それ、採用課題じゃなくて、コミュニケーション課題かも！？”目的コミュニケーション”の必要性

こんにちは。今週も更新がんばります！

先週の記事の中でチームや組織として活動をする中で、マネジメントの中でアメリカの経営学者のバーナードさんの組織成立の３要件である「共通の目的」「コミュニケーション」「貢献意欲」のことを書いたのですが、今日はその辺りを少し掘ってみようと思います。

私は先週の記事のように、社外パートナーとして、クライアント企業の人事領域の支援を行っている立場として、自分が使う言葉と相手が使う言葉の定義が異なることが前提で、まずそのすり合わせや定義づけを行い、活動を通じてていねいに共通の認識を持つことを意識しています。

と言うか、それを意識して整理しておかないと、伝えたつもりなのに伝わっていないなどのコミュニケーションロスが発生してしまい、その結果、実務を行うメンバーの皆さんに無駄なリソースをかけてさせてしまう恐れがあります。その無駄を発生させないために、先んじて何を共有し、どう動いてもらうのか？を考えるようにしています。

でも、改めて思ったのですが、これは良い意味で社外の立場でフラットだから意識できていることなのかもしれないな、と感じています。

思い返してみれば、私も雇われて組織に所属してマネジメントの役割を担っていた時は、悪い意味で、言わなくてもわかるよね？汲み取ってくれるよね？的な阿吽の呼吸の気持ち良さを求めて、コミュニケーションをサボっていたよな・・・と反省。。。社内の場合は、立場上でマウントを取れてしまうこともあって、部下は上司の意向を汲み取って、1から10まで指示をしなくても素直に動いて欲しいと、身勝手に思ってしまうもので、それは今となっては甘えだったよな、と感じています。

社外人事として、組織の課題をお伺いする中でよく聞く話の一つに「社員が受け身だ！」とか「当事者意識が低い！」の流れから、「もっと前向きで積極的な人を採用したい！」という採用課題に落とし込んでこられるケースがあります。もちろん社員の方の適性の要素もあると思いますが、受け身な人が多いのは、最初からそうだったわけではなく、受け身になってしまったのでは？と疑った方が良いと思っています。

その他にも、社員の「視座が低い！」「成長意欲が低い！」「改善提案がない！」「言ったことしかやらない！」などの話も同様だと思います。これらを自分たち側の改善に都合良く矢印を向けることなく、採用課題だけにして、採用マーケットに都合の良い人材を求めていることが往々にして良くあって、結果的にずっと採用難で困っているという負のスパイラルにハマるんですね。企業の採用環境も厳しくなっているので、尚更です。

このような話を聞くと、「まず、矢印を向けるのは自分ですよ」ということになり、採用課題で話を聞いていたことのほとんどが、掘っていけば、組織課題が根本的な要因だったりすることが多いわけです。その中でも、経営と現場、部門/セクション間、上司とメンバーなどの狭間で発生しやすい、マネジメントにおけるコミュニケーションが上手く機能していないことがとても多いと感じています。そのため、余計な軋轢や齟齬などを発生させ、それぞれが狭い領域の中でタコツボ化し、どんどん受け身になっていくようなことが起きているのでは？と。

ここで大切にしたいのが、冒頭にあった組織成立の３つの要素である「共通の目的」「コミュニケーション」「貢献意欲」。個人的な解釈としては、これに順番をつけるのであれば、

１：共通の目的（最上位）
　　↓
２：コミュニケーション
　　⇅
３：貢献意欲

になるのではないかと思います。共通の目的は、組織やチームにおける理念やビジョンのこと。「〇〇を目指そう！」「〇〇をできるようになろう！」と掲げ、みんなで追いかけるゴールです。何に向かって、力を合わせるのか？ってことですね。

その設定があるからこそ、そのゴールに行くためにはどうしたら良いか？何が必要か？などの建設的なコミュニケーションが生まれ、「じゃあ、私は〇〇しますね！」「〇〇さんは、◆◆を担当してもらえますか？」といった組織の機能分化や役割分担が生まれてくるものだと思います。

「社員が受け身だ！」→「もっと良い人を採用だ！」と新規人材採用に飛びつく前に、まずは足元を。組織活動において、背景を共有して同じ景色を見ようとしているか、そして、同じゴールを目指すための”目的コミュニケーション”を取っているか？その上で、社員やメンバーの自発性に着火させる促しができているか？といった、マネジメントにおけるコミュニケーションのあり方を見直してみても良いかもしれません。

今日はこの辺で。