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中学で数学が出来なくなる理由

皆さんは数学は得意だろうか。
「小学校の算数から苦手だった」という人もいると思うが、たいていの場合

「小学校の算数までは出来たが、中学の数学から苦手になった」

という人が多いのではないか。

やれxだのyだの
やれ方程式だの関数だの相似だの

言葉を見るだけで嫌悪感を抱く人も少なくない。

これは一部の人の話ではなく色々な所で聞く話なので、何か根本的な原因があるのではないか。

ちなみに私は数学は大好きだった。
思うに数学という科目は、他の国語や英語などと比べて好き嫌い得意不得意がかなりはっきり分かれているイメージがある。

それらを踏まえてなぜ中学で数学が出来なくなるのか、はたまたそれを克服するためにはどうすれば良いかを考えていきたい。

【目次】
① 数学が出来なくなる理由
② 数学が出来るようになる方法
③ 数学という学問


【① 数学が出来なくなる理由】

結論からいえば、数学が出来なくなる根本的な原因は

「よく分からなくなる」

からである。
思い出してみて欲しい

小学校までの算数はリンゴやお金など身近なものを題材にして足し算や引き算、掛け算や割り算を考えていた。

図形問題も手元には三角定規や分度器などがあり、形も計算もとてもイメージしやすかった。

しかし、中学数学の最初

目には見えない「マイナス」という概念
aやxなどの文字

今までイメージしやすかったものから一転、概念的な話になりイメージ出来なくなる

正負の計算くらいはまだついていけたが、文字の計算でトドメ
さよなら数学

これが王道パターンだ。

しかも、中学数学の問題点はこれだけではない。

中学数学の内容を簡単に説明すると

「中1~2は伏線ばっか、中3で一気に伏線を回収する」

というカリキュラムだからだ。

中学数学には大きく3つの分野があり

① 代数(正負の数、文字、方程式等)
② 幾何(平面、立体、円、三平方、相似等)
③ 解析(関数)

各分野のゴールは
① 二次方程式
② 相似、円、三平方
③ 二次関数(厳密にはy=ax^2)

これらは全て中3で習うものなので、中1~2の間はこのゴールに向けてひたすら準備運動をし続けているのだ。

社会であれば歴史は苦手だけど、地理は得意みたいに、苦手な分野があっても得意な分野があったりするものだが、

中学数学はどんどん積み重なっていくものなのでどこかでつまづいたらその先はずっと分からないままになる。

これが中学数学で得意不得意がハッキリわかれている大きな原因だ。
※もちろん確率など独立した単元もあるが

なので、中学生でも高校生でも数学に苦手意識がある人は「どこがそもそも分かってないのか」という原因を見つけ、必要であれば中1の内容から始めてみるのも良いかもしれない。


【② 数学が出来るようになる方法】

ではいよいよ数学が出来るようになる具体的な方法を述べたいと思う。

結論からいえば

「問題を解きまくる」

ことである。

それだけ!?と思われるかもしれない。

本屋さんなんかを見渡していると
「数学が現実でどのように役立っているか」
「二次関数を分かりやすく解説してみた」
「数学的思考は現実でも役立つ」

みたいなものが並んでいるが、本質的な所はそこではない。
単なる「演習量不足」である。

算数や数学が好きな人、得意な人のたった一つの共通点は「たくさん問題を解いている」ことだと思う。

公式を沢山覚えてるとか、ひらめき力があるとかもあるかもしれないが「とにかく量をこなしている」のである。

数学が苦手な人ほど「これをやって何の意味があるのか」や「社会に出てなんの役に立つのか」とか理屈っぽくなるが、はっきりいってそれはただの逃げである。

数学は理論よりも実践。
例えば「正負の数」が苦手な子がいた時に、こういう時に符号がこう変わってと丁寧に説明するよりも、その間に10問解かせた方がはるかに身につく。

そもそも理論というものは沢山解いた後に考えるものであり、何気なくやってる作業がどのような仕組みになってるのか考えることこそが論理的思考の出発点である。

特に中学生に大人のような論理的思考を求めるのは間違っている。
脳も精神も発展段階の時だからこそとにかく解きまくって、脳がしっかり出来上がった時に深く考えられる基礎力があるべきだ。

もちろんこれは高校生や数学が苦手な大人にもいえる。

まずは簡単な問題を取り上げてとにかく解いてみることから始めよう。


【③ 数学という学問】

最後は数学という学問について考えてみる。
私は大学で数学を研究していた訳では無いので、専門的なことは何一つ分からない。

ただ、「受験数学」と「本来の数学」の違いは分かる。

数学はゲームだとよく例えられる。

イメージはRPGでもレーシングでも格闘でも何でも良い。

分からないダンジョン、勝てない敵、倒せない相手。
そんな壁にぶつかった時、人は「どうにかしてこれをクリア出来る方法はないのだろうか?」と考える。

数学でいえば、
「この大きな池の大きさを測りたい」
「形は同じでサイズが一回り小さいものを作りたい」
「この建物を作るのに必要な材料はいくつなのか」

こういった日常的課題に対して、「効率よくこなしたい」と考えて考えて考えた結果、今日のような便利な定理や公式が生まれた。

つまり「ニーズ」が先にあって「度重なる試行錯誤の結果、公式を発見する」
これこそが数学の楽しみだと思う。

しかし学校で習う数学というのはそういった苦労の結晶をいきなり与えられている状態。

ゲームでいえば最初っから攻略本が与えられている状態と同じだ。

そもそと数学というゲームに興味がある人からしたら、攻略本を手にどんどん進めていけるが、レーシングゲームや格闘ゲームそのものに興味が無い人はたとえ攻略本を渡されてもやらないというのは納得できる。

これが数学が苦手になっていく根本的な原因である。

しかし、中学生や高校生に数学のロマンを語れる教師は少ない。

逆にそのロマンを上手く伝えられる教師の生徒は数学が好きになる可能性が高い。

実際数学が好きな生徒に「なぜ数学が好きか?」と聞いたら「先生が面白いから」という答えが意外と多い。

では、子供が数学が好きになるのは教師次第か?と聞かれるとそうではない。

要は「解けない」から面白くないのだ

そのため中学数学は理論よりも実践、授業中でもとにかく問題を解くことを中心にした方が良い。

解説はほんの少し、後はとにかく演習。

分からない子にはとことん付き合って分かるまで教える。

数をこなして、解けるようになって初めて数学は面白くなる。

皮肉なことに、
「数学が面白くないから解けない」

ではなく

「解けるから数学が面白くなる」

順番が逆なのだ。

確かに数学が出来たからって社会で使うとは限らない。
しかし、分からない問題を見て、解法を考えて、やってみて、解けた時の快感を1度知ればもう数学のトリコだろう。

まさにゲームと同じだ。

長くなったが、数学が苦手な人ほど「量」を意識して欲しい。

最初は簡単な問題でも100点取れるまで何度も何度もやって少しずつステップアップしていってもらいたい。

結局は根性論みたいになってしまったが、少しでも数学嫌いな人に届けば幸いである。

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