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110_『INFINITE STAIRCASE』 / レアンドロ・エルリッヒ

110_『INFINITE STAIRCASE』 / レアンドロ・エルリッヒ

何年振りかの金沢訪問の目的の一つ。

21世紀美術館より徒歩数分の立地にできた小さな美術館、KAMU Kanazawaを訪れること。

日本国内屈指のフォトジェニック作品である21世紀美術館のプールの作品の作家でもあるレアンドロ・エルリッヒの新作『INFINITE STAIRCASE』。

レアンドロらしい作品で、プールと共に鑑賞するに最適。

そして、このKAMU Kanazawaは2Fと3Fに

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107_『横浜トリエンナーレ』

107_『横浜トリエンナーレ』

横トリに行くのは、久しぶり。それこそ、初回と2回目くらいしか行ってない気もするのだけれど、それは「横浜」という名称と都市型芸術祭というものが上手くリンクしていないというか、東京から電車で30分強の場所にあ理、首都圏に内包されている横浜という土地で芸術祭が自立できるのかということに疑問があるという点で、その着地点が見出せていないのが正直なところ。

それでも今回訪れたのは、やはりこのコロナ渦において

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097_『ときに川は橋となる』 / オラファー・エリアソン

097_『ときに川は橋となる』 / オラファー・エリアソン

『ときに川は橋となる』
作家:オラファー・エリアソン
会期:2020年6月9日(火)〜 9月27日(日)
場所:東京都現代美術館

コロナ禍による開催延期を経て、6月上旬より開始した本展。今年度の現代アートの展示の中では期待値は最大級。

久しぶりの東京都現代美術館。昨年のダムタイプ以来。混雑情報も漏れ聞こえてきていたので、早めの時間に鑑賞。

空間そのものを最大限に活用した作品が多いので、人の少

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077_ヴェネチア・ビエンナーレ&ドクメンタ

077_ヴェネチア・ビエンナーレ&ドクメンタ

これは、アートクラスタにとっては、ちょっとしたニュース。

ヴェネチア・ビエンナーレが2021年➡︎2022年に開催年がシフトしたことによって、ドクメンタと同年開催に。

これは、邂逅。

ヴェネチア・ビエンナーレは2年に一度の開催で、奇数年での開催。一方で、ドクメンタは5年に一度の開催で、前回開催は2017年。

すなわち、この2つの芸術祭が同年開催になったのは、直近では2017年で、次に同年開

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072_『Elmgreen&Dragset - HOW ARE YOU?』 / JANNIK SPLIDSBOEL

072_『Elmgreen&Dragset - HOW ARE YOU?』 / JANNIK SPLIDSBOEL

アートギャラリー「PERROTIN」が公開しているオンラインコンテンツの一つにSCREENINGS(映像プログラム)があり、その中の一つ。

現代アーティストのElmgreen&Dragsetのドキュメンタリー映画『HOW ARE YOU?』。

それぞれデンマークとノルウェーで生まれた彼らの出会いに始まり(現在はベルリン在住)、いくつかの重要な展示、そして、2009年のヴェネチア・ビエンナーレに

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064_『The Big Yield』 / アントニー・ゴームリー

064_『The Big Yield』 / アントニー・ゴームリー

平野啓一郎の小説『ある男』のカバーにも使われている、アントニー・ゴームリーの『The Big Yield』という作品。

あまりにも素晴らし過ぎて、PCの壁紙にも、iPhoneのロック画面にも設定してしまったくらい。みんな、きっと、同じようにすればよいと思う。思わずnoteのプロフィール画像にもしてしまった。

彫刻作品なのに、この写真一枚だけですっかり魅了されてしまっていて、それは一体どういうこ

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005_ダムタイプ | アクション+リフレクション

005_ダムタイプ | アクション+リフレクション

東京都現代美術館(MOT)にて絶賛開催中のダムタイプの大規模個展。ダムタイプについてはあらゆるところで十分に語られているとは言え、そこはかとなくダムタイプが好き!と声を大にして叫びたいくらいのダムタイプ好きなので、この話題は外せない。

ダムタイプについて一言で表すなら、それは「80年代における表現の最高峰」。そして、今においてもまったく色褪せることのないその表現は、観る度に、新鮮さをもって驚きと

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006_ 『非常にはっきりとわからない』展 | 目【mé】

006_ 『非常にはっきりとわからない』展 | 目【mé】

目【mé】というアーティストがいる。

目【mé】はアーティストと言っても3人によるグループなので個人ではない。言ってみればバンドのようなものでもある。

アートの世界におけるバンド活動?アートの世界では、音楽の世界とは違い、グループでの活動は個人による活動に比べると少ない。それは個々の作家性が主張し、衝突するからだということは容易に想像がつく。バンドのように個々がパートを持っているならともかく

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036_『DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに』 / 国立新美術館

036_『DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに』 / 国立新美術館

この『DOMANI』という展覧会は、文化庁による若手芸術家の研修制度の成果発表的な意味合いが強かったはずだけれど、今回は特別展という位置付け。
参加作家も著名なアーティストが多く、そして肝心の展覧会自体も強度があり、雨のせいで少しだけ逡巡してしまったものの、行って良かった。

展示最終日、雨。10:00の開場に合わせて到着したおかげで人もまばらで快適。
それにしても、普段は外国人が溢れる街、六本木

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037_『公の時代』 / 卯城竜太(Chim↑Pom) 、松田修

037_『公の時代』 / 卯城竜太(Chim↑Pom) 、松田修

現代日本における最重要アーティストの一つであるChim↑Pomの筆頭格、卯城竜太と、これまた最前衛に位置しているであろう松田修の対談集。

美術手帖での連載をまとめた本で、とにかく、濃い。

そして、とても重要な示唆に富んだ一冊。その渦中で、あいちトリエンナーレの問題が起きたことも非常に運命的。

個人的には、自分の中でも重要なテーマだった「作家性とは?」について、改めて考えさせられる機会になった

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038_『Sugar Water』 / Cibo Matto

038_『Sugar Water』 / Cibo Matto

技術の進歩で映像表現の幅が広がったのは間違いないけれど、自分にとって、MVに関して言えば、やっぱりミシェル・ゴンドリーのものが最高。

先日のTawingsのライブのゲストアクトに出た、MIHO HATORIがやっていたCibo Mattoの『Sugar Water』も大好きなMV。

インタビューを読んでみると、ミシェル・ゴンドリーの方から「MV撮りたい!」って話をしたそうな。90年代のCibo

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043_『036 Pleasure Life』/ dumb type

043_『036 Pleasure Life』/ dumb type

ICCにて特別上映中のdumb type作品。
dump typeの作品を初めて観たのも確かこのICCだた記憶。観た作品は『S/N』。

ICCの2,30人しか座れないくらいの上映ルームはdump typeの作品と心無しか似合っている気がする。今回観たのは、記録されている中でおそらく一番古い映像作品であろう「036 Pleasure Life』。

まさに、dump typeの原点といった作品。コ

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042_『霧と鉄と山と』/ 青木野枝

042_『霧と鉄と山と』/ 青木野枝

会期終盤に差し掛かった展示へ。府中市美術館にて青木野枝『霧と鉄と山と』。

府中駅からは徒歩で20分程。風もあまりない気持ちの良い日で、公園で休日らしい時間を過ごす家族連れや、散歩やジョギングする人を横目に美術館へ。

初めて来る美術館。

エントランスの天井が高く、空間が、こちらも気持ちが良い。日差しが空間に差し込む。美術館にとても似合う。

野枝さんの作品は彫刻が主体で、かつ大きなサイズの作品

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