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2020年上半期読んだ本と内容まとめ【ビジネス 7冊】

2020年1月~8月までに読んだ本の感想をまとめました。【おカネ】【健康】【ビジネス】【テクノロジー】の4種のうちの【ビジネス】に関する内容の本です。数は少ないですが、厳選したオススメ本リストも作成したので、そちらもどうぞ。

7冊と少ないものの、今回は良書揃いでした。「科学的な適職」はタイトルで職選びの本だと思いがちですが、実は働き方全般を扱った本です。結構自分で工夫できる部分も多く、一生ものの本になると思います。手遅れではないものの、就活前に知っておきたかった内容が多かったです。

内容は読みにくいものの、「マネージャーの最も大切な仕事」の内容はめちゃくちゃ価値のある内容が書かれています。モチベーションの上げ方の膨大な研究の結論なので、おそらく当分は覆らないでしょう。内容は若干違いますが、読書苦手な人のための簡易版として、「世界最高のチーム」もモチベーション維持に役立つテクニックが多いです。まずはここから読むと、研究に裏付けされた最先端のマネジメントテクニックが身につくはずです。



1.悪いヤツほど出世する

タイトルはかなり煽り口調だが、英語タイトルは「Leadership BS(バランスシート)」というリーダーシップについて書かれた本。著者の次作の「権力を握る人の法則」でも書かれているが、著者としては毎回「成功者を好き嫌いで判断せずに、悪い人からも学べ」というメッセージを伝えている。本書でも成功者の共通点としてナルシスト・嘘・利害関係を持つ・自己中が示されている。ただ、マキャベリズム的に他者を蹴落とす必要はなく、そうならざるを得ない理由をちゃんと理解する必要がある。また、世の中の理想的なリーダーシップ論の成功者は非常に少ないことも知っておくべきである。


2.難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください

応用の効く便利な文を使うことで、会話嫌いを克服して一歩進もうという本。日本人が英語ができない理由は「完璧主義」にあり、便利な文さえ知っておけば、単語を駆使して会話に乗り出せると述べられている。Would you ~? May I ~? I have a problem here. 等の便利な文とジェスチャーを組み合わせれば、skype英会話上ではかなり色々な表現ができるので、精神的に楽であるというのが画期的である。あとは繰り返して経験を積むだけである。決して英語が堪能になるわけではないが、「話せるようになる」ということに特化した本。


3.科学的な適職-4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方-

「満足度」で職を選ぶという当たり前ながら今までになかった画期的な本。前作同様に研究結果が多数含まれており、体系化もされているので、非常に読みやすい。多くの人は、職業選びという重要な局面で、なぜかみんなが重要な要素を聞かずに判断をしてしまうという問題を抱えているという。また、仕事の選び方も「市場の成長性」「楽さ」等の満足度を高めない要素で選んでいることも多い。これらの間違った考え方=バイアスから逃れるために、研究結果を交えて正しい仕事の選び方を教えてくれる内容となっている。唯一解の職業を教えてくれるわけではないが、仕事という人生のほとんどを捧げているものに対して、これほどまでに曇った目で見ていたのかと気づかしてくれる本。超良書。


4.シンプルな政府-“規制”をいかにデザインするか-

オバマ政権で規制を管理する組織「OIRA」のトップを務めた著者が、保守・リベラルの対立ではなく、第三の「シンプルな政府」を提案している本。「シンプルな政府」とは、市民を上手く行動させる政策を提案する政府のことであり、そのために行動経済学を多数織り込むことを提案している。例えば、消費を増やしたいなら「源泉徴収を減らす」よりも「一度回収して返す」ほうが効果的である等のことが書かれている。タバコや保険に関しても、行動経済学が有効であることが述べられている。情報開示・費用対効果に対する考え方もシンプルで面白い。


5.世界最高のチーム-グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法-

元Google人事のピョートル氏がGoogle内での大規模な人事に関する調査について書いた本。調査により、チームの生産性と最も相関したのは「心理的安全性」であるというのは有名であるが、本書ではさらに「マネージャーにとって必要な特性」や「良質な会話の話題」等について書かれている。ただこれは、仕事進める際に意識すべき事であり、必ずしもマネージャーという立場でなくともよい。つまり、自分の中で仕事と自分の人生の価値観をすり合わせたり、ビジョンを持ったりと、個人にも役に立つ書籍である。マネジメントという確立していない分野に一本旗を立てたという点で、Googleの調査は世の中に大きな影響を与えている。


6.マネジャーの最も大切な仕事-95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力-

超大規模研究の結果から、チームメンバーのモチベーションに影響する要因を調べた本。最も影響する要因は、タイトル通り「小さな進捗」であるが、他にも「人間関係」や「サポート」等のモチベーションと相関していた要素が挙げられている。データで定量的に影響度がわかることと、実践しやすい形で書かれているので、モチベーションを高めるために今何が必要かすぐにわかる。Googleのマネジメント調査と重なる部分も非常に多く、1つずつ実践することで、最高のチームに近づくことができる。モチベーション管理が体系化されており、マネージャーは必読書。


7.PRE-SUASION-影響力と説得のための革命的瞬間-

「影響力の武器」で有名なロバート・チャルディーニの久々の新作。説得は事前の準備で既にほとんど終わっているのだという主張の内容。注意を向けさせることで選ばせる方法、例えばサイトの背景を雲に変えただけで柔らかいソファの売り上げを上げた事例や、目立っているためCEOの収入が高い例が挙げられている。もう一つが連想による説得で、政治家が犯罪に対するメタファーを”獣”や”病原菌”のように使い分けることで市民の注意をコントロールしている例や、メタファーを用いて入院しながらでも保険売上トップを得た人の例が紹介されている。これらから自分を守るためにも、ぜひ知っておきたい知識。良書。


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