病院運営の気づき

元病院総合職(事務)です。今は事業会社でITの仕事をしています。病院時代を振り返って、病院運営の気づきをまとめています。

病院運営の気づき

元病院総合職(事務)です。今は事業会社でITの仕事をしています。病院時代を振り返って、病院運営の気づきをまとめています。

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病院運営が迷子にならないために

サマリー急性期病院は経営と臨床で方向性の乖離が起きがち ステークホルダーが納得できる臨床指標を病院の主たる管理指標とすべき 臨床指標の目標を達成するため経営・研究・教育でも指標の管理を行う必要がある 病院運営の課題急性期病院の運営に関わってきて長く課題に感じていたことは、職員の数が多い病院であればあるほど、扱う疾患の幅が広ければ広いほど、経営判断にブレがあり方向が定まらないということです。 急性期病院は独立採算の組織であっても、ステークホルダーが多く一枚岩ではありませ

    • 患者さんから学んだこと

      そういえば、なんで自分が病院で長いこと働いたんだろうと思い返してみると、病院という命と人生に向き合う場で、大きく心動かされた体験がいくつもあったからだと思います。 お子さんを亡くした親御さん病院で初めて泣いたのは間違いなくこのケースでした。夜間救急で受付をしていた時に、たまたま不慮の事故でお子さんを亡くした親御さんの様子を見かけました。 当然、親御さんがすぐに現実を受け入れられるわけもなく、病院の廊下に親御さんが取り乱して泣きわめく声が響き渡ります。運良く大人のトラブルと

      • 病院運営に役立った本5選

        1. 医事法判例百選判例百選シリーズは10冊程読みましたが、間違いなく1番実務に役立ったのはこれ。粛々と判例解説が続きますが、こういう紛争いつでも起き得るよなと病院勤務者ならリアリティを持って読めると思います。 患者さん対応でも、院内のオペレーションを考えるときでも、ものすごく参考になった一冊です。 2. 診療点数早見表いわゆる点数本。中医協の資料が厚労省のHPであっちこっちにちらばっているので、なんだかんかこれがないと仕事にならない。新卒〜数年目までは辞書的に使っていまし

        • 病院情報セキュリティの落としどころ

          まとめ病院が最も守らないといけない情報資産は患者情報 日本において機密性を守るのは困難(=定期的な大量漏洩は避け難い状況) 完全性・可用性を強化するのが現実的な落とし所(=漏洩があっても診療の質を下げない・診療を止めない) はじめに半田病院、大阪急性期・総合医療センターのような病院の大規模なランサムウェア被害が一定頻度で発生しており、被害病院の懸命な事業継続対応と近隣の医療機関のカバーはあるものの、地域医療への実害が生じています。 病院で事務系総合職(情シス含む)を経

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        病院運営が迷子にならないために

          悩みの尽きない病院IT

          病院時代、最後は情シスをやっていたので、病院ITについて思うところをざっくばらんにまとめてみました。 サマリー病院電子カルテはマーケット変革があるまで粛々と運用せざるを得ない 病院もSaaS活用で業務改善を進めていきたいところ 情報セキュリティの強化は喫緊の課題 IT人材は業界外と獲得競争 電子カルテ病院と違ってクリニックは検査機器や特殊な治療機器が少ないので、電子カルテの機能要件もすっきりしています。日本で電子カルテを開発する際、鬼門となる診療報酬についてもORC

          悩みの尽きない病院IT