英国のシュバシコウ

シュバシコウという鳥がいる。コウノトリの1種で、リトアニアの国鳥にしてストラスブール市の市鳥でもあるこの鳥は、アフリカからヨーロッパや中央アジアに渡り、主にヨーロッパで子育てをすることが知られている。特に、最大の営巣地であるポーランドでは、家1軒につき巣が1つというレベルでシュバシコウの巣がつくられることがある。

しかしこの鳥は、ジブラルタル海峡を渡ったのちにさらにドーバー海峡を渡ることはお気に召さないようで、ここ半ミレニアム以上イギリスにはやって来ていないことも知られていた。

https://eow.alc.co.jp/sp/search.html?q=half%20a%20millennium&pg=1

ところが今年ついに、シュバシコウの英国内での営巣が確認されたという。

604年ぶりの英国内での営巣である。64年の間違いではなく、本当に604年ぶりであるのだという。604年前というのは、ノルマンディー上陸の少し後である。しかし上陸したのは第二次大戦の連合軍ではない、ヘンリー5世配下のイングランド王軍である。

そんな時代から今の今までずっとシュバシコウはイギリスに巣をつくらなかったのだが、今年になって巣をつくる決心をしたらしい。

いったいどのような心境の変化があってシュバシコウはまたイギリスに巣をつくることに決めたのか、それはシュバシコウのみぞ知る。

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