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コロナ禍で実感する楽しさ。いま、この状況だからこそ、取材記事づくりがだいぶ面白い。

コロナによるマイナスの影響が数多くあるものの、世界中の人たちのITリテラシーが一気に向上し、ネット環境が急激に整ったのは大きな恩恵です。先日、茨城大学で元留学生たちのオンライン親睦会が開催されたという記事を見つけました。これなんてまさにそうですよね。今までだったら、時間的にも、費用的にも、ものすごくハードルが高かったことなのに、とても手軽にできるようになりました。

実際、私も仕事をしていてつくづく思うんですが、人と会うことの負担がものすごく減りました。私の場合、お客さんのほとんどが大学なのですが、今でこそやや緩和されたものの、少し前までキャンパスは全面入構禁止。そのため、打ち合わせはすべてオンラインでした。以前は一つの打ち合わせに半日を見ていたのですが、オンラインになると1大学あたり2時間でいけるようになりました。体力的にはかなりきついのですが、業務のスピードはだいぶ上がったように思います。

それよりも良かったのは、取材です。私が取材する人の大部分が、研究者(教員)か学生なのですが、この2者はオンライン授業をする人と、受ける人なわけで、どちらも日進月歩でオンラインスキルを高めており、今ではとてもスムーズに取材ができます。最初は対面でないと深い話しを聞けないのかな、なんて思ったりもしていたのですが、取材意図さえ事前に丁寧に伝えておけば、それも杞憂だということがわかりました。

さらに、単純に手軽になっただけじゃなくて、コンテンツの幅がものすごく広がったんですね。これまでは私が住む関西圏の大学を取材することがほとんどでしたが、今では全国の大学の取材ができます。しかも移動せずにできるので、北海道だろうと、九州だろうと、コロナ以前の関西圏の大学取材よりも手軽に行えています。

さらに、遠隔地と遠隔地を結んでの対談や座談会ができるようになったのも魅力です。少し前に、とある大学の学長と卒業生の座談会をZoomで開催したのですが、そのときは京都とベトナムと東京を結んで開催しました。ここらへんを応用していくと、遠く離れた地に住む卒業生と恩師の対談であったり、東京在住の芸能人卒業生と学生たちによるぶっちゃけトーク、先ほどの茨城大学ではないですが元留学生による座談会なんていうものも、そこまで労力をかけずにできるように思います。

少し変わり種になりますが、先日、Zoomのレコーディング機能を使って学生のメッセージ動画を量産し、それを集めたウェブページをつくりました。学生たちは自宅から収録に協力してくれ、そのプライベートな雰囲気であったり、Zoomのやや粗い画質が、とてもリアリティがあって良かったです。

オンライン取材は可能性があって魅力的ですが、ネックもあります。撮影です。作り込んだ撮影ができず、提供画像でコンテンツをつくらなければいけないため、ビジュアルの扱いにどうしても制限がでてしまいます。結果、初見のインパクトより、企画性や切り口、文章内容でユーザーを惹きつけていかなくてはいけなくなる。やや語弊があるのですが、編集やライターをしているものの実感としては、以前よりコンテンツの内容にごまかしが効かなくなってきています。

人に会いやすくなったという話しから、だいぶ逸れてしまいました……。とはいえ、仕事のやり方がだいぶ変わってきたという実感があり、ちょっと不謹慎かもしれないけれど、取材記事をつくるという一点に置いては、これまでにないぐらい楽しくなってきています。今だからできる表現、今だからできる企画というのは、積極的にやっていきたいですね。リアルイベントの開催が難しい今、情報発信の手法を吟味することも大切ですが、地道に愚鈍に魅力的なコンテンツを積み上げていくというのが、やっぱりとても大事なことだと思うのです。

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