67年間一度も働いた事がない人から学ぶ「働き方」
大分前の事ですが、ご近所さんのうちに誘われて、モーニングティーを頂きにいきました。
家の中に通されると、ピアノの音。録音ではなく、誰かが弾いているんです。
しばらくお茶を頂いた後、ピアノが聞こえてきた部屋から旦那さんが出てきました。
旦那さんもお茶の席につき、数種類の自家製のケーキと紅茶を頂きながら、ベランダで歓談。
「仕事は何をしてるの?」相方が旦那さんに聞くと、
「今67歳だから、もう定年だよ」
「前の仕事は?」
「お金を稼ぐ為の仕事、という意味でなら、働いた事はないよ」
「どういう事??」
「今までどこかに勤めた事や、稼ぐ為に働いた事がないって事。自分はお金を稼ぐ為に働く、という事を信じてないからね。でも働いてこなかった訳じゃなく、ボランティアとして人の為に働いてきたよ。好きなときに好きなピアノを弾いて、誰か必要としている人の為に働く。今の人生にはとても満足してる」
「今の家は私が自分で建てたものだ。庭で野菜を育ててるから、食べる物には困らない。電気は全てソーラー。タンクがあるから、水にも困らない。」
「逆に、何故君は働くんだい?」
※
何で働くのか。まあ、第一に「お金」ですよね。
お金持ちになりたい訳じゃなくても、生活の為に。
学校も、行きたくなかったけど行ってたので、ある意味学校の延長が仕事という認識だったし。
でも、もし学校は行っても行かなくてもどっちでもいいよ、と言われていたら、行ってなかったな。家で本を読んでのんびりしてるのが好きな子供だったので。
でも、一生働いても働かなくてもいい、という状態になったらどうだろう。
なんとなく、働くんじゃないかと思う。退屈すると思うから。
でもお金の為じゃなかったら何の為に働くのか、ふと考えてみるとなかなか思いつかない。
仕事を選ぶとき、お金というフィルタを通さずに見る事って難しいですよね。
「やってみたいけど、あまりお金にならない」
「こっちの仕事の方が楽しそうだけど、今より収入が下がる」
「興味はあるけど、この業界は全体的に給与が安いから大変そう」
そんな風に、しらずしらず仕事=収入=お金という風に考えている。
それは仕方のない事かもしれないけど、それで自分の可能性をせばめてまで本当にやりたい事をやらずに、貴重な人生を無駄にするまでの価値があるものかな、お金って。
あと、本当に成功してる人って、そもそも事業を始めるとき
「これは面白そうだけど、稼げなさそうだからやめとこう」とか考えないと思うんです。
こうしたら、もっと面白いんじゃないかとか、これはきっと面白くなる!と思う事を突き詰めた結果、成功している。
皆が皆、それで成功するとは限らないけど、少なくとも心を殺してやりたい事に見て見ぬ振りをするより、人生が開ける気がするんです。
お金に関係なく、やりたいと思う事。
やってる自分を想像して、わくわくする事。
お金というフィルタを忘れて働くという事。
その結果が、幸福な人生に繋がっているんじゃないかと、素敵なピアノを弾くその人を見て、思ったのでした。
お金に関係なく働くとしたら、あなたは何の為に働きますか?
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