炎は再び燃え上がる

先週の土曜、朝ドラ「スカーレット」が最終回を迎えた。
私は視聴歴が長いだけのゆるい朝ドラファンなので、感情の備忘録程度に書き残そうと思う。

まずOPの曲、というか2019年は総じて朝ドラっぽいかつ非常に覚えやすい曲たちがOPを飾ってくれてたなと思う。
Superflyには愛媛(志保さんの出身地)が舞台の時に曲書いてもらいたかったなーとちょっと残念な気持ちだったが、歌詞も聞き取りやすく、朝に合うさわやかさで、覚えやすさも1週間で鼻歌レベルなら歌えるようになった。あとOPの映像が可愛かった。
主人公歴史が完結に描かれているのだが、【1人(主人公)→子ども時代(主人公1人+親友2人)→1人(大阪住み込み時代の主人公)→信楽帰省(主人公1人+親友2人+1人)→信楽焼き】という映像の流れ。最後4人になるけど4人目誰だよ…と結構疑問だった。個人的候補→草間さん・溝端医者・ハチさん・息子など(まぁ流れ的にはハチさんで間違いなさそうだが。)

そして話。朝ドラって子供時代に目標が見つかる→努力する→成功→余生は家族に囲まれて幸せENDで終わることが多い。(特に最近のBKは、完全オリジナル話は少なく、ノンフィクションを脚色していい感じに終わらせる話が多かった。)が、今回の朝ドラは、主人公の毒親だわ離婚するわ子供最終回に亡くなるわで最後主人公は1人になってしまった。
でも私たち視聴者はバッドエンドと感じなかっただろう。彼女は家族に囲まれて幸せENDではないが、果たして不幸せだろうか。
実際のモデルになった方のことはわからないが、ハチさんは離れていてもつながっている、親友はしょっちゅう家に来てくれる、妹は親友の家に嫁いで幸せにやっていそう、便りを送れば来てくれる人たちがいる、息子は亡くなってしまったが、彼が残した作品がある。そして何より主人公には陶芸という世間との繋がりがある。彼女は全然1人ではない。

作中、日常の小さな奇跡はあったかもしれないが、大きな奇跡は起こらなかった。でも人の一生ってだいたいはそんなものだろう。大事な出会い、小さな出会い、小さな別れ、大きな別れ、この作品は本当に1人の女性の生涯が描かれていた。芸術家として成功した主人公の話と言えば、一般の視聴者には非日常に聞こえるかもしれないが、そこからでも漂う平凡な日常が、視聴者に受け入れられたのではないかなぁと思う。

ラストシーン、
また幸せの欠片を作るべく、炎は再び燃え上がった。