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宝生能楽堂2020年冬・5期インターン開催レポート

2020年2月10日~16日の一週間にわたり、宝生能楽堂5期インターンシップを開催致しました!

参加者は過去最高の16名となり、特定の講座を選択して受講できるオープンクラスをあわせると延べ22名の学生にご参加頂きました。
参加学生の所属大学は、静岡大学、九州大学、慶應義塾大学、学習院大学、日本女子大学、実践女子大学、文京学院大学(順不同)という地域も様々な学生が集まり、賑やかなインターンシップとなりました。

それでは、がんばる学生の様子を講座の内容とあわせてご紹介します!

1日目AM「能楽基礎講座」宝生和英(宝生流第二十代宗家)
宝生流宗家・宝生和英先生による能楽についての基礎講座です。能楽のイノベーション史、現代における能楽の存在意義、伝統芸能のマーケティングなどを学びました。
受講生からは、「能楽の伝統的な面だけでなく、イノベーションの話から始まり、アートマネジメントを学ぶことができた。能楽を知るだけにとどまらず文化をどのように運用するかを学べた」という声も上がりました。
学生が得たもの:能楽について/日本の文化史/アートマネイジメント
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1日目PM「文化財保護」門脇幸恵(独立行政法人 日本芸術文化振興会)
→装束や能面などを研究する門脇幸恵研究員のお話のもと、実際の装束や面を見ながら、素材・歴史・使われ方を学びました。貴重な文化財としての魅力と、実際の舞台で使用する道具であるという性質をもつ装束と面。文化財の厳しい現状や保存・活用・教育のバランスの難しさも感じた模様です。
学生が得たもの:能面・能装束の基礎知識/文化財の保存/伝統工芸技術画像2

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2日目終日「能楽堂オリンピック期間企画ワーク」
→長期(1~4期)生が主体となり、企画立案を実践的に学ぶグループワークを行いました。
参加者には事前にテーマが与えられ、当日は3グループに分かれて企画書作成、プレゼンを行いました。今回は”能楽堂でお化け屋敷を企画する”というロールプレイで、それぞれのメンバーが個性を生かして充実した企画を練っていました!
5期生が考えてくれたお化け屋敷イベントは、いずれ実行できるのでは?と思います。
また、短期インターン卒業生である長期生に質問する場面もあり、回期を越えた人材交流が行われました。こうしてインターン生同士の交流・繋がりが広がってゆくのも本インターンの大事なことのひとつであると考えております。
学生が得たもの:企画/プレゼンテーション/グループワーク

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3日目AM「日本芸能史」日置貴之(白百合女子大学准教授)
→白百合女子大学の日置貴之先生によって日本の芸能の歴史を学びました。社会の変化にあわせて、日本の芸能がどの様に変化をしてきたか、また実際に活躍をした芸能者を例に挙げて、芸能がどのような成長をしてきたのかを学びました。これまで日本の芸能を”伝統文化”と一括りにしていた学生も、その時代による変化に驚いていました。
学生が得たもの:日本中世〜近代芸能史

3日目PM「アートマネジメント」望月真也(公益財団法人 静岡県文化財団)
→静岡県の県立劇場施設の運営に携わる望月真也ディレクターによって、地域にとっての芸術文化の価値を学び、プロデュースという仕事についてロールプレイングをしました。
自分の好きな企画をするのではなく、地域の為、そしてクライアントの為にどのように考え、実行しなくてはいけないかを知り、アートマネジメントを仕事とすることの大変さと魅力を学びました。
学生の得たもの:プロデュース/地域活性

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4日目AM「劇場の仕事~舞台公演の企画制作~」法月智美(公益財団法人せたがや文化財団)
→舞台公演の制作業務に携わる法月智美氏から、舞台制作の最前線を学びました。
実際の現場の写真などを活用し、舞台がどの様に運営されているかなど、パフォーミングアーツに必要な基礎情報を知り、実際に舞台に携わりたい学生などは熱心に講座を聞き、多くの質問が上がりました。
法月先生の講座は今回初でしたが、劇場運営や公演制作を志向する学生にとって大変有意義な時間を過ごせたようです。
学生が得たもの:ディレクション/舞台制作/劇場運営/興行の仕組み

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4日目PM「稽古体験」宝生流能楽師(柏山聡子師、辰巳和磨師)
→実際に能が上演される能舞台で、特別にお稽古の体験をしました!
宝生流の能楽師に指導を受け、「観る能楽」ではなく「習う能楽」を体験しました。体を整えるために習う人も多いことなど、能楽の稽古による効能を体感し、楽しい時間を過ごせたようです。
学生が得たもの:能楽の生体力学/習い事としての能楽

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5日目AM「日本文化と国際交流」前田佳子(元・国際交流基金)
→昨年まで国際交流基金に所属されていた前田佳子氏から、国際交流基金での業務経験、国際交流における文化の役割や、文化交流分野の就活のヒントを学びました。
国際社会である現代では、言葉以上に文化が社会や経済をつなぐ象徴となりつつあります。どの様に日本の文化を海外に紹介をするか、海外を知る為に海外の文化をどのように誘致するかなどを学び、またそれを支援する団体があることを改めて知ることができました。
今回は海外留学などを控える学生も多く、大いに刺激を受けたようです!
学生が得たもの:国際交流/文化交流/国際企画

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6日目「五雲会運営実習」
→これまでの集大成として、宝生会主催事業の定期公演「五雲会」で会場スタッフとして実習を行いました。宝生会職員が作成したマニュアルを活用し、実際にお客様に対する接客や会場アナウンス、また公演当日の裏側・楽屋の仕事を見学しました。
各学生が精力的に活動し、来場者の対応や質問に答えるなど充実した1日を過ごしました。
学生が得たもの:接客実践/バックヤード見学

特別講座「東洋文庫見学」 御協力:東洋文庫ミュージアム
東洋文庫文庫長特別補佐(昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科准教授)である牧野元紀様のご厚意により、東洋文庫の設立に関する特別な講座と文庫所蔵品の観覧を提供していただきました。
東洋文庫の創設家である岩崎家は古くより宝生流の謡を嗜んでおり、当時実際に使われていた謡本など、通常展示されない品々までも間近に観ることができ、大変貴重な機会を頂きました!
(撮影協力:東洋文庫ミュージアム)

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参加学生たちの様子は伝わりましたでしょうか?
本インターンシップは、毎回様々な工夫を凝らし、能楽の世界だけではなく、社会に役立つあらゆる情報を提供して参ります。
次回は8月下旬の開催を予定しております。ぜひご参加ください!

こちらをお読みになられてご興味を持たれた方は、ぜひ下記までお問い合わせください。
office159hongo@hosho.or.jp
宝生能楽堂インターンシップ担当者宛


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