学びの本質とは 42 Tokyoの学び方
先日、フランス42 Parisの校長が、42 Tokyoを訪れました。
そこで設けられたのが生徒とのコミュニケーションの場。
その中で、42 Parisの校長が語った「42での学び方」が強く印象に残りました。
仲間と一緒に「生活する」ことの大切さ
42のスピリットは、リモート、オンラインで1人で学ぶことではない、と42 Parisの校長は言いました。
42はコミュニティが重要なので、物理的に学校に行くことを大切にしているとのこと。
「一緒に苦労しながら挑戦する」ことが大切で、「一緒にいる」ことは最も大事なことと語ります。
42 Parisでは、現在42 Tokyoで当たり前に行われている、キャンパス外でのGit Pushや、リモートでのレビューが禁止されており、キャンパスに足を運ぶことが課題クリアの前提条件となっています。
(政府から奨学金が支給されている生徒もいるため、学校側は生徒がきちんと通学・出席していることを証明する必要もあるようです)
ここでは、「コミュニティ」という言葉と、「一緒にいる」という言葉がキーワードだと思いました。
一緒にいることでコミュニティが育ち、お互いが教えあい、助け合う環境がさらに強化され、それぞれの学習が加速します。
ちなみに、42 Parisには寮までついています。
仲間と一緒にコーヒーを飲むこと、食事を一緒にすること、勉強のあとにパーティへいくこと。
こういったことで、一緒にコミュニティの"雰囲気"を作り上げることができます。
以下が42 Parisで開かれたBBQパーティーの様子で、うらやましすぎます。
こういったイベントが行われることも、特別な体験になると思いました。
実際、42で学習を始めたばかりの学生は「コラボレート」と「リモート学習」に慣れていません。
なので、リモートでの学習だけでは、1st Circleと呼ばれるカリキュラムの前半部分をクリアすることができない学生が多いよう。
1st Circleをキャンパスで学ぶことによて、他の人とコラボレートする方法や、問題解決法、独学の技法を身につけることができます。
そして、カリキュラムの後半である2nd Circleから、リモートでの学習が可能になるといいます。
現在は完全リモート(テストを受けるために、キャンパスに行かなければいけませんが)の42 Tokyoの状況も、理想としている「一緒に苦労しながら挑戦する」ことができていません。
ですので、どうやったら42 Tokyoのキャンパスでの生活や活動ができるようになるかを日本のスタッフ相談しているとのこと。
自分のこと
「コミュニティ」を大切にし、一緒に学び、教えあい、助け合うだけではなく、「学習以外の時間も大切」ということに共感しました。
「コミュニティ」ということばで思い浮かぶのが「松下村塾」です。
幕末に、現在の山口県萩市に存在した私塾で、部屋は八畳と十畳半のたったの2つ。
初代首相の伊藤博文をはじめ、短期間に、明治日本を主導した人材を多く輩出しました。
彼らは学習だけではなく、一緒にご飯を作ったり掃除をしたりと、生活の時間も共有していました。
コミュニティの大切さでいうと、現在ぼくは、一人のパートナーと一緒にminishellという課題を進めているのですが、リモートではとても難しく感じています。
というのも、なにが分からないかが分からない、という時間が多く、何を質問してよいかも分からないからです。
キャンパスで周りに他の学生がいる空間だったら、そのような状況を気軽に話せる環境なので、違うのだろうなと実感しました。
そんな「コミュニティの大切さ」はわかっているのですが、実際に毎日六本木キャンパスに通うとなると、やはりためらいます。
というのも、現在住んでいる場所からキャンパスに通うには、毎日交通費で1000円以上かかるため家計を圧迫することと、通学時間が往復で2時間ほどかかるので、時間が取られてしまうから。
いざ「通学が必須」となったら、個人的に42 Tokyoを続けられるかどうかは正直分かりません。
42 Tokyoのシステムとして「実際にキャンパスに行って学ぶことが必須」となるのは、もっと先のことになるのではと推測。
というのも、現在日本ではコロナが再拡大しているのと、そもそも「オンライン可」が42 Tokyoの応募時に前提となっていたので、東京以外に住む人も学生も多いからです。
とりあえず今は、辞書のような分厚さの『独学大全』を片手に、リモートの独学でも42 Tokyoを生き残れるように頑張りたいと思います。
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