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“大学の未来”を伝える最良コンテンツ、トップメッセージの重要性を考える。

入試広報のイベントは数あれど、ほとんどはその大学がどういう大学なのかという事実を伝えるものになります。今回、見つけた高校教員及び教育関係者向けイベントは、内容がとても豪華なうえ、伝える情報の種類も、オーソドックスなものとはちょっと違いそうです。

「名古屋六大学トップメッセージフォーラム」というイベント名がすべてを物語っているのですが、このイベントは名古屋にある6大学の学長が大阪に集まり、教育のこれからや、名古屋の魅力を語り尽くす、というもの。従来の入試広報のイベントとは違い、大学としてのビジョンであったり、メッセージといったものを全面に押し出したイベントになります。

私は仕事柄、毎年たくさんの大学のパンフレットはウェブサイトを作成していて、けっこう長い間、受験生は学長メッセージなんて読まないでしょ?と思っていました。まぁ今も読むか読まないかでいうと読まないと思っているんですが、でも実はとても大事なものだと思うようになってきました。

大学の現在の教育内容であったり、来年ぐらいに実施する新しい取り組みであれば、入試広報のツールやイベントで具体的な説明ができます。でも、大学がどこに向かおうとしているのか、10年後、20年後の未来どうなっているのかといった情報は、これらツールやイベントで取り上げることは、いろいろな意味で難しく、受験生にわかるように表現するのは至難の業です。

ちなみに、そもそも“大学の未来”を受験生に伝える必要があるの? と疑問に思う人もいるかもしれません。私は、大いに必要だと思っています。“大学の未来”は、現在の大学の取り組みや考えの延長線上にあり、これらをより明確にし、発展させた姿です。“大学の未来”がわかることによって、大学の今がより立体的に浮かび上がってきます。それに自分の価値観に合う大学かどうかを知るうえでも、大事な情報になります。

“大学の未来”をいきいきとしたかたちで表現できるのは、おそらく学長や理事長といったトップの言葉だけです。最近だと、京都先端科学技術大学の永守重信理事長が、さまざまなメディアや自校の広報物で、京都先端科学技術大学の未来について、熱のある具体的な言葉で語り尽くしています。

これは極端な例ですが、未来というあやふやなものは、マニュアル的な文章ではなく、人の言葉を通じて、想いや動機、使命感、実体験などとともに伝える方が間違いなく伝わります。そして、この大学の未来を語る、ということができるのは一つの大学に一人(学長)、もしくは二人(学長と理事長)しかいないわけです。

入試広報において、学長や理事長のメッセージというのは、“大学の未来”を伝えられる大事なコンテンツです。だからこそ、もっとワクワクさせるものであって欲しい。少し前に、小泉環境相が環境問題はセクシーに語られるべきだと言って話題になりましたが、あながち間違いじゃないと思うんですね。大切なことは魅力的に語られるべきだし、そうすることで、より多くの耳目を集めることができます。学長や理事長が語る“大学の未来”だって、もっともっとセクシーに語ってもらいたいものです。だいぶ好き勝手に書きましたが、気持ちとしては、ほんとにそう。今回のフォーラムは、絶好の舞台になるのかも……と、勝手に期待して、こんなことを書いてみました。

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