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読む前に「楽しみ」というのが難しい

Kindleをゲットしてから、私の読書習慣はだいぶ変わった。

読みたい!というときに、その本がKindle化さえされていればすぐに読めるから。

もちろん、従来の読書のカタチ……紙の本で読むのも至福だし、本屋を巡った際に表紙に惹かれて本を買う行為も好き。
発売日にワクワクと本屋に向かうのも好き。
Amazonを利用するようになってからは郵送で受け取る事も多くなったけれど(本屋が遠いので)。

Kindleなど電子書籍が、読書という行為から『紙』『本屋』というそれまでの『当たり前』を変えてしまった。
何より、『ダウンロードして、即読める』は画期的すぎた。
私は本を読むのが好きなものの、読みたい気分とそうじゃないときのムラが激しいタイプなので。

そんなわけで、Kindleが私の読書傾向を劇的に変えてしまった。
夜中、ふと「こういうのが読みたい!」と思ったとき、Kindle内で検索して有れば即・読書開始なのだから。

そして、私の読書傾向を変えたものがもう1つ、ある。

Twitterとブログだ。

感想をネットで書く。共有する。時に同じ作家が好きな方から、コメントや引用でエアリプが来たり。
楽しい体験だった。

……☆……☆……☆……☆……

……楽しかった、のだが。

私はTwitterやブログで本のことを書くことが、最近減った。

理由はいくつかある。
時間のこと……液晶ペンタブレットを使って絵を描くことを再開したため、本を読む時間がぐっと減ったのである。

でも、個人的に一番大きいのは、
「○○(シリーズ、もしくは作家さん)新刊が出る!楽しみ!」と情報ゲットしてツイートしたりRTしてたものの

『読んでみて、個人的にテンションだだ下がり』

となる事例が、数件続いたのだ。

映画でも、よくある現象だ。
○○シリーズの最新作!とか続編!ってワクワクしてたのに、いざ観てみると結末がどーーしても受け入れられない、というパターン…。

Amazonのレビューを見ると、割とファンの中でも評価が二分するような作品もあったし。
高評価ばっかりの作品もあったし。
どちらでも、モヤモヤした。

あ、一部の酷評の書き込みには激しく頷いてしまったりもした。
罵声や八つ当たり?みたいなレビューもあるけども、「この作者さんが好きだし、なんとかこの作品を受け入れたくていくらか考えてみたけども、やっぱりこの点が浅くて展開が受け入れられない」みたいな率直なレビューもある(作者さんは読んだら落ち込むかもしれないけど、出版社や編集さんには大切な情報だと思う、こういうレビュー)。

『期待してたのに、蓋をあけてみたらガッカリ』は、よくあること、といえばよくあることなのだ。
でも、『たまに』ぐらいであってほしかった。

昨年の秋から、大好きな作家さんで軒並み『個人的に、面白いと思えない…』と呆然としてしまうことが続いた。

「この作家さん大好き!」とTwitterのプロフィール欄でアピールしてたのを、そっと書き直したりした。
発売前は「楽しみすぎるー!」とツイートしておきながら、読んだ後はゴニョゴニョとし書けなかったり(Twitterは作者さんにエゴサされてる可能性が高いので、あまりマイナスな感想は書かないようにしてます。アカウント名を悪い印象とともに覚えられたくないので…)。

まず、前提として…
作家さんは、全ての読者を満足させることはできない。
書きたいものもあるだろうし、調子の波もあると思う。
映画だってそうだ。

私は、好きな対象を「全部好き💗」となる人間性じゃない。
だからこうやって悶々とし続けるのは、私の問題といえば、そうなのだ。

今年の春ころには、私は本の感想を書くことも減った。

何よりも、本や映画を実際に読む/観る前に「楽しみー!」とツイートすることを、極力減らした。
微妙だった場合、感想どうしようって負担になるのが怖くて。
何より、「楽しみ!」と書く情熱自体が減ってしまった。

ぶっちゃけ、好きだったけど新刊を買うのをやめてしまった作者さんのもある。
とはいえ、いつかまたその時の新刊を読むかもしれないし、それはツボにハマるかもしれないし、ネガティブなツイートはやめておこうと思ったのだ。

そんな個人的なパッションの問題とは別に、思うことがある。

『作家』という個人に期待しすぎてしまうのは、良くないのかもなぁって。

映画とかゲームは、複数人でシナリオを何度も何度も議論しまくる物だと認識している。
一方、私が買う小説だと、たぶんレーベルの企画会議や担当の編集さんとのディスカッションや指示はあるとおもうけども、最終的には作家個人の力量にかかってそうなのが多い。想像だけれど。

個人にかかる期待が大きければ大きいほど、そりゃ、「私にとって期待通りじゃない!」ってなる可能性は多そうだな、と思う。
その作者個人が表現したいものとか、調子に左右されまくるから。

そんなわけで、私は本に関してツイートすることが減った。

期待とは、難しいものであるなぁ。


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