誰かを助けるための頑張りが、自分のキャリアの助けになる〜ストックマーク株式会社高橋さんのキャリア〜
人事のキャリアについて深掘りするメディア「HR CAREER LAB」では、日々同じように頑張る「社外のライバル」や「一歩キャリアの先を行く人」の歩んできたキャリアの体験談を紹介しています!
今回は、ストックマーク株式会社HR、高橋 祐太さんにこれまでのキャリアについてお伺いしました。
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インタビュイーのご紹介(高橋祐太さん)
日本式の「就活」に苦しんだ経験から踏み出した人材業界
学生時代は、就職活動を誰よりも早く終わらせたいと思い、いわゆる「解禁日」より半年以上前から就活を始めていました。みんなの就活が始まる頃に自分は就活を終わってる、みたいなのがかっこいいなという曖昧な気持ちで動いていました。
元々10歳頃まで海外にいたこともあり、みんなが同じような黒スーツを着て同じような髪型にする、いわゆる"日本の就活"に対して違和感があり、それを全部破ってストライプの色シャツにカラーなネクタイに長目の髪型という自分のスタイルを貫いていました。「そういった個性も含めて選んでくれる会社があるだろう」と思っていました。
また最初は外資系の会社を業種等気にせずに片っ端から受けていました。企業研究も十分にせず、兎に角数え切れない会社の選考を受けましたが、全て落ちてしまい、結局4年生の8月になっても就活が終わりませんでした。
ちょうどその時期に、人材系の企業で働いている先輩に会う機会がありました。その際、服装や髪型、エントリーシートの書き方や志望理由の伝え方など、一つひとつ丁寧に就活のノウハウを教えてもらい、その教えてもらったノウハウに従って就職活動をすると急にうまくいき始め、内定をいただくこともできました。
自分の就活が上手くいかなかったことから「もっと企業・個人双方にとって上手くいく採用方法があるんじゃないか」と考えるようになりました。特に学生側が個人の能力よりも「就職活動」の上手・下手で今後のキャリアが決まることに違和感を持ち、人材会社への就職を決めました。就職先が決まったのは、4年生の11月頃、結構ギリギリでした。
本業の悩み・週末のキャリア支援から見えた自身の介在価値
入社後は、人材派遣の法人営業の部署に配属になりました。出だしは上々で最短受注も取れたのですが、その後はなかなか上手くいかず、1年程で部署異動になりました。派遣で仕事を探している方に求人を提案する部署になり、そこからは楽しく過ごしていました。候補者の方と求人を上手くマッチングさせることで、成果も出せていたと思います。
一方で、どうしても派遣社員の方のマッチングは、企業が提示する時給や仕事内容等の「条件」でのマッチングになりがちで、個人の方の志向やキャリアを汲んでのマッチングの機会があまりなく、自分が介在価値を提供できていないという悩みが芽生え、もう少し価値観等のマッチングにも挑戦したいと思っていました。
そこで、当時流行っていた「Matcher(マッチャー)」という先輩訪問のプラットフォームに登録し、業務外で趣味として学生のキャリア相談に乗り始めました。週末はほとんどキャリア相談に費やして、カフェで1日3-4人の相談に乗っていました。自分が就活で苦労したという原体験もあり、学生の力になりたい気持ちでやっていましたね。
そうして相談に乗った学生さんが希望した進路を叶えていくのを見て、改めて個人のキャリア支援を仕事にしたいと思うようになりました。また、最終的に70-80人ほどの学生さんの支援を行い、Matcher上の学生さんからの評価もほぼ満点だったことで「学生のキャリア支援では自分の介在価値が出せるから、本業にしても大丈夫だ」という自信もつき、新卒の学生向けの人材紹介の会社へ転職しました。
エージェントとしての介在価値に悩み、企業に寄り添う採用支援の道へ
転職先は、広告・PR・デジタルマーケティング業界に特化したHRのベンチャーでした。新卒紹介事業部に配属になり、人材紹介や説明会代行、新卒採用イベントの企画・運営などを担当しました。業界特化型の媒体で、選りすぐりの求人があったので、学生の方の叶えたいキャリアを支援するのはイメージ通りやりがいもあり楽しい仕事でした。
一通り新卒向けのサービスを経験した後、転職活動をしている中途の方にもマッチングを届けてみたいという思いが芽生え、中途向けの転職エージェントサービスに希望して異動しました。広告業界だとどうしても大手に転職者が集中してしまうので、スタートアップにも必要な人材をマッチングできるようにしたいと思いでスタートアップチームにも携わったのですが、知名度のないスタートアップが候補者に選ばれるためにはブランディングが必要だと感じました。そこで、採用支援のスタートアップであるHeaRに転職を決めました。
フィールドセールス→インサイドセールス→マーケティング→採用コンサルタント 会社に貢献するために軸を変え続けて
HeaRに入社を決めたのは、会社のミッションに共感したことと、同世代で優秀な人たちが集まる環境だったことが大きな理由です。10名ほどのスタートアップで、ミッションやビジョンはあるけど事業としてはまだまだこれからという環境だったので、自分の強みであるHRの領域で、自分が会社に影響を与えられる規模で働けるという点も自分にとっては魅力的でした。
HeaRではフィールドセールスとして入社した後、色々な職種を経験することができました。最初は商談を担当していましたが、そこから商談数が足りなかったのでインサイドセールスを兼任し、インサイドセールスのリードが足りなくなったのでマーケティングに軸を移し、マーケティングの専門の人に引き継いで商談まで一連の流れが改善されたことで受注後の採用コンサルタントが足りなくなったので採用コンサルタントになり、その後採用コンサルだけでは支援の限界があるということで、プロダクトを作るためにプロダクト制作の責任者も兼任しました。
採用コンサルタントとしては、採用計画の策定から媒体の選定〜媒体の運用まで伴走することもあれば、採用サイトや記事等のメディアや採用資料等の制作をすることもあり、各企業のニーズに合わせたご支援をしていました。
当時は、会社を成長させることしか考えていなかったので、自分のキャリアは一旦横に置いて「会社の成長のために、一番必要なポジションに自分を置いて欲しい」と代表にも伝えており、本当に会社を伸ばすために無我夢中な日々でした。
ストックマークで"当事者"である社内人事へのチャレンジ
プロダクトの責任者として無事にサービスをリリースした頃に、次のキャリアについて考えるようになりました。その際に、当時採用支援をしていたストックマークさんからお声がけいただき、人事として転職することを決めました。
採用の時点で、ストックマークには人事として解決すべき課題がたくさんあることがわかっており、自分が入社してすぐに介在価値を出せそうだと思ったことや、オープン&フラットなカルチャーが自分にフィットしていたことが転職の決め手になりました。また、100人規模の上場前ベンチャーの規模感や自然言語処理の技術力等、今まで経験のない環境にも惹かれました。
ストックマークに入社してからは、エンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーの採用を主に担当しています。プロダクトに関わる人材の採用ができた方が市場価値が上がるのではないかと思い、ビジネス職の採用から徐々に担当をシフトさせてもらいました。
改めて今までのキャリアを振り返ると、このタイミングで人事をやれて良かったと思っています。前職の採用支援の際に人事の仕事を分かったつもりではいたのですが、改めて人事になって誠実に業務に向き合う中で学べるものはとても多かったからです。まだまだ自分がうまくできないことも多いのですが、当事者である人事になったことで、できないことも含めて現在地をちゃんと正しく認識できたと思います。
前職でプロダクトマネージャーとして働いた経験もあるので、中期的には人事の力でよりプロダクトが成功するためにできることをやっていきたいと思います。例えば、最近は全社員と人事として1on1をして「プロダクトのサクセス状態が曖昧である」という課題から、サクセス状態を再定義するというチャレンジをしました。結論は出なかったのですが、結果として多くの議論が生まれ、良い挑戦になりました。そのような形で、これからも採用業務の傍ら、そういった人事だからできる事業やプロダクトの進化のためのアプローチについても考え続けていきたいと思っています。
誰かの助けになるための頑張りが、自分自身のキャリアの助けになる
前職の経験から事業部の知見と採用の知見を併せ持った自分が「人事・採用」をやることが、今は会社に一番貢献できる方法だと思って人事をしていますが、正直将来的にどういう職種を選んでいるか、どういうキャリアを歩んでいるかは、自分でも全くわかりません。今まで働いてきて、1年後のキャリアを想像できたことが一度もなくて、自分が思った通りにならないことが多いので、あまり考えても仕方ないかなと思っています。
最近、尊敬する先輩にキャリアの相談した時に「周りの人で助けたいと思う人を助けていった結果として、今の自分になった」という話を聞いて、よく考えると自分も同じタイプかもしれないと思いました。
「自分にできることで、誰かが助かることがあるなら、助けになりたい」という自分の原動力があり、それを分解すると「誰かの助けになる仕事がしたい」と「誰か助けられるように自分のできることを広げたい、成長し続けたい」という軸があるのかもしれません。誰かに頼られた時に、誰かの助けになりたい一心で頑張ることが、結果として自分に返ってきて、自分自身のキャリアの助けになるんじゃないかなと思っています。
キャリアインタビューを最後までお読みいただき、ありがとうございました。インタビューの後編は人事のための無料コミュニティ「ひつじんじ」にて限定公開しております。コミュニティへのご参加申請はこちら よりお願いいたします。
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