無題

ピンチはチャンス!?「科学技術広報研究会」の取り組みから考える、今、社会に伝えるべきこと、やるべきこと。

新型コロナウィルスの蔓延で、社会がひどく混乱している昨今ですが、テレワークの推進であったり、時差通勤の導入であったり、いくつかのよい変化も生まれようとしています。

今回、取り上げる心あたたまる取り組みも、そんなよい変化につながりそうな予感をさせるものです。大学の魅力を社会に発信する「ほとんど0円大学」を運営する身としては、してやられた感もあるにはあるのですが、でも、やっぱりすごくいいんですね。まずは、どんな取り組みなのかを見てください。

話題になったのでご存じの方も多いのではないでしょうか。取り組みの名前(?)は、「休校中の子供たちにぜひ見て欲しい科学技術の面白デジタルコンテンツ」。これは「科学技術広報研究会」という研究機関や大学の広報担当者が集まる有志のネットワークが、子供たちにすすめたい無償のデジタルコンテンツを集めた簡易サイトになります。

いくつか動画を見てみたのですが、これ、子供じゃなくても十分に楽しめます。というか、めちゃ楽しい!一つひとつの動画の感想を書き出すとキリがないのでやめておくのですが、科学技術や研究の面白さを子供たちに伝えようと、これほどたくさんのデジタルコンテンツがつくられているという事実と情熱に、何やらとてもうれしい気持ちになります。

本当は学校があるはずなのに休み、という何か落ち着かない子供たちの心持ちであったり、共働きで子供へのケアが満足にできない親御さんであったり、ビジネス的な打算なくやってのけた「科学技術広報研究会」の心意気であったり。こういった諸要素や心理が社会に理解され、好意的に受け止められたことで、このサイトはたくさんのメディアに取り上げられました。

このサイトが話題になったことで、普段であれば学術的なコンテンツに触れないような子供たちも、学問の世界に触れたように思います。しかも、今は全国の学校が一斉休校する異常な状況です。目にした子供たちは、相当多いのではないでしょうか。

新しいことに触れ、感動し、変わる、というのは、若ければ若いほど起こりやすいことです。今回の出来事をきっかけに、たくさんの子供が科学技術や学問に興味を持ってくれたり、研究機関や大学にはワクワクすることが詰まっているのだと気付いてくれたのではないか。そして、そんな子供たちが、とてもたくさんいたのなら、今回の出来事は社会をよりよく変えていく、とても小さなきっかけになっている、のかもしれない……。そんな妄想に近いことを「科学技術広報研究会」の取り組みから連想しました。

新型コロナの蔓延は、未来の日本史の教科書に載りそうな大きな出来事です。でも、きっかけはどうであれ、これをうまく社会の発展に活かせば、災いとしてではなく、よきこととして載る可能性だってなくはありません。「科学技術広報研究会」の取り組みからは、そんな明るい気持ちにさせてくれる光のようなものを感じました。今だからこそできること、ちゃんと考えてやらなきゃですね。

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