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農薬とは本当に悪なのか?

農薬とは悪なのでしょうか? 
巷で言われている農薬に関してのイメージは本当に間違いないものなのでしょうか? 今日はニュースや情報でよく聞く農薬についての話をしていきたいと思います。

さて、最近の農業界ではオーガニック自然栽培減農薬などの農法が増えてきています。新規参入農家ではその割合が多く、慣行農法を続けてきたベテランも減農薬にトライしている方も見かけるようになってきました。確かに、社会の風潮として農薬は悪だとする傾向があります。

しかし、そこに対して違和感を覚える農業人も多くいることは事実です。現在の食糧生産に対して農薬というのはかなり貢献していると言って過言ではありません。農薬を使わなければ作物の収穫量は大きく減ると言われ、実証試験によるデータでは作物によっては収量が97%減多くの作物が30~60%減少するとされています。

作物の収量が減るという事は、それだけ値段が上がるという事です。しかし、基本農業の世界では流通やバイヤーに力があり生産者に負担がかかりやすい環境です。収量が半分になったからと言って生産者が倍の価格で売り、生計を立てるということははっきり言って不可能でしょう。

そして消費者側の視点から立てば、100円のキャベツが平均的なのに、ある日突然200円になれば文句も言いたくなるはずです。私でも文句を言いたくなります。このような生産者にとっても、消費者にとっても、不安定な経済環境を作らないために農薬は役に立っていると言えるでしょう。

でも農薬って体に悪いでしょ? と言う方がいらっしゃるかもしれません。そういった意見を言う方で、日本の農薬基準を調べてご存知の方はほとんどいません。何故調べないのでしょうか? イメージ先行の考え方で生きている人が多すぎるように思います。

基本的に農薬とは膨大な項目をクリアし、実証試験を乗り越えてようやく認可される物です。製薬会社はこの認可を取るためにかなりのコストを費やし、加えて会社自体が疲弊するほど厳格な基準を合格する必要があります。食にかかわることですので、そのくらいしてもらわないと安心はできないのです。

農薬が体に悪いという話は、あくまでそれを散布する生産者にとって言える話であり、適正な範囲で使用している限りは消費者に害はないと言っていいです。農薬の安全性とは一日摂取許容量(ADI)という基準によって示されます。農薬を毎日一生涯摂取しても健康に害のない量の100分の1が一日摂取許容量とされています。

とはいえ、やはり薬と言って気分のいい人はいないでしょう。農薬による薬害の危険性は消費者よりも生産者にあり、世界的には多くの農業従事者が農薬の薬害を被っています。やはり使わなくていいものは使わないほうが良いのです。オーガニックや減農薬であるに越したことはありません。

私自身、農薬の散布で体調を崩したり負担を感じたことは1回や2回ではありません。できることなら使いたくはない代物です。農薬は生産者にとってはあまり良いものではないのが現実です。

しかし、私たちの食が豊かで不安なく暮らせる環境は農薬があってこそだと知る必要があります。虫食い一つない野菜しか見ない消費者は、その野菜に違和感を覚えず、その野菜がどうして虫食い一つない状態なのかも知りません。当然農薬の恩恵です。その恩恵を理解し、自分の価値基準と照らし合わせ、何を選択するのか。それはあなた次第です。

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