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【音楽まとめ】MY BEST SONGS 2022 [10位~1位]

毎年恒例(!?)となった年間ベストソング企画。今回はいよいよラスト、10位~1位の曲をMVまたはSpotifyリンクと共に紹介する。

選定基準は以下の通り。
・基本的に2022年リリースの楽曲からチョイス
・1アーティストにつき1曲まで。ただしコラボやフィーチャリングの場合は例外あり
・意義や技術より「好き」優先
なお、便宜上順位を付けてはいるが、特に30位以下の楽曲はそれこそ聴くたびに順位が変動しそうなレベルなので、参考程度にとどめていただければと。

■10位 第ゼロ感 / 10-FEET

映画『THE FIRST SLAM DUNK』エンディング主題歌。2022年、ネットでバズったというタイプではなく、映画から派生して幅広い層においてヒットした、バンド発による貴重な一曲。90年代にバスケブームを起こした漫画『SLAM DUNK』が、今度は映画で2022年に再びバスケブームを巻き起こすかのような現象を生み、地上波の様々なTV番組でもここぞというシーンで同曲が使用されるなど、その勢いはまだまだ続く。10-FEETを『Mステ』初出演へと導き、ロック好きの枠を飛び越えて彼らの名を全国に知らしめることになった記念すべき曲。映画内で、リョータのとあるシーンで同曲が流れる瞬間は鳥肌モノ。

■9位 Sweet rain / 633


バンドとバーベキューをこよなく愛するソーセージの化身、633。SOFT CREAM(Vo)、SMOKE(Gt)、LANTERN SMILE(Ba)、DRUNK MONKEY(Dr)という4人組エモ・ポップパンクバンドだが、そのベールは謎に包まれている。ストレイテナーとのツアーも開催したが、両バンドメンバーが同時にステージに立つことは一切なく、将来633とテナーのセッションライブなども期待したい(が実現することはありえないない)。

音楽的には、90年代のロックに影響を受けた彼ら自身が、好きなサウンドを思いっきり表現したような、ストレートな気持ちよさがある。ポップパンクのカラっと乾いた感じと、テナーの持つ湿度と情緒がミックスされた独特の味わいを生み出している。

■8位 歓声をさがして / My Hair is Bad

リアルでヒリヒリするようなラブソングが若い世代に突き刺さる、そんな印象の強いマイヘアだが、「歓声をさがして」では、“好き”の対象が人ではなく、夢中になれる“何か”へと変わる。一番では《DJ放送室 僕の曲をかけて》と歌い、ラストは《DJ もういいや 僕の曲は僕が歌うことにするから》と、他人任せではなく自らの手で進む決意を表明する。すべての世代にとって強烈な青春の香りに鼻の奥がつんとするような曲だ。ライブで聴いたらきっと泣く。(サブスクで聴いてすでに泣いている)

■7位 チーズケーキ・ファクトリー / ELLEGARDEN

ELLEGARDEN、16年ぶりとなる待望のニューアルバム『The End of Yesterday』収録曲。先行配信シングルも素晴らしいが、個人的にはこの曲を選んでみた。サビ前に五線譜を下る《ティダ・ラ・バダ We get it get it go》の箇所がたまらなく好き。このポイントがサビの盛り上がりをグッと引き立てている。また、《あとになって思い出して》の箇所で「あとんなって」と歌う細美節もたまらない。ハイスタもそうだったが、活動自体の再開ではなく、新曲を生み出してからがバンドにとって本当の意味での復活、再スタートなんだということをあらためて感じさせてくれた。

■6位 カメレオン / King Gnu

King Gnuは本当に名曲が多すぎて選ぶのが大変なのだが、今回はドラマ『ミステリと言う勿れ』での主題歌としてドラマの世界観とも見事にハマっていた同曲にした。井口理のボーカリストとしての表現の幅広さ、奥深さ、そして常田大希のとてつもない才能から生み出された音楽を、聴きやすく整理して一般リスナーに届けるテクニックの凄さたるや。ドラマでは一部キャラクター描写に不満は残るものの、「カメレオン」がそんな不満を打ち消してくれるほどに、「久能整くん」が暮らすあの世界に寄り添っている。

■5位 ミックスナッツ / Official髭男ism

ドラマ『silent』主題歌の「Subtitle」とめちゃくちゃ迷ったが、アニメ『SPY×FAMILY』主題歌のこちらを選んだ。「Subtitle」はドラマとの相性でいえば2022年No.1だったのではないかと思う。だが曲そのものの魅力も含めて考えると、個人的にはわずかにこちらかな、と。

圧倒的ともいえる彩り豊かな音と、壮絶ともいえる歌と演奏の技術力。そして藤原が描く、『SPY×FAMILY』の世界観に沿った歌詞。身分を偽り敵国でスパイ活動をする主人公、そんな彼と疑似家族として暮らす“妻”と“娘”と犬という設定を巧みに歌詞の中に落とし込んで、《胃がもたれていく》という表現で満たされた思いを表現するなど、とにかく注目したくなるポイントだらけ。2023年にはいったいどんなモンスターソングを生み出すのか、楽しみで仕方がない。

■4位 KICK BACK / 米津玄師

アニメ『チェンソーマン』のOPテーマ。EDは毎話変わっていたがOPだけは同曲固定。アニメ映像とのハマり具合も抜群で、チーム『チェンソーマン』としての素晴らしさも伝わってくる。歪む低音ベースによる癖の強いイントロも最高。感動する曲、カッコいい曲、ワクワクする曲など人の心に残る曲にはいろいろな特徴があるが、「KICK BACK」は自分にとって中毒性の高い曲、という位置づけ。何度も何度も繰り返し聴きたくなってしまう。それこそイントロから始まって中盤のオーケストラを伴うスケール感ある歌唱、モーニング娘楽曲のサンプリングなど飽きさせないネタをたくさん仕込んだ、米津玄師にしか作れないような唯一無二な楽曲。

■3位 Pale Summer / THE LOCAL PINTS

“世界一クラフトビールに合うバンド”として結成されたバンド、THE LOCAL PINTSによるシングル。私自身ビールは苦手なほうだが、そんな人間にも届く、爽やかで心地の良い音楽を溢れ出る楽しさと共に鳴らしている。とてつもなくキャッチーなアメリカンポップスで、こんなサウンドを日本人が生み出していることに興味を惹かれるし、とにかく面白い。青天の下、ビール片手に(私の場合はジンジャーエール)体を揺らしながら浴びたら最高の一日が約束される、そんな景色が自然と浮かんでしまう音楽だ。

■2位 Pluto / Jam Fuzz Kid

UKロックの影響を受けつつ独自の音楽を鳴らし始めたJam Fuzz Kidが放つ、スケール感満載のアンセム。彼らの音楽は、少し前に話題となった「ギターソロ不要論」など、若い世代には長いイントロやギターソロは「だるい」と一笑に付されるという風潮(どこまでリアルな説なのかは何とも言えないが)に真っ向から抗うような、これでもかと歌い上げるギターリフがめちゃくちゃ最高。

Jam Fuzz Kidの楽曲はギターリフと共にあると言っても過言ではないほど、様々な曲に個性豊かでメロディアスなリフが組み込まれている。Riki(Vo)のロックスター感たっぷりな歌唱と併せて、このギターサウンドもJam Fuzz Kidの顔と言うべき要素だ。自身がカッコいいと思う音楽を鳴らし続けるJam Fuzz Kidの快進撃に期待大。

■1位 夜をループ / 佐藤千亜妃

このランキング、2020年、21年とBTSによる連覇となっていたが、2022年の1位は佐藤千亜妃の「夜をループ」が獲得。きのこ帝国『フェイクワールドワンダーランド』で衝撃の出会いをしてから、ずっと彼女の作る音楽やその歌声には惹かれ続けてきたが、今作は「クロノスタシス」「東京」以来のお気に入りと言ってもいいかもしれない。登場人物の生活や人生が感じられる歌詞に、佐藤の優しく繊細な歌声がマッチしており、《ループ ループ ループ》と、まさに「ループ」がループするフレーズも癖になる。

歌声と歌詞とメロディと演奏が綺麗に組み合わさり、楽曲としての仕上がりも抜群。2022年だけでなくこれからも長く聴き続けていく曲になると思う。




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