:約992円)

10月
作業時間:77時間36分
報酬:81,125円
(時給換算:約1,045円)

このように、作業時間、報酬、時給換算が全て9月より10月の方が上回っています。
時給換算が上がったのは、効率アップしたことによるものもあると考えられます。

25分以内で区切りがついた作業もあり、全ての作業でポモドーロ・テクニックを実践した訳ではありませんが、10月は明らかに集中して作業ができていたという実感はあります。

<そこから得られた気づき>

上記の結果から、

・資格の勉強では「すきま時間」を利用するよりもポモドーロ・テクニックを実践した方がはかどる。
・ライティングに関わる作業(リサーチ・構成・執筆・推敲など)とは親和性が高い。

という2つの気づきを得ました。

資格取得のための勉強は、まとまって1時間以上取れる場合は有効な手段。
通信教材の宣伝文句によくある「すきま時間で資格が取れる」は嘘ではないと思いますが、短期間で集中して学習した方が効率は良かったです。

ライティングは集中できるかどうかで効率がかなり変わるので、何かしらで集中できる方法を習得したいというのが、ライティングの案件を受注してからずっと課題でした。
マルチタスクをやらない、25分作業をしたら必ず休憩を取るというポモドーロ・テクニックとは相性が良いと感じました。
この5分の休憩があるからこそ、次の25分間の集中力へ繋げられるのです。

◆研究に関する考察・これから

<考え方・価値観の変化>

まず「集中する」ということについて真剣に考えたことがなかったので、集中して作業を行うにはどうすればいいのかと向き合う事自体が新鮮でした。

次に作業時間(どのタスクに何時間かけたかまで)のデータを取るために作業ログアプリで記録し、時給換算や効率化についてを考えはじめるきっかけになりました。

<具体的な成果・働き方への影響>

具体的な成果は以下の通りです。

・資格の勉強とライティングという、私が行ったメインの作業はポモドーロ・テクニックとの相性が良いことがわかった。
・作業時間や報酬をデータ化することにより、案件ごとの生産性やタスクごとにかかる時間が見えてきた。

時間を区切って集中するということが身についたので、時間を大切に使うようになったと感じています。
また、今まではなぜか「休憩する時間すら惜しんで作業しなくては!」と強迫観念のようなものがありましたが、25分作業した後は無理やりにでも休憩することになるので、休息を取ることへの罪悪感がなくなりました。

そして研究を進めていくうちに、だんだん「稼働時間が短いから集中して作業をするにはどうすればいいか?」から「私にとってのワークライフバランスとは?」という大きなテーマを考えるようになりました。
なんと、働き方への意識が変わっていったのです!

<これから>

ポモドーロ・テクニックを上手に取り入れて、今後もライティングなどの作業に活用していきたいです。
他にも生産性アップになりそうな時間管理術について、自主的に研究していきたいと考えています。

◆全体振り返り

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ここまでは研究テーマであった「仕事の時間管理術」についての考察を長々と書いてきました。

しかし正直言って、ポモドーロテクニックで生産性が上がったことによる成果は、私のなかではわずかな実感しかありません。
「収入が倍以上になって、経済的に自立できるようになった!」という結果ではないのですから。

それ以上に得たものは、研究員として働き方実験をするからには成果を出そうと思って試行錯誤した経験と、自分自身に上昇志向があると気づいたことでした。

昨年、ランサーズブートキャンプに参加して、ラッキーなことに認定ランサーになれて満足していたはずが、いつのまにか整理収納アドバイザーの勉強をし、SNSマーケターブートキャンプと取材ライターブートキャンプに参加して、新規案件を獲得していたのです。

これは研究員として活動するなかで、ともに頑張る仲間と出会い、いろいろなセミナーやイベントに参加したことが大きく影響していると考えられます。

最低限の収入、最低限の人との関わりでいいや…と思って生きてきた私の人生において、これまでにない経験です。

今後もしばらくは育児との兼業が続くので短い稼働時間でやらざるを得ません。
しかし、自分なりのワークライフバランスを実現して上昇志向は持ちつつ、無理のない働き方を追求していきたいと思います。

最後に、新しい働き方LABの運営の皆様、私と関わりを持ってくださった研究員の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました!

今後も何らかの形でコミュニティが続いていくことを祈って、最終報告を完了とさせていただきます。


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