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【10分スケッチ】琵琶湖のほとりで

琵琶湖のほとりのベンチに座っている。
10分。
お尻が冷たい。硬い石のベンチだ。

夕日はまだ沈まない。
まだ1時間くらいはかかるんじゃないか。
沈む方向が随分変わってきた気がする。
陽が目に入って眩しい。
スマホの画面を見るとまだら模様。

水鳥がたくさん浮いている、。
すいすいと、泳いでいるものもいる。
ぴーよぴーよとこえを掛け合っている。
すいすいとウロウロと湖面を進む。
何か意図があって動いているのだろうか。
わからない。

他に人もいないから、マスクを外す。
ガスコンロが焼けるような匂いがする。
焼き魚引く魚の匂い。
マスクを外すと、なんだか聞こえる音も増えるような気がする。
水鳥たちは相変わらずぴーよぴーよと声を掛け合っている。

元気な若者が岸に駆け寄ってきて、水鳥たちが一斉に飛び上がる。
でも大して遠くまで行くわけではない。
若者は薄着だ。
手袋もせずに雪玉を作って投げている。

対岸の山の稜線が綺麗に見える。
乳白色とオレンジとピンクとグレーが混ざったような空を、
濃い灰色の山の影が切り取る。
全てはグラデーションとコントラスト。
目を離すとバランスを変える。

雲が流れている。
風が冷たいと気付く。
誰も何の文句もつけようのない景色だ。
ただお尻が冷たい。
小鳥がピチュピチュ囀る。

❇︎

さて、お迎え。

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