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レビュー『芸術家のすまいぶり 』

素敵な本に出合ったのでご紹介。

著者の中村さんが、画家、彫刻家、陶芸家、鋳造作家、リュート奏者といった、様々な分野の芸術家のアトリエと家を訪ねています。

一番感銘を受けたのが、画家の仲田智さんの住宅。

ほぼセルフビルドで作られた住まいとアトリエは圧巻の一言。

どうやって現在の住宅ができたのかという経緯も面白く、まずはプレハブ小屋を建て、住まいとアトリエにするところからスタート。

二年半後に井戸を掘り生活用水を獲得。

次に台所小屋を建て、作業小屋と小屋を建て、小屋同士をつなぎ、軒下空間を有効活用しています。

どんどんと増殖した家には不思議な統一感があり、なおかつ、住んでいる楽しさが伝わってきます。

この本で仲田さんの住宅とアトリエをみたことがが、セルフビルドにあこがれるきっかけになりました。

著者の中村好文(なかむら・よしふみ)さんは1948年生まれの建築家。

武蔵野美術大学建築学科を卒業し、日本大学生産工学部建築工学科の元教授。

著書に『住宅巡礼』『住宅読本』など、文筆家としても活躍。

本書は中村さんならではの視点で、「芸術家」をテーマに、12のアトリエと自邸をのぞいた住宅の訪問記です。

基本的には著者の感想と体験エッセイという風ですが、著者と芸術家たちの優しいふれあいが感じられる文章。

アーティストならではの工夫や遊び心が満載で、写真をながめているだけでも楽しめます。


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