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西川遥輝さんについて、最近思うこと

いつものやつ(私と、私の書く記事のこと)置いときます。

球団から公式発表・本人の言葉を聞いたのち取り上げようと思っていましたが、先日の札幌ドームでの姿を見て、自分の感情を整理する意味合いも兼ねて、綴りたいと思います。

西川遥輝選手のことです。

(以下、本記事では西川選手のことを西川さんと称します。普段は、遥輝さんや遥輝等、さまざまな呼び方で応援していますが、気持ちを整理する上で今回は「西川さん」と一定の距離感を持ってみたいと思います。また、私は際立って西川遥輝推しというわけではありません。間違いなく好きな選手の一人ではありますが、チーム全体、箱推し寄りです。また、当記事では西川選手の野球選手としての特徴や、成績・プレー、評価のことは取り扱いません。あくまで自分が心を整理するための文章となっています。)

西川遥輝さんという人は

私の中で西川さんは、不思議な人という印象です。

ですが、それはあまりにも客観性に欠けるので、西川さんという人を具体的に言語化してみると、とにかく「絶対に動かない自我という強い芯が一本通っている人」という表現になりました。

人というのは、ただ自我を持ったまま、それを貫いて中心に生きていくのは難しいです。何らかのカドが立って、こつんとぶつかってしまうからですね。だから自分の気持ちは少なからず持っていても、それを出したり隠したりしながら、いろいろな物事と折り合いをつけて、たくさんの人と関わって、擦り合わせて生きていくのだと思います。

ですが、西川さんを見ていると、そう生きながらも、とにかく “自分”を持っている人だなあと思わざるを得ないわけです。うまく、するりするりと、自分を強く持ちながらも、周囲の人と和気藹々と過ごして、周りの選手や人々と交歓する姿は、ある意味とっても不思議でした。

球場での姿、キャンプや練習中の姿、先輩と関わる姿、後輩と関わる姿、テレビでの姿、ファンの前に姿を現わす姿。
私にはその全てに「西川さん」という、言語化するにはあまりにも自分の語彙力のなさに絶望してしまいながらも、そう表現せざるを得ない何か…芯が一本通っているものを感じていました。
「西川さん」は、ブレないんです。西川遥輝さんは、常に「西川さん」でした。

西川遥輝という人を知れば知るほど、見れば見るほど、私は彼を「すごいなぁ」と思わずにはいられませんでした。そういった感心は、彼の不思議な魅力に好感を覚えることに自然とつながっていきました。

ストイックな西川さんとキャプテンという職

西川さんは本当にストイックな人だと思います。常に自分に何かを課していて、それをどう実現するか?はたまた乗り越えるか?自分の頭で考えて行動していた人だと思います。
西川さんを慕っている後輩も多いですし、自分より年長の選手にも常に一目置かれている印象があります。

西川さんが2020年度のキャプテンに任命された際、栗山監督がこういったコメントをしています。

““遥輝が本当にいつも一生懸命取り組んでいることはみんな知っています。その姿を見れば、チームを引っ張って行ける。一つ一つの言葉が選手たちの心に、すっと入っていくと思います。チームが勝つために、遥輝がキャプテンを務めることが良いと思うし、絶対的な信頼感があります。勝つために思い切って託しました。””
...2019年11月27日 栗山英樹監督 コメント

まず、私は栗山監督がこんなに端的に西川遥輝さんという人を表現して、かつそれがキャプテンであるために必要であることを説くことができるそのコメント力に驚きました。
いや、栗山監督は、言うまでもなく、本当にすごい人なんですけど。栗山監督の言葉って、どうしてこんなに心に響くんでしょうかね。言葉を背に情景が浮かぶっていうか、本当に人間性が豊かな人だなって思います。
栗山監督は、西川遥輝という人と、チームのことを本当の意味で理解して、信頼しているんだと思いました。本当にすべてにおいて、愛がある人だなあと改めて思った次第でした。

キャプテンについては、いろいろな意見があったり、さまざまなことが求められたと思います。
西川さんを2020年度のキャプテンに任命するにあたって大切なことを、栗山監督は西川さんの「その姿勢で周りを納得させ、チームを導く力」に期待して、絶対的な信頼のもと、キャプテンに任命したわけですね。その時点で栗山監督は、それがチームが勝つために必要だと思って判断したわけです。

栗山監督も重々理解している通り、西川さんは良くも悪くもいつでも「西川さん」です。
いつも変わらない西川さんで、それがあってのキャプテン任命だと思いますが、彼にとって今年に限っては、未来のことを意識して迎えた今シーズンでした。栗山監督はそんな西川さんの特別な1年を、より一層実りあるものにする意図もあったとは思います。

話はズレてしまいますが、栗山監督のキャプテン任命にあたってはさまざまなケースがあると思うんですよね。
2015年の宮西投手のように、(投手でもあり)一見キャプテンとはかけ離れた位置にいるような選手をキャプテンにすることで、新たな知見とモチベーションを持ってもらい、それがチームに還元されることを目的としたケース。
2018年の中田選手のように、自分自身に納得できず苦しんでいる選手に、新たな視野と気づきを与え、選手本人とチームの活性化を目的としたケース。
そう考えると西川さんのキャプテンは、それらよりもある意味ではとても単純明快、チームの発奮を促すキャプテンに見えました。

キャプテン像としての西川さんについて、私は栗山監督や球団側が思うような働きをしたかどうかはわかりませんし、実際どのような評価になっているか見当もつきません。
キャプテンになっても、西川さんは「西川さん」でしかなかったからです。キャプテンになったからこう、というのは特に感じませんでした。
落ち込んでいたり悩んでいる後輩や一念発起が必要な後輩に声をかけたり、新しく来た先輩や外国人選手に声をかけるみたいなことは、かなり前からしていたように思うからです。

だから、「キャプテンとしての西川さん」のことはわかりません。
でも、「西川さんというキャプテン」としてはどうでしょう。
前述したように、ある意味西川さんは西川さんらしく振る舞って、それが時にチームを引っ張ったり、周りの選手を鼓舞していたり。そうやって考えると、私は西川キャプテン、良いなあ。良かったなあって思わざるを得ないわけです。

西川さんはとにかく不思議な人

雑誌の取材やヒーロインタビューにおける西川さんの言葉は、独特の感性を持っていると思うことが今までに多々ありました。
今年特に印象に残ったのは、この言葉。

““はいつくばりながら家に帰りました。眠れませんでした、強風で。(中略)野球は引きずりながらやるスポーツ。そんな簡単には切り替えられない。””
...2020年9月3日 西川遥輝選手 コメント

西川さん独特の価値観・言語感覚と、野球との向き合い方。完全に理解することはできませんが、西川さんが強い自我と特有の野球観を持っていることはよくわかるし、それについて考えさせられる日もありました。

どこか、周りとは違うんですよね。良いとか悪いとかではなく、本当に、不思議な人だなあって思うんです。
西川さんは、髪色や髪型が目を引いたり。よくわからない行動をしていたり。それ、どういうこと?という発言をしたり。他の選手と、何その絡み?って思うようなじゃれ合いをしていたり。
でも気づいたら、彼がどこにいても気になってしまうような。広い球場の中で、どこにいるんだろう?と姿を探して、目で追ってしまうような。そんな不思議な魅力の持ち主だと思わざるを得ないんですよね。

気まぐれな猫のような人だな、って思っていた時期もありました。でも、その言葉も自分の中ではなんかしっくり来なくって。今は、自分が西川さんの印象を語るときは、一番に“不思議な人”っていう言葉が先行します。
ふわふわした言葉ですが、この人はこう!って人物ごとにはっきり認識・類型化することは難しいですからね。

西川さんは不思議な人です。不思議な人であると同時に、他の人とは違う、特別な雰囲気を持った人です。私は西川さんを不思議な人だと表現せざるを得ないし、これからもずっとそうなんでしょう。
言語化するには難しいし、あえて言葉にしてもどこか完全ではありません。

西川遥輝さんの言葉を聞いたり姿を見て、「西川さん」らしいね、と。何があってどこに行ったとしても、これからも機会があったらそう感じるんだと思います。

まだ先のことはわからないし、たとえ「その日」が来ても、来なくても。「その日」が過ぎて、西川さんと、2021年のファイターズとファン、私の新たな日常が始まっても。

西川さんのことが、好きだなあ…。
ただただ、そうとしか思えないんですよね。

今年は、誰も予想しないつらいことや悲しいこと、理不尽なことが沢山ありましたが、何があったとしても、あの西川さんが宣言して一年間準備してきたこと。夢と言っていること。応援しないわけがないです。

でも、もうちょっとだけ時間が欲しいような、そんな気持ちです。すぐに受け止めることは難しそう。とっても複雑な心境です。

【2020/11/10 追記】
ペナントレース全日程が終了し、西川さんがポスティングでのメジャー挑戦を再度公言しました。
Twitter上で起きたムーブメントに触れながら、以下の記事で再度西川遥輝さんについて振り返りました。


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